東海自然歩道 No.8】長者ヶ岳、思親山コース

シリーズ  山梨百名山     前  
 東海自然歩道      
山 名  長者ヶ岳、思親山
山行日  2006年10月14日(土)
同行者  グループ・せせらぎ 12名
歩行時間  8時間58分(含む休憩)
コース 田貫湖→長者ヶ岳→上佐野→佐野峠→思親山→源立寺→井出駅

  東海自然歩道を歩きはじめて8回目、今回のコースは田貫湖から長者ヶ岳と思親山の山梨百名山二山を越えて身延線 井出駅まで下るロングコースだ。普通は中間地点の上佐野で区切り2日に分けて歩く人が多いようだ。

 今回はマイカーを使用せず公共交通機関のみを利用する。メンバー12名が、静岡駅発6時41分の電車にそれぞれ最寄り駅から乗り込む。富士駅で身延線に乗り換え富士宮駅着7時38分。3台のタクシーに分乗し、前回歩了地点 田貫湖畔北側の長者ヶ岳登山口に向かう。(タクシー料金 4,370/台)

 前回ゴール地点の長者ヶ岳登山口に立つ大きな東海自然歩道の案内板を入れて集合写真を撮り出発。山頂まで3.1km、標高差は650m。稜線上の登山路は、随所に丸太土留の階段があるなどよく整備されていて歩き易い。左側は植林帯だが右は自然林、幅広でもあり快適な路だ。10分ほど登ると田貫湖畔からの路と合流する。

長者ヶ岳登山口(田貫湖畔)

  最初のベンチで一休み。再び歩きはじめてほどなく、左下方に田貫湖が見下ろせ、かなり高度を稼いだ気になる。長者ヶ岳まで1.1kmの道標を過ぎても路は広々、階段路も多い。歩幅が合わないためか階段脇を歩く人が多いようだ。

よく整備されている東海自然歩道

  木立がすべて自然林に変わるに従い広々した路がしだいに狭くなる。路端に咲くカンアオイやフクオウソウをカメラに収めると、ほどなく長者ヶ岳の山頂に着いた。

自然林の路になると山頂は近い

  山頂は東側が切り開かれ、間近に富士山が望めるはずだが、今日は残念ながらまったく姿を見せない。長者ヶ岳は、本日の最高点だが先は長い。山頂標識を入れて集合写真を撮り早々に出発する。

長者ヶ岳山頂

  静岡・山梨の県境尾根を天子ヶ岳に向け南下。多少色づきはじめた雑木林の路を10分余りゆるやかに下る。下りきった鞍部から尾根を離れ小草里へ向かう。

長者ヶ岳からの平坦な尾根路

  稜線から山梨県側に入った途端、路が荒れている。長者ヶ岳、天子ヶ岳ともこちらの路を使うハイカーは、東海自然歩道を歩いている人だけなのだろう。

 鞍部からいったん下った後、しばらく水平なトラバース路が続く。路は細り、草に覆われるところも少なくない。とはいえさすが東海自然歩道、路はしっかりとついていて迷う不安はないし、苔むし滑りやすくなってはいるが、ガレバには桟橋も架けられている。

尾根を離れると心細い路となる

苔むす桟橋

  ところどころ崩壊しているところもあるがそれほど危険を感じることはない。稜線を離れ2時間近く展望の利かない路を下り、明るい伐採地に出たところで昼食とする。

  昼食後、しばらく下ると林道に出た。佐野川を栃広橋で渡ると小草里集落、ほどなく上佐野のバス停に着いた。南部町営バスで通学用なのだろう。内船駅行きで日祝運休、朝6:38発の後は14:05と16:55の一日3本のみ。普通は、ここまでで一日の行程とする人が多いようだが、われわれはさらに標高差600mほどの思親山を越えていかねばならない。

崩壊地

伐採地

  山間にひっそりと佇む風情豊かな小草里集落を抜け、佐野峠に向かう。“蝮養殖場”と書かれた看板の前を通り、集落内の舗装された平坦な道は、いつしか山路となり蛇行しながらゆっくりと高度を稼ぐようになる。“思親山3km”の道標からしばらく植林帯の路が続く。薄暗い路端のそこかしこにレイジンソウがひっそりと咲いている。

  植林帯の沢に十数段の階段がついた立派な木橋が架けられ、続いて今度は152段の木製階段と、過剰と思えるほどによく整備されている路だ。この辺りになるといつしか周囲は自然林となり疲れた身体を癒してくれる。さらにひと登りすると林道に出て、左に折れるとすぐに佐野峠に着いた。

小草里集落

152段の階段

  佐野峠には十数台停まれる駐車場と真新しいトイレや休憩舎もある。来し方を振り返ると富士山が姿を現し、その左に連なる天子山塊に先ほど頂を踏んだ長者ヶ岳が望める。長めの休憩をとり、標高差200mほどの思親山に向かう。

佐野峠より富士山と天子山塊

  丸太階段などよく整備された路を登り、小さなコブを数回越えて明るく広々した思親山山頂に到着する。育ってきている木々が少々邪魔だが富士山は望めるし、反対側には篠井山が大きくみえる。ゆっくりしたいところだが先は長い。山頂からゴールの井出駅まで標高差830m、約8kmの行程だ。既に午後3時を大きく回っている。集合写真を撮って早々に出発。

思親山山頂

  山路を10分ほど行くと再び舗装林道にぶつかり右に曲がると直ぐに八木沢集落の源立寺に着いた。時刻は16:45、予想外に早い到着だ。下りはじめて早々に井出駅発17:21の電車は諦め、次の18:31に乗るつもりだったが、井出駅までは2.6km、舗装道路の下りであり何とか予定より一本早い電車に乗れそうだ。

  八木沢集落に向かって植林帯の路を20分ほど下ると右に内船駅への路が分岐する。さらに15分ほど下ると再び右に内船駅への路が分岐し、ほどなく未舗装林道に降り立つ。すぐにアキチョウジの咲き乱れる山路に戻り、しばらく行くと舗装林道に出た。これを10分ほど行くと自然歩道が右に分岐する。林道はゆったりした下り、自然歩道はけっこうな傾斜の登り路、身体は疲れているがみなためらうことなく山路に入る。

セキヤノアキチョウジの咲き乱れる路

  木々に覆われ薄暗い車道を九十九折れにどんどん下る。眼下に富士川が見えてくると井出駅は近い。踏み切り手前で今日はじめての自動販売機で冷えた清涼飲料を手に入れる。無人の駅ホームでゴールの記念写真を撮るとほどなく電車が来た。

行 程
場 所 着時刻 発時刻
 登山口(田貫湖畔) 8:10 8:20
 長者ヶ岳 10:02 10:15
 天子ヶ岳分岐 10:29
 上佐野バス停 12:58
 佐野峠 14:23 14:37
 思親山 15:15 15:20
 源立寺 16:45 16:47
 井出駅 17:18 17:21

本日のゴール 井出駅

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ガイドブック  東海自然歩道 30選 東京、神奈川、山梨、静岡
  塚本義次編  七賢出版 2000/05
東海自然歩道 日帰りハイキング〈1〉高尾山‐奥三河
  武村岳男著 山と渓谷社 1994
交通 ▼富士宮駅 ⇒田貫湖畔 タクシー料金:¥4370円/台

更新日:2014/09/02