【東海自然歩道 No.7】朝霧高原コース

シリーズ  東海自然歩道        
山行日  2006年9月10日(日)
同行者  グループ・せせらぎ 13名
歩行時間  5時間45分(休憩含む)
コース 県境→A沢貯水池→根原吊橋→麓集落→麓吊橋→陣馬の滝→遠照寺→小田貫湿原→長者ヶ岳登山口(田貫湖畔)

  2ヶ月半ぶりの東海自然歩道歩は、富士山を眺めながら平坦な路を歩く花いっぱいの朝霧高原コース。7回目にしてはじめて山登りのないコース。参加者は過去最高の13名。3台の車に分乗し、1台をゴールの田貫湖畔 長者ヶ岳登山口にデポ、2台の車でスタート地点の静岡・山梨県境 割石峠に向かう。

  前回同様、R138の県境を数百メートル先に行った冬季チェーン脱着場である駐車場に車を停める。なぜかトイレは閉鎖されていて使えない。

  前回ゴール地点の県境で集合写真を撮り8:25 出発。数分ほど歩くとトイレのある広場に出る。最初の目標地点、A沢貯水池まで3.3km の道標が立っている。竜ヶ岳の山裾をほとんど水平に巻きながら樹林帯の中を行く。木々の間から長方形のA沢貯水池が見下ろせる。

県境付近の駐車場(冬季:チェーン脱着場)

スタート地点の県境

  端足峠の分岐からV字状に折れと、下り勾配の雑木林の路となる。それまでよりは明るくなったが、足元に岩が点在し歩きにくくなる。しかしそれもわずか、左に富士山、後方に竜ヶ岳を望める草原に出て、一気に気分が晴れやかになる。秋の花がそこかしこに咲いている。ほどなくして金網で囲まれたA沢貯水池。直進すると根原のバス停は直ぐだが、東海自然歩道は貯水池の角を右に曲がる。

樹林帯を抜け、竜ヶ岳を背に歩く

  未舗装の平坦な林道をしばらく行くと根原の吊橋に出る。長さは20mほど、けっこう揺れるので怖がる人もいる。橋を渡り、しばらくいくと銃を持ったハンターが「静かにして、早く行け」という。イノシシとシカ狩だそうだ。

根原の吊橋

  ほどなくして広々した草原の路となる。ススキの原に白雲を浮かべた富士山が大きく裾を広げている。路端にはツリフネソウ、テンニンソウ、マルバハギ、ツリガネニンジン等など、まさに百花繚乱の風情だ。

 雨季迂回路を左に分け、水が枯れたB沢を渡りしばらく行くと、これまでと打って変わり、夏草に覆われた路となる。長引いた梅雨で、雨季迂回路が使われたためだろう。しかし、細いとはいえ路はしっかりとついていて迷うことはない。左は平原越の富士山、右は雨ヶ岳など天子山塊の山々が間近に迫る。やがて先に分かれた迂回路が合流する。合流地点に建つ休憩舎で一休みする。

ススキの草原を行く

夏草に覆われた路

  草原の中のあずまやで休憩した後、再び富士山を眺めながら牧草地の中の心地よい散策路を進む。土の感触がやわらかで気持ちが良い。どこまでも続くのどかで広大な眺めは北海道やヨーロッパの片田舎を思い起こさせる。

  いつのまにか路は舗装された車道となり、林を抜けると麓集落にでる。自然歩道は左に折れるが、直進すると毛無山の登山口だ。分岐の少し手前に、小奇麗なトイレと2組のベンチが置かれた休憩ポイントがあり、ここで昼食とする。

富士を見ながら牧草地を行く

道端に設けられたベンチで昼食

  昼食後、しばらく車道を行くと自然歩道は右に分岐しまた地道となる。しばらく行くと長さ60mの麓の吊橋。これを渡り30分ほど行くと、再び舗装道路。猪之頭中学校の脇を抜ける辺りから分かれ道がいくつもあるが、道標がこまめに立っているので迷わずに歩ける。

  道標に従い右に左に猪之頭の集落を行き、遠照寺の手前を右折すると陣馬の滝はすぐだ。滝に向かって少し下ると冷気が漂っていてまことに清々しい。傍らで数人が流れ落ちる水を大きなポリタンに汲んでいる。飲んでみると冷たくて美味しい。みなペットボトルに補給する。草に覆われた岩場から流れ落ちる幾筋も滝はすばらしく、多くの観光客で賑わうのも納得できる。

陣馬の滝

  滝を後にし、富士山の伏流水を利用したワサビ田の前を通り遠照寺に立ち寄る。太皷石といわれる、中が空洞の奇岩が安置されている日蓮宗の寺だ。

麓の吊橋

太皷石

小田貫湿原

  遠照寺を後にして田貫湖へ向かう。五斗目木川を渡り植林帯の林道をいくと、富士山域で唯一の湿原、小田貫湿原が現れる。敷設された木道で湿原を抜けるとゴールの田貫湖畔にある長者ヶ岳登山口はすぐだった。デポした車でスタート地点に駐車した車を回収し、西富士湯ランドの大露天風呂で汗を流し帰路についた。

行 程
場 所 着時刻 発時刻
 県境(割石峠) 8:20 8:25
 端足峠分岐 9:11 9:13
 A沢貯水池 9:32
 根原吊橋 9:47
 迂回路分岐 10:10
 迂回路合流(休憩舎) 10:43 10:50
 麓集落ベンチ(昼食) 11:25 11:45
 麓の吊橋 11:57 12:04
 陣馬の滝 12:59 13:10
 遠照寺 13:19 13:24
 小田貫湿原 13:49 14:00
 長者ヶ岳登山口 14:08 14:45

ゴールの長者ヶ岳登山口(田貫湖畔)

関連情報                          アクセスカウンター
1/2.5万地形図 ▼精進 [南東]    人穴 [北東]   人穴 [南西]
ガイドブック  東海自然歩道 30選 東京、神奈川、山梨、静岡  塚本義次編  七賢出版 2000/05
▼首都圏から出かける東海自然歩道 徹底ルートガイド メイツ出版 2002/05 \1500
東海自然歩道 日帰りハイキング〈1〉高尾山‐奥三河  武村岳男著 山と渓谷社 1994
立ち寄り湯 西富士オートキャンプ場(西富士湯ランド)   tel:0544-54-2716  10:00-2100(4-10月) ¥700
地名(かな) ▼端足峠:はしだとうげ  猪之頭:いのかしら  遠照寺:おんしょうじ   小田貫:こだぬき  
推薦HP 東海自然歩道富士宮コース − ハイキング −
太皷石 ▼溶岩流が樹木を包み込み、樹木の部分が炭化して空洞となった溶岩樹型。
 富士の麓で巻狩をした源頼朝は、滝の下で太鼓を打つような音を不思議に思い滝壺を探らせた。すると、中が空洞になった太鼓の胴のような石が出てきた。これを太鼓石と名付け遠照寺に安置したといわれている。

更新日:2013/09/02