三夏 植物

911 通る幅を残して草茂り 木村定生 草茂り 338
913 草茂る空の煉瓦の貯水槽 小山今朝泉 草茂る 338
4097 青葉雨森閑として神の杜 不詳 青葉雨 692
55 青葉がちに見ゆる小村の幟かな 夏目漱石 青葉 692
1998 旅終へてこころやさしき青葉かな 山田みづえ 青葉 692
3186 つり橋のここが真ん中青葉風 山田まさ子 青葉 692
3228 満山の青葉を截つて滝一つ 藤森成吉 青葉 692
4067 ?の青人恋しくてわずらわし 石川日出子 ?の青 692
4595 雨降らば雨また楽し青葉径 斉藤破風 青葉 692
6131 青葉風登り下りして元の道  加納幸子 青葉 692
6490 目がまはる青葉がまはる空まはる 火箱游歩 青葉 692
3983 古書店を出でて青葉に染まりたり 波多野完治 青葉 692
8810 蔦茂る窓の明るさ聖歌隊 原雅子添削 蔦茂る 693
8808 玄関のただ開いてゐる茂かな 波多野爽波 697
6115 水音も秘かな宮の茂りかな  良一 茂り 697
8809 鳥が鳥追い払ひたる茂りかな 望月 周 茂り 697
8807 灯ともせば雨音渡る茂りかな 角川源義 茂り 697
3310 夏草や隠れて見えぬ石地蔵 後藤充孝 夏草 698
3311 夏草や石に戻りし石仏 石崎そうびん 夏草 698
3312 夏草や文字の薄れし碑が二つ 加藤哲夫 夏草 698
3313 道標や夏草分けてたしかむる 水野恵以 夏草 698
3389 夏草に汽罐車の車輪来て止る 山口誓子 夏草 698
8584 滝阻む夏草を分け高く巻く koyaban 夏草 698
7854 旧道の行く人なしや夏の草 森井敏行 夏の草 698
8774 一筋の径万緑に消えにけり 田青侑 万緑 699
791 万緑やまず深呼吸深呼吸 長田美智子 万緑 699
1455 万緑や天より鳥の声の降る 万緑 699
3178 吊橋に揺られ萬緑目に眩し 古田香澄 萬緑 699
3179 万緑に染まりて浸かる秘境の湯 土井木賊 万緑 699
3233 万緑に負けじと映ゆる朱の鳥居 紀子 万緑 699
8771 万緑に受け容れられし柩かな 島田春 万緑 699
6743 一瀑をかけ万緑のひきしまる 保坂加津夫 万緑 699
5740 万緑は富士山頂を攻めきれず 佐々木敏光 万緑 699
6895 万緑の中や吾子の歯生え初むる 中村草田男 万緑 699
7821 万緑が裾野を制し浅間嶺 足立淳 万緑 699
6742 万緑に分け入り旅のはじまりし 桑田永子 万緑 699
4939 緑蔭に座しやすやすと人容れず 矢田華女 緑蔭 700
8817 緑蔭に深く沈める祠かな 湯浅典男 緑蔭 700
8819 幹高く大緑蔭を支へたり 松本たかし 緑蔭 700
947 緑陰に置かれて空の乳母車 結城昌治 緑陰 700
4583 緑蔭に埋もれ戸隠神社かな 前川整洋 緑蔭 700
6135 緑陰に入ればたちまち世捨人 森川潔 緑陰 700
6922 緑陰や私をしばらく預って 小高沙羅 緑陰 700
7952 緑陰に緑陰かさね山の寺 土屋春雄 緑陰 700
8008 緑陰に横たふ菩薩艶めきて 河合澄子 緑陰 700
2133 ひと一人ゐて緑蔭の入りがたき 飯島晴子 緑蔭 700
3564 名刹といふもおほかた木下闇 檜紀代 木下闇 701
4898 千年の磨崖仏座す木下闇 木下闇 701
6118 句帳手に悪戦苦闘木下闇  伝三 木下闇 701
6865 熊を避け鉄鈴鳴らす木下闇 不詳 木下闇 701
7166 天地人静まりかえる木下闇 直克 木下闇 701
3434 関所まで続く杉の木木下闇 句写美じぃじ 木下闇 701
3297 野仏や一礼合掌木下闇 遊歩 木下闇 701
3534 やはらかき土に躓く木下闇 片柳百合子 木下闇 701
8855 木下闇出て暫くは獣の目 斎藤夢有 木下闇 701
2700 一塊の石を墓とす木下闇 田中王城 木下闇 701
7831 野仏に影施して夏木立 内堀隆久 夏木立 702
6687 木漏れ日に山鳩遊ぶ晩夏かな 添削:石田郷子 夏木立 702
8881 松落葉敷きてさざ波立つごとし 原雅子添削 松落葉 704
4566 松落葉さざ波のごと敷かれをり 原雅子添削 松落葉 704
4646 かたばみに同じ色なる蝶々かな 村上鬼城 かたばみ 790
4874 かたばみの花をめぐるや蟻の道 正岡子規 かたばみの花 790
4875 かたばみの花跨ぎたる歩を止む 右城暮石 かたばみの花 790
4876 かたばみを引きのこしたる庭の隅 上村占魚 かたばみ 790
2185 かたばみの花の萎れる闇の中 渕野陽鳥 かたばみ 790
4523 蔵のかげかたばみの花めづらしや 荷兮 かたばみの花 790
790 かたばみの花より淋し住みわかれ 三橋鷹女 かたばみの花 790
