【竜頭山】山頂付近の積雪と大展望に驚嘆

シリーズ  静岡百山     前  
山 名  竜頭山(りゅうとうざん)
山行日  2005年12月21日(水)
同行者  H.K
歩行時間  6時間13分(昼食休憩除く)
コース 登山口→平和口登山路合流→青ナギ→分岐→杣小屋→東屋→山頂→ほおずき平→青ナギ→登山口
行 程      アクセスカウンター
場 所 着時刻 発時刻
 登山口 7:45 7:54
 平和口登山路合流 8:20
 青ナギ 8:38 8:45
 分岐 8:55
 杣小屋 9:28
 沢横断 9:59
 稜線 10:16 10:26
 スーパー林道路合流 11:11
 東屋(展望台) 11:32 12:08
 山頂 12:15 12:22
 標高900m 13:26 13:33
 杣小屋路合流 14:03 14:07
 平和口登山路分岐 14:21
 登山口 14:43 14:48

  遠州平野から北遠を望むと、ひときわ高く見える山が竜頭山である。竜が首をもたげたような山という意味で命名されたそうだ。親しみを込め遠州富士とも呼ばれ、かつては遠州灘を航行する船のよき目印であったという。20年ほど前までは四季を通じて多くの登山者が訪れていたが1984年5月のスーパー林道開通以来、山頂付近は行楽客で占められハイカーの足は遠のいたという。しかし、林道が閉鎖される時期になると今でもたくさんの人たちに登られているそうだ。スーパー林道が閉鎖されているこの時期、静かな山歩きとなったのは良いとして、今年の異常な大寒波のせいで山頂付近の予想外の雪の多さにビックリするとともにあまりの大展望に感動した。

林道から10mほど下った登山口

  今回も同行者のH.Kさんが自宅まで迎えに来てくれた。6:00 谷稲葉ICから国道1号藤枝バイパスに乗る。掛川バイパス大池ICで下り、天竜二俣、道の駅“花桃の里”経由で竜頭山登山口に 7:45 到着。前回の観音山登山の帰りに確認した登山口だ。R152 西渡の大井トンネルから2.5kmほど先を右に曲がり、舗装された林道を標高差で200mほど登った辺りに“竜頭山”の大きな道標が立っている。ここを10mほど下った所に車を停めた。

  車を停めたところから直ぐに鉄製の橋を渡るとしっかり踏まれた歩きやすい路が続いている。前回調査で、これなら相当に歩かれていると思った路だ。5分ほど行くと、立派な鳥居のお宮がある。その先、とたんに心細い路となる。ひっとしてお宮の裏に登山路がと思い確認したがそのまま進む路しかない。

天竜美林を行く(平和口登山路合流前)

  急斜面の細いトラバース路を少し行き沢を渡る。よく手入れされた植林帯の路で、右上斜面にはたくさんの間伐材が放置され苔むしている。再び右急斜面のガレ気味のトラバース路となり、慎重に通り過ぎて植林帯に入り込む。枯れ枝でふさがれ路は判然としないが、目印テープが目に付くので迷うことはない。しばらく行くと平和(ヒラワ)登山口からの路と合流する。

お宮

  合流点に“頂上まで4220m”の道標があり、路ははしっかり踏まれ歩きやすくなる。少し行くと“標高400m、頂上まで4100m”のりっぱな道標が立っている。佐久間町が整備してくれたもので以後、標高100m毎にこの道標が立っている。

標高100mごとの道標

  やや傾斜の増した路を20分ほど行くと標高505m、大輪からの路など5本の路が合流する青ナギに着いた。5差路となっているが、かつての木材搬出の“木馬(キンマ)道”で半血沢沿いに大輪へ下る路は直ぐ目の前で大きく崩壊している。

青ナギ

  青ナギからより広く歩きやすくなった木馬道を10分ほど行くと、杣小屋経由で山頂へ至る路が右に分岐する。小さな道標に“杣小屋→山頂 少し急坂 中級コース”と書かれている。直進する路は“遊歩道→山頂”となっている。中級コースを登り、遊歩道を下ることにする。

小さな道標が立つ分岐

  手入れが行き届き明るい植林帯の路、右下の雪に覆われた白い谷から沢の音が大きく聞こえてくる。分岐から20分ほどで沢を渡ると傾斜はだんだんきつくなり、道には残雪が目立ちだす。杣小屋を過ぎた辺りから路はすっかり雪に覆われ、獣の足跡がだけが上方へ続いている。

