閑散とした筑波駅(バスターミナル)

【筑波山】筑波嶺の峰より落つるみなの川

山 名  筑波山
山行日  2005年2月7日(月)
同行者  単独行
歩行時間  3時間30分(含休憩)
コース 筑波神社→宮脇駅→男女川源頭→御幸ヶ原→男体山→御幸ヶ原→女体山→弁慶七戻岩→筑波神社

 十数年ぶりの高校時代の同窓会、故郷に行くついでに筑波山に登ることにした。オバチャン・ハイカーのアイドル 岩崎元郎氏が昨年、新・日本百名山として選定した山だ。1月に登った沼津アルプスと2ヶ月続けての新・日本百名山となる。

  元祖・日本百名山のひとつでもあり10年近く前、山歩きをはじめた頃に登っている。ロープウエイで山頂近くまで行き、ただピークを踏んだだけ。いかにスピーディーに効率よく百名山の頂を踏破するかに凝り固まり、その数を増やすことばかりに執着していた頃のことだ。山頂の記念写真はあるものの、ほとんど何も覚えていない。

 東北本線 小山駅で水戸線に乗り換え、下館駅からバスで筑波駅に向かう。筑波駅からはタクシーを利用するつもりだったが、5,6分早く到着したので運良くギリギリ筑波神社行きのバスに乗り継げた(次のバスは1時間半後)。手荷物を土産物店に預かってもらい9:48出発。

筑波山神社

  古来から山岳信仰の霊山として栄えただけあって重厚華麗な筑波山神社に今日の安全を祈願して登山路に向かう。ケーブカー宮脇駅の傍らの鳥居をくぐると樹林帯の登山路となる。ゆるやかで路幅もゆったりしていて歩きやすい。“関東ふれあいの道”に指定されていて道標や案内板もよく整備されている。

  ケーブルカーに沿って杉林の斜面を登っていく。何百年と踏まれ続けた路なのだろう、しっかりした登山路だ。ケーブルのすれ違い地点で軌道と接する。ちょうど、ケーブルがすれ違うところだった。ゴーというケーブルの音が聞こえなくなると、真冬の森の静けさと、空気の冷たさがいっそう身に沁みる。

よく踏まれた登山路

  すれ違い地点から15分ほどで、男女川(ミナノガワ)源頭に出る。百人一首にある “筑波嶺の峰より落つるみなの川 こひぞつもりて淵となりぬる(陽成院)” など古来多くの詩歌に歌われた川の水源、ここから男体山と女体山の間を南下して桜川へと注ぐ。案内板に記された陽成院の歌を読みながら、なぜか昨日の同窓会やら高校卒業以来の44年を想い返していた。

ケーブルすれ違い地点(中ノ茶屋)

  丸太の階段で整備された登山路脇に残雪が目立ち始めると、ほどなく男体山と女体山の鞍部で、ケーブルの山頂駅がある御幸ヶ原に出る。まずは左の男体山に向かう。山頂付近は融けた雪がガチガチに凍っていた。イザナギノミコトを祀るりっぱな祠が山頂を占領している。

男体山山頂

  山頂で地元のハイカーが眼下の樹木に覆われたちょっとした瘤状の森を指差し「茨木には山がないの、だからあれも立派な山なの」と言っていた。山頂からは関東平野が一望でき、その広さが実感できる。登りはじめた時、茶店の人から「今日は富士山が見えてるよ」といわれたが、残念ながら見つけられなかった。

土産物屋が並ぶ御幸ヶ原の向こうに男体山

  御幸ヶ原まで戻り女体山に向かう。林立する電波塔をできるだけ見ないように、葉が落ちて明るくなった自然林の路を少し行くと、望遠レンズを構えた集団がいる。レンズが狙う先を見ると、小鳥が十数羽餌を啄ばんでいる。そっと近づいて聞いてみると「ハギマシコ」と教えてくれた。スズメよりやや大きい鳥だ。ユーラシア大陸の寒帯や北アメリカの山地や岩石帯に分布し、日本には冬鳥として渡来するそうだが数は多くないとのこと。

女体山より男体山、手前に御幸ヶ原を望む

筑波山(女体山)山頂

  セキレイ石やガマ石の奇岩を見ながら進み、ロープウエイ山頂駅からの路と合流すると直ぐに女体山山頂に着く。岩が積み重なったような山頂には一等三角点と、イザナミノミコトを祀るこれまたりっぱな祠が建っている。男体山より展望は優れ、関東平野はもちろん日光連山と思われる白い峰峯が望める。

 山頂直下の下山路は急斜面の上、路面が凍っている。露岩が階段の役目をしているのでアイゼン無しでも下れそうだが、安全のため4本爪の軽アイゼンを付けた。しばらくして平坦になった辺りですれ違ったハイカーに聞くと「凍っているところはあるが、アイゼンを使うほどのことはない」とのことで、早々にアイゼンを外す。

凍りついた下山路

帰路、東京行きのバスの車窓から筑波山

  下山口のホテル青木屋前の看板に入浴可(\1000)と書かれている。少し迷ったが、寄っているとバスの関係で2時間近くも遅くなる上、温泉ではなさそうなので汗を流すのは諦めた。

 北斗岩、裏面大黒、母の胎内くぐり、弁慶七戻りなど次々と奇岩・怪岩が現われる路は楽しい。弁慶茶屋でロープウエイ駅のあるつつじヶ丘へ下る路を左に分け右の筑波山神社への道を下る。

行  程     アクセスカウンター
場 所 着時刻 発時刻
筑波神社 9:35 9:48
宮脇駅鳥居 9:56
男女川源頭 10:38 10:41
御幸ヶ原 11:01
男体山 11:13 11:23
御幸ヶ原 11:30
筑波山(女体山) 11:49 12:02
弁慶茶屋 12:32
筑波神社 13:18 13:31

立ち寄り湯

つくば湯  
tel:029-866-2983 10:00-22:00 \1000(土休 +\200)
天然温泉ではないが泉質はラジウム泉。サウナ・打たせ湯・露天風呂もあり、筑波山を眺めながら入浴できる。
筑波山ホテル青木屋    
tel:029-866-0311  \1000
筑波神社バス停の直ぐ隣にあり、下山後バス待ち時間に汗を流すのに好都合。筑波の景観を楽しめる大浴場<銀河の湯>と露天風呂<雲上の湯>がある。

交通

▼往路:浦和駅 7:18⇒8:14 小山駅 8:23⇒下館駅 8:55           JR:\1280
      下館駅 8:55=バス⇒9:30筑波駅9:25=バス⇒9:35筑波神社   バス:\710+\220
▼復路:筑波神社13:31=バス⇒13:41筑波駅14:05=バス⇒16:05(実着16:20)東京駅
     バス:\220+\1730
     筑波駅発東京駅行きバス時刻表  14:05、15:50、17:25