792 かたばみに置く席入りの藁草履 金子篤子 かたばみ 790
793 かたばみの花大足が踏んで過ぐ 河野友人 かたばみの花 790
794 かたばみや何処にでも咲きすぐ似合ひ 星野立子 かたばみ 790
2561 土手下の花片喰に会いにけり   愚兀 花片喰 790
2128 雨ごとに背比べするや夏蓬 荒川じんぺい 夏蓬 794
1550 野の雨は音なく至る夏薊 稲畑汀子 夏薊 795
1761 道連れの欲しきときあり山薊 小田知人 山薊 795
6420 夏あざみ真昼間も星動きつつ 塩野谷仁 夏あざみ 795
1496 谷間の風の匂ひや夏薊 今村能子 夏薊 795
1489 山容を水面に映し夏薊 橋本良子 夏薊 795
8850 童女にも鬼女にもならむ夏薊 池田毬 夏薊 795
1499 旧道は柵で閉ざされ夏薊 國保八江 夏薊 795
1488 夏薊咲きし高さを昼の蝶 池内淳子 夏薊 795
1497 さかんなる雲の白さよ夏薊 糸井芳子 夏薊 795
1490 渓流の音に育ちし夏薊 辻のぶ子 夏薊 795
1491 墓原の道失せやすし夏薊 荒井千佐代 夏薊 795
1493 夏薊かつて路傍の草なりし 稲畑汀子 夏薊 795
1494 声あらば叫ぶぞ崖の夏薊 垣尾美智子 夏薊 795
1495 夏薊咲きつつ綿毛飛ばしをり 森木久美 夏薊 795
1487 そこここに富士の落石夏薊 升本栄子 夏薊 795
7238 仲良しのバナナの皮を重ね置く 草深昌子 バナナ 845
912 夕顔の あとからのぼる むぐらかな 野沢凡兆 860
908 八重葎 君が木履(ポクリ)に かたつぶり 松村月渓 860
916 葎から あんな小蝶が うまれけり 小林一茶 860
917 陽炎のづんづと伸る 葎哉 小林一茶 860
921 いずこより 月のさしゐる 葎かな 前田普羅 860
907 あたたかな雨がふるなり枯れ葎 正岡子規 860
8964 にぎわしき日の出に踏みし病葉よ 萩原麦草 病葉 910
2103 ほろほろと病葉の散る日なりけり 宇田松琴 病葉 910
2141 病葉の渦にのりゆく迅さかな 石橋秀野 病葉 910
2155 病葉の水になじまぬまゝ流れ 上野章子 病葉 910
826 標高の聖域守りやなぎらん 吉村ひさ志 1946
2767 襟首を風が過ぎゆく柳蘭 青柳志解樹 柳蘭 1946
2765 あでやかな風が吹くなり柳蘭 青柳志解樹 柳蘭 1946
831 青空に雲の湧き立つ柳蘭 島崎勇作 柳蘭 1946
830 藍かけて山の連なる柳蘭 伊藤一枝 1946
829 青空へ花立ち上る柳蘭 渕江千代 1946
828 やなぎらん雲去りゆきし笹濡れて 阿部ひろし やなぎらん 1946
827 高原の冷気育む柳蘭 山下彩女 柳蘭 1946
1950 在り慣れて蛍袋も繍線菊も 高濱きみ子 1954
1949 繍線菊や富士を纏(マ)く道やはらかし 轡田進 繍線菊 1954
1948 しもつけの花を小雨にぬれて折る 成瀬正俊 しもつけの花 1954
1577 繍線菊やあの世へ詫びにゆくつもり 古舘曹人 繍線菊 1954
1523 しもつけの群れ薙ぎ倒し山豪雨 雨宮美智子 しもつけ 1954
609 しもつけの花の愁いを愁いとし 新倉玄鳥 1954
1953 後の日に知る繍線菊の名もやさし 山口誓子 1954
868 繍線菊や雲這ひ騰り暁の山 島田雅山 繍線菊 1954
1951 繍線菊の花にひろげし女物 後藤比奈夫 1954
1952 繍線菊の咲けばほのかに兄恋し 黒田杏子 繍線菊 1954
2179 繍線菊の花に誘はれ訪ね来し 平田卯芽女 繍線菊 1954
1959 うるうると繍線菊草は朝の彩 高澤良一 繍線菊 1954
1958 しもつけを地に竝べけり植木売 松瀬青々 1954
1955 在り慣れて蛍袋も繍線菊も 高濱きみ子 1954
1954 山雲雀巣立つ繍線菊の花盛り 内藤吐天 九輪草 1954
1956 交ぜ挿して繍線菊の穂は垂れやすし 樋口玉蹊子 1954
1471 定年や径ひとすぢに風の蓼 平川雅也 1976
1238 ひなげしの曲がりて立ちて白き陽に 山口青邨 ひなげし 2014
1239 風を呼び 風を遊ばせ 虞美人草 磯田富久子 虞美人草 2014
1240 裏富士と虞美人草を一景に 松本巨草 虞美人草 2014
4419 ことさらに光をためて金糸梅 こうのこうき 金糸梅 2075
4417 金糸梅明るき雨となりにけり 中村姫路 金糸梅 2075
1925 溢れ出る花よ蕾よ金糸梅 稲森如風 金糸梅 2075
1172 月の出のなまめくあたり金糸梅 加賀谷杵子 金糸梅 2075
1171 朝々の馬場のまはりの金糸梅 長谷川双魚 金糸梅 2075
1169 石垣に金糸梅咲く在家かな 鶯竹里 金糸梅 2075
6748 青芒山頂に尽き石の神 藤田黄雲 青芒 2344