青松葉山は、これまで残雪期限定の山であった。冬は雪が深く、雪解け後は深い藪山のため残雪期の4月中旬から下旬頃にしか登れない山であった。早池峰山の展望に優れ、山頂付近はアオモリトドマツの大群生地、残雪とのコントラストが美しく人気の山のようである。
最近、宮古市川井地区から新たな登山路が開かれた。アオモリトドマツの純林が売りである。標高1365m、登山口からの標高差は520mほどだ。
広々切り開かれた登山路はニリンソウの大群落、足の置場もないほどだ。踏みつけないように慎重に歩を進める。しばらくは沢沿いに行き、沢を離れると芽吹きはじめた雑木林の気持ち良い路となる。《木の博物館》と銘打つだけあって、幹に樹木名札が取り付けられている。ブナ、シナノキ、ダケカンバそしてタカネザクラの群生地を過ぎると尾根に出る。
前方に針葉樹林の森が現れる。森に分け入ると残雪におおわれている。広々としたゆるやかな起伏の中、アオモリトドマツを縫うように頂を探し求める。地上から4mほど、アオモリトドマツの幹に取りつけた《青松葉山》の山頂標識を認める。樹木の間から早池峰山も顔を見せている。山頂から少し離れた日溜りで昼食後、往路を下る。 |