宿
中山道遊山旅


2013/09/18




宿
藪原宿 1里33丁=7.46Km 宮ノ越宿




藪原神社
 藪原宿に入る前に藪原神社に立ち寄る。朱塗り鳥居の奥の階段を上ると薮原神社本殿がある。文政十年(1827)に建てられた本殿は、村の文化財に指定されている。

 神社の隣りに小堀遠州流の庭園で知られる臨済宗の古刹 極楽寺がある。

 お寺を後に、中央本線のガードをくぐり中山道に戻る。そこは、わずかながら街道時代の面影を残す藪原宿であった。

極楽寺

藪原宿
 街道に面し、薮原宿の名産品《お六櫛》を扱う《お六櫛問屋 篠原商店》がある。お六櫛とは、長野県知事指定伝統工芸品の梳き櫛である。その名は、大きさが六寸だったからという説など諸説あるが《お六説》が有力である。

 元禄年間(1688-1704)、持病の頭痛に悩む村娘お六が、御嶽山に願掛けをしたところ、「ミネバリで櫛を作り、髪をとかしなさい」とのお告げを受けた。お告げのとおりに櫛を作り髪を梳いたところ治癒したことからミネバリの櫛の名が広まり、作り続けられることになった。

お六櫛問屋 篠原商店

薮原高札場跡
 宿場の雰囲気があまり感じられない街並みを行くとレトロな赤ポストが目に入る。ポストを挟み、薮原高札場跡標柱と高札場解説板が立っている。またその間に《夏と来て木曽路の便りポスト映ゆ》と書かれた小さな句碑が置かれている。この辺りが宿外れだったらしい。

 宿外れの少し先に木祖村民センターがあり蒸気機関車D51が展示されている。機関車の前には一里塚跡碑が置かれている。江戸から66里、京まで70里の地点だ。

 一里塚跡の先でJR中央本線のガードをくぐり薮原駅の南に出てしばらくすると国道と合流する。

藪原一里塚跡碑

藪原駅前
 犀勝橋を渡り国道と合流した後、しばらくトラックの行き交う国道を行く。しっかりした歩道があるので助かる。しばらく行くと歩道の法面に巨大なモニュメント、鳥居峠を行く旅人と馬子の壁画だが、何でここに?と思うよりも、無駄な予算を……と腹立たしい。

 壁画の少し先に吉田洞門が見える。旧中山道は吉田洞門の上を通っていたのだが、今は消滅しているので洞門脇の歩道を行く。

国道19号と合流、右に中央本線

巨大壁画を振り返る

吉田洞門

吉田洞門歩道、右に木曽川
 洞門脇の歩道は、右下に木曽川が流れている快適な道だ。洞門から15分、左手にドライブインが見え、その手前に石塔群が置かれている。道路整備の際に集められたものだろう。

 山吹トンネルの手前で国道を悠然と渡る野性猿を目撃しながら旧道に入る。

石塔群

山吹トンネル前を悠然と横切る野性猿
 旧道はまったく使われていないのだろう、草生す道に変わりつつある。山吹トンネルの先で再び国道と合流し、数百mほど行くと巴御前が水浴したという巴淵にでる。

   《宮ノ越宿〜福島宿》 へ続く

旧国道

草生す旧国道

巴淵に架かる巴橋
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