【東海自然歩道 No.5】石割山、大平山コース
東海自然歩道を歩きはじめて2ヵ月半になる。前回(5/21)、東海自然歩道中の最難所といわれる丹沢コースを無事歩き通し、山中湖畔 平野までたどり着いた。これからしばらくは好きなように歩けばよいのだが、次のコース取りのことも考えて足和田山登山口まで歩くことにする。後半は大部分、舗装道路歩きとなるのが辛い。
難所越えの前2回より自宅発は2時間以上も遅い6時少し前。今日のメンバー8名が2台の車に分乗し、集合場所の東名高速
富士川SAに7時頃集合した。数日前までの週間天気予報では、雨振りは免れないと思っていたが幸いその心配はなさそうだ。
今回ゴール予定の足和田山登山口に車を停め、前回終了地点の山中湖畔までタクシーで移動する。継歩地点出発、9時。こまめに立つ道標に従い大平山に向かう。住宅街を抜けR413を横断し、車道をゆるやかに登っていくとほどなく東海自然歩道は左に分岐する。直進する道は石割山ハイキングコースだ。東海自然歩道は、山梨百名山の石割山を通らないのだが、東海自然歩道関連のガイドブックには、石割山経由で歩くことを薦めている。
われわれは忠実に東海自然歩道を辿ることにする。この分岐からの登山路を実質上の起点として、集合写真を撮って出発。緑のトンネルの中、よく整備された路をゆるやかに登っていく。分岐から30分ほどすると山中湖が見下ろせるようになる。その背後には、高指山から三国山方面へ連なる山が緑の斜面を見せている。ほどなくして、左前方に富士山が望めるようになると主稜線は近い。
足和田山登山口の駐車スペース
東海自然歩道 ・ 石割山登山路分岐
東海自然歩道は主稜線の分岐を左に曲がるのだが、せっかくだからと右に曲がり石割山まで往復することにする。石割山への尾根路は花いっぱいの路だ。山中湖畔名物のズミをはじめタニウツギ、ウマノアシガタ、アヤメ、フデリンドウなどの花々が咲き誇っている。
石割山山頂より富士山と山中湖を望む
花咲石割山への急登
山頂に近づくにつれ傾斜がきつくなる。一直線に伸びる地肌剥き出しの路は滑りやすく非常に登り難い。東海自然歩道によく見られる丸太土留の階段がないのが不思議なくらいだ。分岐から30分足らずで登りついた石割山山頂は、評判通りの大パノラマが広がっている。眼下の山中湖と富士山、その右には雪を残した南アルプスの白根三山なども眺望できる。
山頂を後に往路を分岐まで戻り、そのまま5分ほど直進すると平尾山の山頂。ここも素晴らしい眺めだ。行く手に大平山と富士山がが一望できる。遮るもののない草原状の路を富士山を正面にみながら下る。2つほどコブを越えると大平山山頂。ここもこれまでに負けず劣らず素晴らしいのだが、感激はだんだん薄くなる。
大平山山頂
平尾山山頂より大平山に向かう
昼食を済ませて山頂を後にする。相変わらず快適な尾根路を飯盛山、長池山と越え長池峠からギンランの咲く樹林帯の路を一気に下る。別荘地帯を通り抜け車道に出た。目指すハリモミ純林は右前方に見えているが、地図によると東海自然歩道のルートは左に曲がり、遠回りしながら行くようだ。山域を抜けたとたん道標が見当たらなくなり、適当に検討をつけながら歩くことにする。
花の都公園サービスセンターの案内板で確認すると、歩いてきた道は正しかったようだ。一休みしてハリモミ純林に向かう。自然歩道はかつて、林の中を抜けていたようだが今は、その周りの車道をぐるりと回りこまねばならない。
ハリモミ純林沿いの車道行く
ハリモミ純林を半周しながら道標に従い忍野に向かう。山域を抜けてから延々と舗装道路を歩き、忍野八海の脇を通り杉並区立富士学園の先で再び山路に入る。しかし、緑豊かな地路もわずか15分ほどで舗装道路に突き当たる。右か左か迷った挙句、左に曲がるとすぐに自衛隊駐屯地の門前に出る。おかしいとは思いつつも道なりに右にカーブしてしばらくすすむがどうもおかしい。歩いている人に道を尋ね、先に舗装道路に突き当たった地点まで戻ってみると、舗装道路を横断してそのまますすむ未舗装の林道が続いている。その角には立派な道標も立っていたのだが死角になっていたのだ。
舗装から開放され地路で鐘山橋に向かう
再び緑に覆われた地道を行くこと15分、車道に出たところが鐘山橋。自然歩道は車道をクランク状に横断している。角には自然歩道のルートが描かれた大きな案内板が立っている。一休みしてしばらく行くと林道が二股に分かれている。分岐付近を注意深く探したが道標はない。道なりと思える左をしばらく行くと、タイルや敷石などの建築廃材が敷かれた怪しげな道となる。案の定、古びた牛舎風の小屋前を通りしばらく行くと道がなくなってしまった。この小屋に来る車の轍が道なりと誤解させたのだ。
鐘山橋に立つ忍野コース案内図
林道分岐まで戻り今度は、右の道をしばらく行くと、こけおどしの道標が立っていて腹立たしくなる。こんな立派な道標でなく小さなものでよいからなぜ、分岐に立ててくれないのか。環境庁の役人は、現地も見ないで癒着の業者に道標設置を発注しているのだろう。自然歩道を歩く人への思いやりのかけらもない。業者と天下り先温存など自分たちへの見返りのことしか考えていないのだろう。
林道分岐から10分ほどで、小さな発電所の脇を抜け忍野橋で清流流れる桂川を渡ると車道に出る。ここにも立派な道標が立っている。そしてその案内どおりに行くが、ここから迷いに迷わされる。高尾山から忠実に東海自然歩道を辿ってきたのだ。ただ単に、浅間神社に行けばよいというわけにはいかない。しかし、地図と首っ引きするもよく分からない。ルートを少し外したようだが、とりあえず自然歩道がR138を横断する地点を目指すことにする。
自然歩道はどこだ?
