三夏 生活

5955 草刈つて水音近し墓の道(添削後) 奈緒 草刈つて 953
6590 草刈つて水音近し墓の道 奈緒(名古屋) 草刈 953
6461 草笛に返す口笛千曲川 太一(東京) 草笛 956
7013 川音も酒の肴ぞ夏座敷 横尾渉 夏座敷 968
8856 睡るとも醒むるともなく籐の椅子 小原夕花 籐の椅子 973
3007 ほつれ毛に遊ぶ風あり青すだれ 竹久夢二 青すだれ 976
8852 ここだけの話筒抜け夏暖簾 雄田俊石 夏暖簾 977
6029 風鈴や我が家に停まる救急車 細谷ふみを 風鈴 981
4816 風鈴の鳴らねば淋し鳴れば憂し 赤星水竹居 風鈴 981
6224 扇閉ぢ手許の風を仕舞ひけり 大木謙 982
4999 ひらりひらり登山講の渋団扇 会津八一 渋団扇 983
7933 少年の寡黙に揺らすハンモック 松浦靖子 ハンモック 988
1312 プール開き前のプールを水馬 藤本敏史 プール 1014
3206 大富士に勝利の拳プールの子 佐野浩市 プール 1014
6503 想出は夜店を照らすアセチレン 駒田暉風 夜店 1035
6854 売られゆくうさぎ匂へる夜店かな 五所平之助 夜店 1035
7055 夜店の灯(ひ)透けて水ヨーヨーの青 村上健志 夜店 1035
7147 夜店より呼びかけらるることもなし 大串 章 夜店 1035
4263 父の背が記憶のはじめ夜店の灯 黒崎かずこ 夜店 1035
6327 島の子のみんな出てゐる夜店かな 矢島渚男 夜店 1035
4278 さみしさに夜店見てゆくひとつひとつ 篠崎圭介 夜店 1035
8890 水遊びした日の祖父とボクと猫 二階堂高嗣 水遊び 1040
6916 浮いてこい浮いてこいとて沈ませて 京極杞陽 浮いてこい 1042
6913 長子次子稚くて逝けり浮いて来い 能村登四郎 浮いて来い 1042
6912 妻ひと日少女となりて浮いて来い 成田一夏 浮いて来い 1042
6151 白服にてゆるく橋越す思春期らし 金子兜太 白服 1053
6133 白靴や千本鳥居行く覚悟  由美子 白靴 1055
6905 白靴の熔岩流を歩きけり 高家卓範 白靴 1055
1905 張りとほす女の意地や藍ゆかた 杉田久女 ゆかた 1066
6971 アロハシャツゆれ宿題は負の遺産 小島瑠璃子 アロハシャツ 1071
1518 夏帽子瀬音へ忘れ来て遠し 都筑智子 夏帽子 1074
3781 木漏れ日のぶなの森行く夏帽子 不詳 夏帽子 1074
4794 夏帽子入れて仕上げる旅仕度 古田けいじ 夏帽子 1074
946 ぬけうらを抜けうらをゆく日傘かな 久保田万太郎 日傘 1075
3301 日傘持つ婦人乗せたり人力車 月鴨出志 日傘 1075
3771 木道を黒い日傘と白日傘 龍子 日傘 1075
4089 畳まれるマダムの日傘三越前 小藪千豊 日傘 1075
4928 日傘児にさしかけ母といふ歩み 橋本昭和 日傘 1075
7129 たたみたる日傘のぬくみ小脇にす 千原叡子 日傘 1075
7262 白日傘くるりと空を回しをり 三ッ山ひろし 日傘 1075
47 逝く猫に小さきハンカチ持たせやる 大木あまり ハンカチ 1077
3683 古市に遺る旅籠や夏料理 勝田 敬子 夏料理 1080
3986 美しき緑走れり夏料理 星野立子 夏料理 1080
5741 大阪も梅田の地下の冷しそば 有馬朗人 冷しそば 1087
254 冷し中華普通に旨しまだ純情 大迫弘昭 冷し中華 1088
8845 年金の暮らしに慣れし冷奴 濱本 紫陽 冷奴 1089
7388 エプロンのたたみ皺あり冷奴 小鉢 冷奴 1089
4259 冷やし瓜甘し肩上げたくし上げ 梅沢富美男 冷やし瓜 1091
8583 山頂や麦茶をごくり飲むばかり koyaban 麦茶 1100
7057 隅田川寄り添うラムネ瓶二本 武井壮 ラムネ 1102
8847 サイダーを飲み青空も少し飲む おかのつぐみ サイダー 1103
691 ところてん煙のごとく沈みをり 日野草城 ところてん 1110
3343 人待ちの顔して女ところてん まんまる ところてん 1110
8475 蒼い空すとんと抜けたところてん 彷徨人 ところてん 1110
2975 白玉や愛する人にも嘘ついて 鈴木真砂女 白玉 1111
8513 葛餅の黄粉の上を密すべる 上野章子 葛餅 1113
4728 水羊羹人それぞれの余生かな 不詳 水羊羹 1114
7104 登頂へ靴紐しめて汗拭ふ 池谷鹿次 1115
6869 汗の子が鬼を逃るる大樹かな 辻直美 1115
6889 汗の身の乾くあひだの樟大樹 山本無蓋 1115
6962 わが余生易者の汗の手に委ね 大島寛治 1115
7007 片蔭に歩みを止めて汗を拭く 吉田博行 1115
6180 山頂の空の小ささ汗ひけば 平居澪子 1115
7079 電柱の影に身をいれ汗ぬぐふ 佐藤喜仙 1115
6800 汗まみれ風待つのみのひと休み 森美代子 1115
