三夏 地理

7881 大浅間夏野に耕地画然と 富田真木子 夏野 1299
7726 大夏野走者は個々に影を負ひ 鍵和田?子 夏野 1299
6600 脚たたむ牛の目細き夏野かな 太一(東京) 夏野 1299
7206 中吊りを夏野に変へてゆく脚立 菊鞠潤一 夏野 1299
5890 いきいきと夜も雲吐く青嶺かな 山田春生 青嶺 1300
5896 富士指呼に伊豆の夏山従へて 稲畑廣太郎 夏山 1300
5895 夏山の香を濃くしたる通り雨 山田弘子 夏山 1300
5894 蜩や奥の青嶺にうちひびく 水原秋桜子 青嶺 1300
5893 赤屋根の山荘映ゆる青嶺かな 原和三 青嶺 1300
5898 夏山や健脚コース選びたり 邑橋淑子 夏山 1300
5891 飛騨路へと青嶺屏風を辿りけり 清水佑実子 青嶺 1300
5903 夏山を振り返りつつ下山する 三井孝子 夏山 1300
5888 青春の彼の日従へ青嶺行 藤森すみれ 青嶺 1300
5887 悠久の青嶺に沈む夕日かな 小島昭夫 青嶺 1300
5885 雨降りの木てふ神木夏の山 渡邊孝彦 夏の山 1300
5884 岩棚を滑る清流夏の山 宮田香 夏の山 1300
5883 噴煙の一筋のぼる夏の山 羽賀恭子 夏の山 1300
5892 湖に迫る青嶺や襞深く 森清信子 青嶺 1300
5901 夕空に夏山座り直したる 大串章 夏山 1300
5880 河童橋渡り登頂す夏の山 須藤美智子 夏の山 1300
5906 夏山の杉黒々と高々と 田代貞枝 夏山 1300
5907 夏山やばかていねいに赤い花 一茶 夏山 1300
5908 油点草油点をしかと夏山路 川瀬カヨ子 夏山 1300
5909 夏山や一足づつに海見ゆる 小林一茶 夏山 1300
5961 朝靄を引き上げてゐる夏の山 生野優子 夏の山 1300
5962 きんちゃく田青嶺屏風をめぐらせて 有馬籌子 青嶺 1300
6870 青嶺あり青嶺をめざす道があり 大串章 青嶺 1300
6935 ひやひやと鎖の垂るる夏の山 小島健 夏の山 1300
7249 アルバムは思い出の夏山ばかり 岡村昭則 夏山 1300
7516 夏山のかぶさつてゐる小駅かな 田中冬二 夏山 1300
5900 夏山へ一歩一歩の鈴の音 松本文一郎 夏山 1300
4526 湯煙も雲も湧き立つ夏の山 苑実耶 夏の山 1300
95 夏山路独り歩きに谷空木 kemm 夏山 1300
1063 雲の影雲に近づき夏嶺越ゆ 岩井鬼童 夏嶺(なつね) 1300
1465 夏山路風にささやく木々の声 通場塔原 夏山 1300
1504 夏山を統べて槍ヶ岳真青なり 水原秋櫻子 夏山 1300
1671 夏山や女峰千鳥に息をのむ 彷徨人 夏山 1300
4403 駅ごとに長き停車や夏の山 北原昌子 夏の山 1300
4465 夏の山頂ばかり見えてゐる 小形さとる 夏の山 1300
4472 立ち枯れの唐檜が眩し夏の山 池尻足穂 夏の山 1300
4481 見下ろせば雲の切れ目に夏の山 江倉京子 夏の山 1300
4490 君が背を頼りに進む夏の山 林裕美子 夏の山 1300
4499 靴紐をしめなほし行く夏の山 加藤二三子 夏の山 1300
4505 一筋の林道走る夏の山 小塩世津 夏の山 1300
5882 登山電車窓いつぱいに夏の山 田島洋子 夏の山 1300
5369 夏山も終わりに近く人減りぬ 岡村昭則 夏山 1300
5905 夏山に稜線白く雪残る 増田一代 夏山 1300
5876 夏の山洗ひざらしの空のいろ 盛良孝 夏の山 1300
5875 大木を見てもどりけり夏の山 闌更 夏の山 1300
5821 大峯山青嶺が切れ目なくつづく 茨木和生 青嶺 1300
5820 雨雲の切れ目切れ目に青嶺あり 澤村照代 青嶺 1300
4512 初夏の山萌黄色にと煌めきぬ 筒井八重子 夏の山 1300
5644 夏山へ日は照りながら駆け上る 岡村昭則 夏山 1300
4520 鎖場を踏破して立つ夏の山 千日草 夏の山 1300
5170 鈴の音のカランコロンと夏の山 大介 夏の山 1300
4558 夏山へ胸擦りのぼる岩梯子 田川栄 夏山 1300
4556 音たてて踏む夏山のざらめ雪 柏原眠雨 夏山 1300
4553 夏山を下りてきて深き息ひとつ 澤村昭代 夏山 1300
4527 雲あつめ大きくなりし夏の山 長憲一 夏の山 1300