註:コース中大部分の道標は左タイプ、右タイプはここだけ
もっとちゃちでも十分
こんなに豪華でなくても
R138を横断する地点に着いたが、付近をいくら捜しても道標はない。用水路脇の田んぼの畦路みたいな路しかないので仕方なくこれを行くことにする。疲れてきたので“自然歩道に拘らなくてもいいや。とりあえず浅間神社へ”という気になってくる。しばらく行き、農作業のおじさんに「東海自然歩道はどこですか」と聞いてみると、今歩いている路がそうだと言う。よかったアー!……。
相変わらず道標はない。環境庁の東海自然歩道担当のお役人様、一度歩いてみて下さいヨ。市街地など細い道が入り組んだ所では、こけおどしの馬鹿でかい道標ば似合わないし、住人にとってはグロテスクでもあるだろう。同じ予算を使って、どうしたら自然歩道を歩く人に喜ばれるのか考えて頂けないでしょうか。
自然歩道は浅間神社裏手の南を通過している。本堂は通らないのだが、すでに鐘山橋から1時間半ほど歩き続けている。神社に寄ってお参りとトイレ休憩。神社を抜けると再び例の立派な道標が立っている。1時間20分振りの道標だ。住人にとっては目障りな道標なのかも知れないが、自然歩道を歩くハイカーにとっては非常にありがたい。
久しぶりの道標
畦路みたいな水路沿いの東海自然歩道
自然とは無縁の、渋滞したR139の歩道をザック担いで行く。“なんでこんな馬鹿みたいなことやってんだ?”心の葛藤そして、痛み疲れた足と脚。気力というより惰性で黙々歩く。既に閉館しているビジターセンター前でしばしの休憩。この少し先からR139を離れ、緑に囲まれた土の路、剣丸尾溶岩台地の林の中を行く。
国道139号線を行く
車道から開放されたのも束の間、ホテルの裏の舗装道路に出てまた車道歩き。ほとんど車が通らないのと平坦なのがせめてもの慰め。R139と平行した田舎道を、元気溌剌とはほど遠くゴールを目指す。舗装が途切れしばらく行くとようやくR139の横断、すでに車のヘッドランプが灯っている。
ゴール間近のはずだが近くて遠いは里道か、意外に遠い。要所に立つ道標に導かれるままに黙々と歩く。R139を横断して20分 ちょうど午後7時に、車を停めた足和田山登山口のゴールに着いた。フラッシュを点けてのゴール写真ははじめてだ。車道歩きが半分以上の今回のコースは、これまでの中で一番疲れたように感じた一日でした。
本日のゴール、足和田山登山口でバンザイ
右前方に足和田山が見える、ゴールは近い?
関連情報 | |
1/2.5万地形図 | ▼御正体山 [南西] 富士吉田 [南東] 富士吉田 [北西] 鳴沢 [北東] |
ガイドブック | ▼東海自然歩道 30選 東京、神奈川、山梨、静岡 塚本義次編 七賢出版 2000/05 |
▼東海自然歩道 日帰りハイキング〈1〉高尾山‐奥三河 武村岳男著 山と渓谷社 1994 |
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交通 | ▼タクシー2台(同じとこ乗ったのになぜこんなに違う?) 足和田山登山口→平野 ¥7850 ¥7290 |
地名(かな) | ▼高指山:たかざすやま 忍野:おしの |
推薦HP | ▼山中湖村公式ホームページ |
行 程 | |||
場 所 | 着時刻 | 発時刻 | |
平野(継歩地点) | 8:55 | 9:00 | |
稜線分岐 | 10:05 | 10:07 | |
石割山 | 10:34 | 10:52 | |
大平山 | 11:50 | 12:11 | |
サービスセンター | 13:11 | 13:21 | |
富士学園前 | 14:20 | − | |
鐘山橋 | 15:02 | 15:09 | |
浅間神社 | 16:37 | 16:55 | |
ビジターセンター | 17:38 | 17:44 | |
R139横断 | 18:39 | − | |
足和田山登山口 | 19:00 | 19:12 |
更新日:2013/09/02