【東海自然歩道 No.6】足和田山、樹海コース

シリーズ  山梨百名山       
東海自然歩道 No.6    
山 名  足和田山
山行日  2006年7月1日(土)
同行者  グループ・せせらぎ 10名
歩行時間  7時間40分(休憩含む)
コース 一本木登山口→足和田山→三湖台→氷穴→樹海→本栖湖→県境

 前回の東海自然歩道は舗装の車道歩きが半分以上の大平山・浅間神社コース。今回スタート地点の足和田山登山口のゴールには暗くなってから着いた。難所といわれた裏丹沢・道志コースよりよほど疲れた感じだ。今回の足和田山・樹海コースは、東海自然歩道の中で最初につくられたモデルコース。車道歩きがほとんどないのがありがたい。

県境付近の駐車場(冬季:チェーン脱着場)

  今日のメンバー10人が2台の車に分乗し、道の駅 朝霧高原に集合する。打ち合わせや、トイレなどを済ませゴール地点 静岡・山梨県境のバス停まで移動する。近くの駐車場に車を停め、県境バス停から前回ゴール地点の足和田山登山口の一本木バス停までバスを利用する。


  バス停から足和田山登山口までは5分ほどだ。集合写真を撮って出発。モデルコースだけあってよく整備された路なのだが、歩幅の合わない丸太土留の階段路が延々と続くのに辟易する。

よく整備された登山路

  登山口から足和田山山頂までの標高差は約400m。緑鮮やかな雑木林の路はほどよい傾斜でモデルコースにふさわしい。ひと登りで稜線に出ると大嵐方面からの路と合流する。路幅が一段と広くなった尾根を少し行くとあっけなく足和田山山頂に着いた。山頂は五湖台とも呼ばれかつては、その名の通り富士五湖が一望できたようだが今は、生い茂る樹木に遮られ、山頂に設けられた展望台に上っても河口湖が見下ろせる程度だ。

足和田山山頂

  足和田山からは、眼下に広がる樹海に浮かぶ富士山の眺めが素晴らしいが、山頂部分は笠雲に覆われている。今日は、富士山の山開きだが、ご来光は拝めなかっただろう。

笠雲を戴いた富士山

広々した三湖台山頂、右奥に鬼ヶ岳

  三湖台の山頂は運動場のように広々している。南には笠雲の取れた富士山、その裾野は樹海に覆われ濃緑色に染まっている。北には眼下の西湖を挟んで十二ヶ岳、鬼ヶ岳など御坂山塊が間近に迫る。西には、かすみの彼方に残雪の南アルプスの山々が連なり、五湖台よりはるかに優る大パノラマが広がる。

  三湖台から5分ほど下ると紅葉台。広々した駐車場のある展望レストハウス脇を抜け樹海に向かう。丸太階段の急坂をしばらく下ると、しだいに樹海の雰囲気が漂いはじめ、国道139号の地下道をくぐると自殺防止の呼びかけ板が立っていて、樹海に入り込んだことを実感する。

  今回コースの最高峰 五湖台を後にして三湖台に向かう。アップダウンを繰り返しながら徐々に下っていく、雑木林の快適な尾根路だ。樹木の切れ間からときおり左に右に、富士山や西湖が姿を見せる。

自殺防止呼掛け板

R139地下道

  しばらく行くと鳴沢氷穴に出る。ここで昼食の予定だったが、付近一帯建築工事中で休む場所もない上、観光客も多く先に進むことにする。路が少々広くなり空が覗き明るくなった辺りで昼食をとる。


  昼食後しばらく行った富岳風穴の分岐で、学生に樹海に関するアンケートを求められる。気楽に応じたのだが、質問項目の余りの多さに意外に時間をとられ、ちょっと後悔する。

樹海の中で昼食

樹海は続く

  神秘的な雰囲気が漂う樹海の路だが、幅は広く道標もしっかりしている。行けども行けども樹海の中、何の変化もなくしだいに飽きてくる。ときおり、平行している国道139号を走る車の音も聞こえ、うわさに聞く「迷い込んだら出られない」の緊張感もまるで感じない。

  冷気漂う窪地の路を抜けしばらく行くと舗装林道にぶつかる。精進口富士山登山道だ。これを横断し10分ほどゆるやかに下って行くと精進湖民宿村に出る。車道を歩いて民宿村を抜け再び樹海に入り30分ほど行くと国道139号を地下道でくぐる。地下道はじめじめしているせいか、木道が渡してある。

  地下道を抜けると、右に城山跡への登り路が分岐する。山腹は植林帯のようだ。左の原始林はやや疎らで明るい感じになりる。ほどなくパノラマ台への路を右に分けると廃業した本栖湖ロッジの裏庭に出る。ロッジの敷地を抜け国道300号を横断し、本栖湖畔に出る。湖背後の竜ヶ岳を見ながら、樹海を抜けた開放感に浸る。湖畔の路を辿り、トイレのある本栖湖駐車場で休憩とする。

R139を横断し、疎らになった樹林帯

竜ヶ岳を背にした本栖湖

  休憩後、バンガローが点在するキャンプ場の売店で飲んだ冷えた牛乳がことのほか美味しかった。竜ヶ岳登山口への路を右に分け、雑木林の中を行くと国道139号と並走するがすぐに国道を離れ、竜ヶ岳の山裾を何度も上り下りしながら県境の割石峠に向かう。

県境に近づくと富士山が

ゴールの県境目指して

  立派な砂防ダムを右に見ると路は大きく左にカーブし、植林帯の斜面を登り切ると目の前に富士山が姿を現す。ここを下って上り返し、しばらく行くと県境の案内板が立っている。自然歩道を外れ左に曲がると直ぐに国道139号で、“東海自然歩道 根原入口”の大きな標柱が立っている。朝、バスに乗った地点だ。この標柱を入れてゴールの集合写真を撮る。


  チェーン脱着用の駐車場まで国道を戻り、車を回収、バナジウム温泉“風の湯”で汗を流し帰路につく。

ゴールの県境(静岡 ・ 山梨)

関連情報                          アクセスカウンター
1/2.5万地形図 ▼鳴沢 [北東]-足和田山     鳴沢 [北西]-氷穴
  精進 [北東]-精進民宿村  精進 [南東]-県境 
ガイドブック  東海自然歩道 30選 東京、神奈川、山梨、静岡
  塚本義次編  七賢出版 2000/05
▼首都圏から出かける東海自然歩道 徹底ルートガイド
 イデア・ビレッジ著 メイツ出版 2002/05 \1500
東海自然歩道 日帰りハイキング〈1〉高尾山‐奥三河
  武村岳男著 山と渓谷社 1994
交通 ▼県境 ⇒ 一本木 バス料金:¥1010
樹海と自殺 ▼青木ヶ原での自殺が起こるようになったのは、松本清張の小説『波の塔』で登場人物が青木ヶ原で自殺する場面が描かれていて、この小説が1973年にTVドラマ化(NHK銀河テレビ小説)されたことによって「青木ヶ原=自殺」というイメージが広く定着した。
行 程
場 所 着時刻 発時刻
 登山口(継歩地点) 9:36 9:40
 足和田山 10:27 10:43
 三湖台 11:22 11:40
 R139 12:12
 氷穴 12:22 12:26
 風穴分岐 12:54 13:03
 精進口富士登山道 14:13
 精進民宿村 14:23 14:34
 R139 14:58
 本栖湖駐車場 15:40 15:50
 県境(割石峠) 17:20 17:26
 駐車場 17:31 17:35

更新日:2013/09/02