【観音山】静かな静かな山歩き、山頂で一転

シリーズ  静岡百山     前  
山 名  観音山
山行日  2005年12月8日(水)
同行者  H.K
歩行時間  3時間37分(昼食休憩除く)
コース 田楽の里⇔登山口⇔観音山
行 程      アクセスカウンター
場 所 着時刻 発時刻
 田楽の里 8:22 8:28
 登山口 8:33
 観音山 10:50 11:45
 登山口 12:55
 田楽の里 13:00 13:05

  観音山は信州街道(国道152号)の遠州と信州の国境 青崩峠の南西4km ほどの県境(静岡・長野)尾根に位置している。信州側の登山路はよく踏まれ上部では展望も開けるので登るなら信州側からといわれているが、登山口までのアプローチが非常に悪く、われわれは遠州側から登ることにした。

  同行者のH.Kさんが自宅まで迎えに来てくれた。6:05頃、谷稲葉ICから国道1号藤枝バイパスに乗る。袋井バイパス堀越ICで降り、天竜二俣経由で水窪に向かう。水窪役場から10数キロ、所能の“田楽の里”に駐車させてもらう。

  ゆっくり身支度を整え 8:30出発。R152を150mほど北上すると道路左側の金網フェンスが1mほど途切れ“観音山 登山道入口”の案内板が掛かっている。10段ほどの石段を上り金網フェンスの内側に入ると正面に小さな祠が祀られている。

田楽の里

観音山登山口

  祠の前が広々していて、登山路を探しにくいがフェンス沿いに数十メートル戻るとすぐにしっかりした登山路がある。いきなりの急登。間伐、枝打ちなどよく手入れされた植林帯の路。展望のない急斜面をジグザグに登り、一気に高度を稼ぐ。


  作業路確保のためと思われるが、間伐材で土止めされた路は意外なほどよく整備されている。登山口から15分ほど登り、膝上丈のアセビの群落を抜けカラマツ林に分け入ると路を被った針状の枯葉がほどよいクッションとなり脚にやさしい。赤松やブナなども見られる感じの良い自然林はそれほど続かず、再び植林帯の路となる。

手入れの行き届いた植林帯の路

  植林された尾根上にしっかりした路が続く。右手からいくつかの尾根を合流しながらどんどん高度を上げる。ときに杣路も合流するが目印の赤テープもよく目に付き、下山時の不安を解消してくれる。


  1000mを超える辺りからチラホラと残雪が現れる。下方の谷底は真っ白な筋となっている。そのうち路をすっかり覆うほど雪が多くなる。相変わらずの急登だがアイゼンは必要なさそうだ。それほど深くはないが背丈ほどの笹も生え、ジグザグ路に合流する枝路で目印がないところには、念のため枝などに赤テープを付けた。

1000m付近から登山路に残雪

  だんだん雪が多くなり傾斜が緩みだすとチェーンソーの音、登山口からまったく人の気配はなかったがそのうち人の声まで聞こえてくる。尾根に出るとそこは観音山の北のピーク。南に伸びる真っ白な稜線を行くと右手に広々と切り開かれた平坦地がある。もちろん白一色、その彼方には恵那山から右に中央アルプスの白い山々が連なっている。

北のピークから観音山への稜線

稜線右手に中央アルプスの展望

  さらに先に進むと大きな小屋があり、傍らでチェーンソーで木を切る人の他にも箒で掃除する人や焚き火で暖を取る人など若者から中高年まで多くの男女がいる。まるで真夏の北アルプスのような賑わいだ。異様な雰囲気と場違いを感じながらも軽く会釈しながら進むと、責任者らしき人が現れ挨拶を交わす。世界真光文明教団 月例の儀式を執り行う日で200人ほどの信者さんが信州側から2時間以上かけて登ってきているとのことだった。

  「三角点はどこに……」と聞くと、責任者らしき人が案内してくれた。三等三角点は神殿脇にあった。神殿の中を見せて頂いた後、案内された休憩所には3台のドラム缶薪ストーブが焚かれ、多くの信者さんが休んでいた。信者さんたちと暖をとり語らいながらの昼食は楽しかった。お互いを好奇に思い、それぞれが問いかけ応ずる。周りの信者さんはみな気さくで親切だった。

神殿脇の三角点

出発直前の休憩所内

  12時から始まる儀式に信者さんたちが出かけて行く。私たちもお礼を述べて退出。小屋の外の広場はヘリポートだそうだ。その向こうに熊伏山が大きく聳え、右彼方には聖岳など南アルプスの山々が遠望できる。

  往路を戻るのだが下りはアイゼンを使うことにする。支尾根に迷い込まないよう目印テープに注意しながらも快調に下る。急坂の雪路とはいえアイゼンがあると楽だ。念のためにと持参したのが幸いだった。

ヘリポートの先に熊伏山、その右に南アの山々

  30分ほど下り標高1100m辺りでアイゼンを外す。ここからは植林帯のよく整備された路、ますます調子よくどんどん下る。登山口着12:55、標高差860mを70分足らずで下ったことになる。


  帰路、田楽の里から車で1時間ほど戻った秋葉ダム湖畔に建つやすらぎの湯で汗を流した。

落葉の積もった路を快調に下る

参考図書

【三遠信の山歩き】 小谷哲治、中津川哲司 1998 風媒社

一浴温泉情報

いいとこ龍山 やすらぎの湯
tel:0539-69-0082 10:30-16:30  ¥800
トロン原石を輸入し、世界の名湯ドイツの「バーデン・バーデン」と同じ湯質にしたそうだ。
¥800 は高い。浜松市民¥200 との差はひどすぎる。