5881 大寺の裏よりのぼる夏の山 八田木枯 夏の山 1300
5774 頂上に立つとき夏の山となる 岩岡中正 夏の山 1300
5902 日の射して朝靄浮かぶ夏山家 丸山冬鳳 夏山 1300
1899 大瀑を傍らにしてしたたれり 原雅子添削 したたり 1304
825 滴りに濡れにぞ濡れて岩たばこ 滝春一 滴り 1304
3234 滴りや奥社に登る鳥居道 雄次郎 滴り 1304
7191 滴りを水の鎖と見てゐたり 上田日差子 滴り 1304
7117 滴りの一瞬を聞く不動尊 霧乃 檸檬 滴り 1304
8511 滴りのきらめき消ゆる虚空かな 富安風生 滴り 1304
8714 盤石や城の歳月滴れる 藤田弘子 滴れる 1304
2796 水の中水を突き上げ泉湧く 岡田日郎 1305
8903 泉汲むや胸を離れし首飾 猪俣千代子 1305
2800 せせらぎの音の幽けき山泉 酒井湧甫 1305
4877 水の輪のときをり歪み山泉 檜紀代 1305
6951 二人してしづかに泉にごしけり 川崎展宏 1305
4052 底の砂踊る泉を汲みにけり 渡辺チヤ 1305
3966 体内に泉あるごと愛すなり 辻美奈子 1305
3014 やはらかく砂噴きあげて山泉 小沢初江 1305
2662 幽霊の立ち寄りそうな泉かな 東野鷹志 1305
2491 目慣るればほのぼの碧き泉かな 五十嵐播水 1305
2156 次の子に帽子あづけて泉呑む 江本英一 1305
5704 岳人の疲れを癒す山清水 岡村昭則 山清水 1306
5306 山清水疲れを癒すオアシスかな 岡村昭則 山清水 1306
5441 山清水湧き出す沢の静寂かな 岡村昭則 山清水 1306
169 夏河を越すうれしさよ手に草履 与謝蕪村 1307
7099 虚空より落ちて虚空へひびく滝 高橋克郎 1309
3229 今生を滝と生まれて落つるかな 岩岡中正 1309
4862 一木に那智の大滝かくれたり 植田有冠子 1309
4471 滝落ちて自在の水となりにけり 小林康治 1309
3232 神にませばまこと美はし那智の滝 高浜虚子 那智の滝 1309
6826 銀竜草滝のしぶきを摘みきしや 宮津昭彦 1309
3230 蝶白く生れて瀑の夜明けかな 八十島 稔 1309
5829 拝みたる位置退きて滝仰ぐ 茨木和生 1309
3227 滝壷に滝活けてある眺めかな 中原道夫 滝壷 1309
3226 外を見る男女となりぬ造り滝 三橋敏雄 1309
3225 滝の上に水現れて落ちにけり 後藤夜半 1309
1653 富士薊滝のしぶきに髪濡らす 若林英子 1309
8793 一山を絞りつくして滝落つる 松村洗耳 1309
5833 喝采の如く弾めり瀧の水 栗山和子 1309
3231 言霊の力を信じ滝仰ぐ 杉田菜穂 1309
7100 滝の音山に揺さ振りかけてをり 阿部方城 1309
7163 四度の滝雲の中より落ちにけり 矢部美江子 1309
7226 滝落ちて群青世界とどろけり 水原秋櫻子 1309
7346 滝音の迫りてなほも登り急 稲福昌一 1309
7395 盤石の岩打ち叩く滝の音 吉野濃菊 1309
8574 滝の水梅雨なればこそほとばしる koyaban 1309
4585 滝を攀づ濡れし足場を探りつつ 前川整洋 1309
5832 しばらくは言葉なく滝仰ぎけり 三宅みち子 1309
7098 滝落としたり落としたり落としたり 清崎敏郎 1309
5831 大瀑布とどろとどろと地軸揺る 鍵和田柚子 瀑布 1309
5830 滝口に空の蒼さの重なりぬ 矢野三汀 1309
7489 百選の滝音きこえ歩を早め 若林柾矢 1309
6823 棒となり糸となりたる滝の水 燕子(千葉) 1309
5910 滝壺に水のかたまり激ち合ふ 岡田日郎 滝壺 1309
5912 滝壺の激して水の他よせず 吉田紫乃 滝壺 1309
5834 おほらかに滝の真中の水落つる 山口草堂 1309
5921 滝壺を出し水のまた滝なせり 右城暮石 滝壺 1309
6230 夫婦滝すこし離れて響き合ふ 佐竹幸子 夫婦滝 1309
5916 滝壺や流材一本逆立てる 五十嵐播水 滝壺 1309
6879 山豪雨全山滝となりにけり 福田寥汀 1309
6286 夏海の藍を深めて波白し 越華(福井) 夏海 1311
7428 踏切を渡れば一気夏の海 大輪靖宏 夏の海 1311
7024 手のひらの帰りのキップ夏の潮 藤井隆 夏の潮 1312