7150 下山して心地よき汗拭ひけり 大橋晄 1115
7180 汗さつと引く山風を満身に 稲畑汀子 1115
7196 急坂へ踏み出す汗を一拭ひ 滝澤圭子 1115
7197 九十九折登り切りたる汗涼し 後藤比奈夫 1115
7203 源流へ汗ほとばしるけもの道 雨村敏子 1115
7239 八合目がれ場の道に汗滂沱 長尾タイ 1115
7068 吐息白し滲める星と街灯り 中川翔子 息白し 1115
6392 汗の帽洗ひて次の旅を待つ 山嵜ヤス子 1115
6218 どの顔も汗と誇りの山マニア 河野友子 1115
6226 ダム見学階段多し玉の汗 木戸波留子 1115
6237 アンカーへ汗のバトンを継ぎにけり 竹内喜代子 1115
6274 同じ汗流し絆を深めけり 久保田雪枝 1115
6310 女坂侮り行きて玉の汗 水谷富仁子 1115
6810 良い汗を拭かせて貰ひ山下る 丸山佳子 1115
6380 くりかへすダンスに老の汗絞り 城下明美 1115
6806 汗の引く山の高さとなって来し 鈴木多枝子 1115
6499 城垣の弾痕咫尺汗引けり 梅原美子 1115
6556 倦きるほど歩き汗してトムラウシ 須賀敏子 1115
6578 足萎へて不甲斐なき身となりし汗 桑田青虎 1115
6699 山城を説きし翁の玉の汗 金田美恵子 1115
6785 汗引いてゆく標高となるリフト 稲畑廣太郎 1115
6343 汗などにかまつてをれず山路ゆく 稲畑汀子 1115
7302 谷川の幽かな響き汗拭ふ 皆川眞孝 1115
6173 汗臭き身を絶巓の神の座に 阿部寒林 1115
7303 汗光る人力車夫の力瘤 藤戸紘子 1115
6188 玉の汗浜風流る無人駅 永岡享子 1115
3307 人力車夫汗を拭へる太き腕 田中麻千子 1115
8956 今生の汗が消えゆくお母さん 古賀まり子 1115
4394 今生は遊行なり汗重ねつつ 渡辺恭子 1115
6846 草むしる汗滴れる大地かな 内田和子 1115
6140 海に出て都会の汗の消ゆる風 稲畑汀子 1115
6162 汗光る首に重たき金メダル 酒呑狸(東京) 1115
6167 ねぎらひは黙つて汗の手を握り 山田弘子 1115
6168 すぐ乾く北海道の汗涼し 木暮陶句郎 1115
6917 汗すぐに引く風山の高さかな 稲畑汀子 1115
6873 子 ふたり隠れる冬木「もういいよ」 山口キミコ 1115
6688 打ち水や風を呼びたるアスファルト 石田郷子 添削 打ち水 1119
7586 噴水にもたるるところなかりけり 中岡毅雄 噴水 1121
1101 春の月噴水は水脱ぎにけり 鳥居真里子 噴水 1121
7429 噴水の天辺にある不安かな 野口極楽 噴水 1121
7460 崩るると見せて噴水立ち上がる 成井侃 噴水 1121
7484 噴水の虚空をついてこぼれけり 細木芒角星 噴水 1121
7500 噴水の水裏見せて落ちにけり 石口榮 噴水 1121
7585 噴水の背丈を決める会議かな 鳥居真里子 噴水 1121
8639 雲の浮びて噴水の的となる 西尾澄子 噴水 1121
7548 噴水の頂の水落ちてこず 長谷川櫂 噴水 1121
3738 妻と子のづかづか通る昼寝かな 橋本耕二 昼寝 1122
4053 五体隠る昼寝の巨き蹠あしうらに 橋詰沙尋 昼寝 1122
6919 昼寝覚め己ゆっくり組み立てる 依田 美代子 昼寝 1122
7160 預かりし孫を昼寝のまま返す 大塚 正路 昼寝 1122
7403 はるかまで旅してゐたり昼寝覚 森澄雄 昼寝 1122
3871 吾が死後も妻黒髪を洗ふべし 進藤均 髪を洗ふ 1128
4338 天瓜粉しんじつ吾子は無一物 鷹羽狩行 天瓜粉 1130
6222 八十路とて香水瓶の二つ三つ 山田茜 香水 1131
3267 夏痩せて嫌ひなものは嫌ひなり 三橋鷹女 夏痩 1139
708 いまはなき乳房にシャワー迸る 竹内 シャワー 1234
3773 夏炉焚く国崎の海女は三代目 中嶋祐子 夏炉 2065
8628 幸せは少し退屈ソーダー水 冬 さくら ソーダー水 2080
6980 マンモスの滅んだ理由ソーダ水 藤本敏史 ソーダ水 2080
8736 ビー玉の内より生れしソーダ水 佐竹美映 ソーダ水 2080
1581 ソーダ水青し睫毛に跳ねる泡 皆藤愛子 ソーダ水 2080
6640 甘酒に癒す疲れや峠茶屋 太一(東京) 甘酒 2097
7402 壮年や秋の素足をよろこびて 石田響子 素足 2214
8859 少年の草矢に墜ちる夕日かな てちゅろう 草矢 2273
6067 冷麥の氷返すがへす惜しき 中原道夫 冷麥 2275
3749 冷麦をすする音のみ老夫婦 岸田季生 冷麦 2275
8889 昼闌くや冷麦食ふも億劫な とおと 冷麦 2275
8888 喪帰りの冷麦啜るだけの意気 登美子 冷麦 2275
8776 冷麦のいわくありげな太さかな 路生 冷麦 2275
8492 冷麦のなんと気楽や箸の国 みなと 冷麦 2275