杣小屋

  横倒しとなった“標高900m 頂上まで1675m”の道標辺りになっても沢を流れ落ちる水音は大きい。杣小屋から30分、右岸から左岸へと沢を渡る。沢の直ぐ上の小滝から水が勢いよく流れ落ちているが、その両側はすっかり凍りついてツララが下がっている。

両側つららの小滝

  標高1000mの道標辺りから雪は足首ほどになる。雪に隠された桟橋を踏み抜かないようこわごわ渡りしばらくするとようやく稜線に出た。行く手を見上げると予想外に雪が多い。登りはじめると、時に急斜面でスリップするので早々にアイゼン、さらにしばらくすると雪が脛近くまで積もっているところもありスパッツも付ける。

時に脛近くの積雪

 “標高1200m 頂上まで755m”傾斜はさらにきつくなり雪は膝まで。軽アイゼンはほとんど機能せずちょっとしたスリップもしばしばだ。同行のH.Kさんが常に先を歩いてくれる。「申し訳ない、先頭を代わらねば」とは思うのだが身体が言うことを聞かない。力強い足取りでラッセルする彼にただただ感謝するばかりだ。

ひざ下までの雪

大岩が点在する稜線の路

  左前方に東屋が見えるとほどなくスーパー林道からの遊歩道と合流、“山頂まで400m”の道標が立っている。傾斜は一気に緩み雪はせいぜい足首まで、大岩が点在する天然林のなかの踏み跡ひとつない路を行くと右前方に富士山の頭が見え、駿河湾から遠州灘が右手に大きく開ける。ほどなくして展望台の東屋に着いた。

  展望台からの眺めは抜群。傍らの展望図に描かれた山々がすべて確認できる。左から聖岳、光岳、上河内岳、そして不動岳、黒法師岳、大無間山と続き富士山の左右に高塚山、京丸山が間近に見える。目を転ずれば、遠州灘とそれに連なる天竜川、浜名湖はもちろんその間にアクトタワーもしっかり見える。山頂まで160mを残すがここで昼食とする。

東屋の傍らに立つ展望図

東屋(展望台)

  東屋を後に3、4日前のものと思われるひとりの踏み跡をたどり山頂に向かう。左右にたくさんのベンチとテーブルが設置されまさに公園内を歩いている風だ。電波塔の脇を少し行くと三角点のある山頂、富士山方向のみ切り開かれ、高塚山と京丸山の間に富士山の頭が覗く。

東屋から山頂へ

  山頂を後にひとりの踏み跡をたどり北に向かうがどこに向かうとも知れぬ踏み跡だけに頼るわけにはいかない。道標や地形図で慎重に下山路を探す。電波塔への車道を下り途中から左に折れればよさそうだが、踏み跡をたどって稜線を行くことにする。山頂から450m、鉄塔のところを左に曲がりまめうち平に向かう。雪に埋もれた階段を下ると“遊歩道入口”の標柱が立ち先の車道に出る。これを横切りほおずき平を右に見てさらに下るると、数人分の踏み跡が認められる山頂から大輪口に向かう遊歩道に合流する。

竜頭山山頂

  天竜美林の中、とても歩きやすくなった路を順調に下る。標高100mごとの道標がよい目安となる。標高900m辺りでアイゼンとスパッツを外す。地形図の標高844m辺りで尾根を横切りしばらく下ると右手の高みが切り開かれている。登ってみると北西方面が大きく開け日本ヶ塚山、恵那山などと思われる山々が展望できる。展望所から20分ほど下ると杣小屋からの路と合流、ここからは往路を戻るだけだ。

標高950m付近、天竜美林を下る

参考図書

【新・分県登山ガイド 静岡県の山】 加田勝利 2005 
                       山と渓谷社
【三遠信の山歩き】 小谷哲治、中津川哲司 1998 風媒社

一浴温泉情報

いいとこ龍山 やすらぎの湯
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トロン原石を輸入し、世界の名湯ドイツの「バーデン・バーデン」と同じ湯質にしたそうだ。
¥800 は高い。浜松市民¥200 の4倍はちょっとひどい。