巨樹・老樹巡り

早川の毘蘭樹
はやかわのびらんじゅ

種 類 ビランジュ 樹齢 300年 幹周 5m 樹高 30m
指 定 国指定天然記念物 : T13(1924)指定 訪問日 2012/11/19
住 所 神奈川県小田原市早川飛乱地1374
交 通 JR東海道本線早川駅 北西1000m
問合せ 小田原市文化財課 tel:0465-33-1717
GPS N:35°14′31.7″  E:139°08′14.2″ その他 map      
メ モ  早川のビランジュは、豊臣秀吉が一夜城を築城したことで知られる石垣山(262m)の中腹に生えている。小田原駅から早川駅に向かう右の車窓から、山の斜面に沿ってハイウエイ(ターンパイク)が見える。本樹はこのハイウエイ際に聳えている。
 早川駅から風祭方向に向かって山裾の車道を行く。小さな道標に従い山の斜面にとりつき、要所に立つ道標に従い急坂を登って行くと突然、薄暗い谷間の岩混じりの崖地にこれまで見たこともない赤膚の巨木が現れる。強烈な色彩のこの木がビランジュで、この生育地の字名《飛乱地(びらんち)》ともなっているなどよほど物珍しい樹木であったことが伺われる。
 ビランジュの樹皮は、灰褐色のうろこ状で自然にはがれ、そのあと幹の肌は紅黄色となる。樹皮のはがれる様子から、別名をハダカノキとかバクチノキといわれる。樹皮が剥がれ地肌が現れるのが、身ぐるみ剥がれる下手な博打打ちを思わせるからだろう。温暖帯南部の植物で小田原から東北部にはほとんど見られず、植物分布上その東北限にある巨木であることから、学術上貴重なものとして国指定の天然記念物となっている。