三夏 動物

1187 青蛙おのれもペンキぬりたてか 芥川龍之介 青蛙 578
3180 吊橋の揺れに身をおき河鹿笛 二宮節子 河鹿笛 579
3324 定位置に夫と茶筒と守宮かな 池田澄子 守宮 581
8892 老猫や背筋をのばし視る蜥蜴 東国原英夫 蜥蜴 582
8015 石仏のうつらうつらと青蜥蜴 高尾美紀 青蜥蜴 582
7338 くちなはの通れば風の冷たくて 高橋透水 くちなは 583
6789 蛇打ちし棒を杖とし世を拗ねる 吉田未灰 583
2468 谺して山ほととぎすほしいまま 杉田久女 ほととぎす 589
7158 空いっぱい落書きしてゐる夏燕 大塚正路 夏燕 598
3341 夏つばめ昼は無人の魚市場 大和 夏つばめ 598
2050 改札の監視カメラへ夏燕 原雅子添削 夏燕 598
8788 駐在の欠伸は長し夏燕 二乃字 夏燕 598
8842 天空に曲がり角あり親燕 大塚山路 親燕 600
306 木洩れ日や川瀬を鮎の影走り 原雅子添削 610
7056 金魚掬う水に袂を濡らしつつ  松本明子 金魚 615
7224 追いつめて真赤な金魚掬いけり 池田逸子 金魚 615
3584 熱帯魚のひげを見てゐる応接間 清水良郎 熱帯魚 616
6113 おつかいの轍くっきり露の蝶 近藤サト 梅雨の蝶 637
2504 揚羽くる音楽室の肖像画 石淵さゆり 揚羽 637
4934 揚羽ゆく巨石にあはき影落し 吉田小夜子 揚羽 637
7164 岩肌の流れ出してや夏の蝶 高資 夏の蝶 637
3593 急がぬ日急ぐ毛虫を見てゐたり 岡田由季 641
6204 尺蠖に瀬戸大橋の桁はずれ 吉田汀史 尺蠖 642
6974 ずぶ濡れのシャツの下より甲虫 中田喜子 甲虫 645
4860 大木を動かしてをり兜虫 坂根豊 兜虫 645
38 金亀虫擲つ闇の深さかな 高浜虚子 金亀虫 648
8884 幾重なす大和の棚田みちをしへ 原雅子添削 みちをしへ 650
6120 あめんぼの水面滑らか日暮に散れ 宮田俊哉 あめんぼ 653
871 みづすまし遊ばせ秋の水へこむ 西東三鬼 みづすまし 653
32 蹲のあめんぼ揺らす零雨かな 鈴木光 あめんぼ 653
8712 ひと打ちに城の藪蚊をしとめたり 井口芹 藪蚊 662
3173 蚊に刺されこわさ薄らぎ吊り橋もどる 笑うかわせみ 662
66 叩かれて昼の蚊を吐く木魚哉 夏目漱石 662
8935 突きあたり何かささやき蟻わかれ 誹風柳多留 664
7337 蟻の列手ぶらのものの多かりき 宇宙悠々 664
8936 ふと思うことありて蟻引返す 橋閒石 664
5636 藪山の蜘蛛の囲いを払い除ける 岡村昭則 蜘蛛 668
1196 蜘蛛の巣も凍える冬の岩場かな 圭花 蜘蛛の巣 668
6985 ばあちゃんの手を這うムカデ青い空 千鳥・大悟 ムカデ 670
7332 好きな人は隣のとなり蝸牛 明日香京 蝸牛 672
7331 悲しみにかなり似ている蝸牛 良子 蝸牛 672
6904 先見ゆるごとひたすらに蝸牛 石坂寿凰 蝸牛 672
6228 戦争へ向かふつもりか蝸牛 安島寒山 蝸牛 672
5174 江ノ電やい風おこすなと子ででむし 星野真里 ででむし 672
8853 点滴の音なきリズム蝸牛 右田俊郎 蝸牛 672
8849 己が殻脱ぎたき日ありかたつむり 鈴木昭一 かたつむり 672
4912 歩まねば果てぬ一日青葉木菟 山田知沙 青葉木菟 2104
7170 モーツァルト聴かされてゐる蟇 星人 2212