掲載日:2014/05/28  

【焼石岳】東北トップクラスの花の山

シリーズ  日本二百名山       
山 名  焼石岳(1548m)
山行日  2011年7月26日(火)〜27日(水)
参加者  9名 
歩行時間  1日目:9時間   2日目:7.5時間(昼食等全休憩含む)
コース つぶ沼登山口→銀明水→焼石岳→六沢山→金明水避難小屋(泊)→経塚山→夏油温泉

  焼石岳は、岩手県南西部にある標高1548mの火山である。東北地方トップクラスの花の山であり、日本二百名山の一つに数えられている。

 大宮駅東口発 23:55 夜行高速バスで5:30頃 水沢駅に到着。ジャンボタクシーで登山口に向かう途中、コンビニに立ち寄り朝食などを調達する。

 避難小屋泊まりとなるので寝袋、ガスコンロなどを担ぎ上げねばならない上、一昨年の岩手宮城内陸地震で林道が崩壊《中沼登山口》が使えず標高が280mほど低い《つぶ沼登山口》からとなり歩程が1時間ほど長くなる。

草生すつぶ沼登山口
 焼石岳はTリーダーのふる里、《つぶ沼登山口》に着くとリーダーの同窓生である2人の地元岳人が出迎えてくれた。道案内をしてくれるという。初リーダー役のTさんにとってもメンバーにとっても、心強い限りである。

 登山口7:00 出発。みずみずしい若葉におおわれたブナの原生林、ゆったりした上りの快適な路を1時間15分ほど行くと金山沢にでる。

ブナ林を行く

金山沢を渡る
 樹木越に石沼を見て1時間ほどすると中沼コースと合流、ヒオウギアヤメやヒナザクラなど咲く路をさらに小1時間ほど行くと銀明水、冷たくて美味しい水だ。ひと休み後、水を補給して出発。
樹木越に見る石沼

銀明水

振り返り見る銀明水避難小屋

広々と展望が開ける
  銀名水を後にしばらく行くと大きく展望が開ける。お花畑には、延々と木道が敷かれている。やがて前方に焼石岳が見えてくると、姥石平は近い。金明水との分岐にザックを置いて焼石岳山頂に向かう。

ヒオウギアヤメ

ヒナザクラ

前方に焼石岳が見える

  姥石平の分岐から20分ほどで広々とした一等三角点の焼石岳山頂に着く。360度広がる東北特有のゆったりした山並が美しい。山頂標柱を囲み集合写真を撮って分岐まで戻る。

広々した一等三角点の焼石岳山頂

振り返えり見る横岳の稜線

山頂より岩手山を望む

泉水沼の背後に焼石岳
 山頂から姥石平まで下る路傍にミネウスユキソウ、エゾシオガマ、ネバリノギランなどを目にする。泉水沼を見ると分岐は近い。デポしたザックを担ぎ金明水に向かう。

ミネウスユキソウ

ネバリノギラン

ミヤマシシウド
 花・花・花の姥石平を抜け、ゆったりした起伏の路を東焼石岳から六沢山の雄大な稜線を行く。
東焼石岳山頂、背後に焼石岳

東焼石岳中腹より前方に六沢山を望む

六沢山山頂間近、後方に東焼石岳
 姥石平からの気持ち良い稜線歩き2km、1時間余りで六沢山山頂通過。金明水までは、まだ2.3kmもあるが、山頂のすぐ先から金明水避難小屋が、はるか彼方(2.3km)に遠望できる。小屋の背後には、明日登る予定の経塚山が雲に覆われている。

六沢山山頂

六沢山山頂付近より金明水避難小屋(画面中央)
 小屋を目にしからもアップダウンが連続する。雨も降りだし気持ちは焦れど、小屋はなかなか近づかない。避難小屋への木道の両側にもオノエラン、ミツガシワなどの花が咲いている。
小屋は見えれどなかなか近づかない

避難小屋の近くの木道

オノエラン

ミツガシワ

金明水避難小屋
 ようやく小屋に到着、無人だがとても清潔な小屋だ。地元の方々がボランティアで管理してくれているとのこと。小屋前の水場は、今年3月の《東北地方太平洋沖地震》の影響で枯れてしまったそうだが、同行してくれた岳人が小屋から10分ほど下ったところの水場に、飲み切れないほどのビールを冷やしておいてくれた。Tリーダーの人柄だろうが岳人2人に大感謝である。我々だけだったら水場を探せなかったかも知れず、炊事にも事を欠いただろう。お二方を交え、大宴会になったのは言うまでもない。
  前夜、宴を楽しんだ金明水避難小屋を7時に出発。お世話になった地元岳人とはここでお別れ「お世話になりました」。小屋を出てしばらくするとはるか彼方に経塚山が見える。

 今日も路傍には、高山植物が目を楽しませてくれる。ミヤマカラマツ、クガイソウの大群落、サンカヨウはすでに実となっている。

経塚山ははるか彼方に

クガイソウ

ミヤマカラマツ

サンカヨウ(実)

近づく経塚山に雲がかかりだす

経塚山山頂
 アップダウンの多い尾根を行き、賽の河原を越え経塚山の頂を目指す。最後は、砂礫の路をひと登り、小さい祠が祀られた経塚山山頂に立つ。山頂でもリーダーの旧友が知らせずに待っていて、微笑ましい再会劇を見せていた。

 山頂を後にすると、また高山植物帯となりハクサンシャジン、イワカガミなどを目にする。

経塚山山頂

ハクサンシャジン

イワカガミ

ゴゼンタチバナ

ツルアリドオシ
 山頂を後にひたすら下り、岩の重なり合う《お坪の庭》にでる。岩穴から吹き出す冷風が火照った身体に心地よい。この前後もゴゼンタチバナ、ツルアリドオシなど高山植物が豊富だ。

 今回のコース中唯一、ロープの架かった岩場を下り急流の夏油川に架けられた赤い橋を渡ると林道となる。夏油温泉まではあと3kmほどだ。

 午後2時半、夏油温泉にたどり着く。温泉で汗を流しながらリーダーとその友人たちに大感謝、ありがとうございました。

コース中唯一ロープの掛かった岩場

夏油川に架かる橋

夏油温泉にたどり着く

夏油川の露天風呂小屋
コースタイム
つぶ沼登山口0700→金山沢0817→石沼0915→中沼コース合流1016→1105銀明水1120→1240姥石平→1256山頂→姥石平1345→1405東焼石岳→1440六沢山→1610金明水避難小屋(泊)0705→賽ノ河原0830→0905経塚山0950→御坪の松1055→水場1105→岩場(ロープ)1315→赤橋1320→1430夏油温泉(泊)
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