【ペンケヌーシ岳】ほどよい緊張感で花咲く稜線へ

山 名  ペンケヌーシ岳
山行日  2010年7月13日(火)
参加者  3名
歩行時間  5時間4分(除く山頂休憩)
コース 登山口→沢コース→林道→稜線→ペンケヌーシ岳→林道→林道コース→登山口
  関連情報             アクセスカウンター
地形図
▼夕張岳 (20万)/千栄(5)/ペンケヌーシ岳(2.5)
参考HP ▼2010/07/13-ペンケヌーシ岳(同行者山行記)
▼2008/06/22-ペンケヌーシ岳
▼2007/07/17-北海道の山 ペンケヌーシ山
▼2005/06/19-
ペンケヌーシ岳
行 程
場 所 着時刻 発時刻
 駐車場 7:30 7:45
 登山口 7:58
 林道横断 8:44
 お花畑 9:26 9:40
 砂礫地 10:00
 ペンケヌーシ岳 10:34 11:35
 お花畑 12:15 12:27
 林道横断 12:57 13:06
 駐車場 13:50 13:55

 ペンケヌーシ岳は、日高山脈の北の端に位置する。1700mを超える山であり、日高山脈の中では高峰といえ、北海道中央部の山々を見渡す格好の展望台となっている。山容はおとなしく日高特有の急峻さはないいが、高いだけに高山植物は豊富で地元日高町では、町民登山の山として親しまれている。

 山名は、ペンケ=上流、ヌーシ=豊漁、という意味で、川が黒くなるほど魚が泳いでいた川の水源の山ということになるそうだ。

 生まれてはじめての沢登り、それも尾根歩きを含め中級とガイドブックに記されている。山歴50年近い超ベテランが計画した山で、「私でも大丈夫」と、言ってくれてはいるが不安ばつのる。

スパイク付き地下足袋

 せめて道具だけはと思ったが、沢靴は安くても1万数千円もするという。いまさら、積極的に沢歩きをする気はないし、ガイドブックに「……登山靴で登ることもできるが、濡れた岩が滑り易いので、沢登りスタイルの方が効率的である」とある。新たな沢靴の購入は控え、リーダーと相談し、9年前、幌尻岳に登ったとき使用したスパイク付きの地下足袋を履き、ザックに登山靴を入れて挑むことにする。

林道ゲート

日高町営キャンプ場

 一昨日(7/11)、オプタテシケ山に一緒に登ったMさんが、ペテガリ岳の予定を変更(林道崩壊など)してペンケヌーシ岳も同行してくれることになった。

 昨日(7/12)は終日雨、日高の町外れのキャンプ場のバンガローを借りて停滞。日高北部森林管理署に予め申請していた林道の鍵を受け取るなどして終日過ごす。

駐車スペース:沢靴を履く

 7/13、朝から青空。昨日借りた鍵で林道ゲートを開け、1時間ほど林道を走り駐車場着 7:30。

  目の前に水量豊かな大きな滝がある。ドキッとさせられるがこの滝を登るわけではなことを知りホッとする。

駐車スペースの目の前に大きな滝が

  荒れた林道を10分ほど行くと「ペンケヌーシ岳 登山道入口」と書かれた小さな道標が置かれている。

林道よりペンケヌーシ岳登山道分岐

  登山路は、ペンケヌーシ岳とその南に位置する1733m峰の間から流れ落ちている小さな沢である。小さな沢とはいえ、大きな石が上流に向かって積み重なっており、その岩の間を泡立ち白濁した水が勢いよく流れ落ちている。

沢登り

大きな岩が積み重なる小さな沢

 右に左に沢を渡りながら登る。「案ずるより産むが易し」、スパイク付き地下足袋は思いのほか岩にピタリと吸い付き滑る感じはまったくない。

 水にジャブジャブ浸かりながらの沢登り、まったく不安は感じず、だんだんと楽しくなってくる。

だんだんと水量が少なくなる

  沢を横切る荒れた作業道を経て、次第に細くなる沢を詰めるとお花畑に出る。ハクサンイチゲ、アオノツガザクラ、シナノキンバイ、ウコヌツギなどの花が咲き競っている。振り返ると芽室岳、パンケヌーシ岳の双耳峰が美しい。

お花畑より見る芽室岳(左端)

源頭部付近の雪渓

  お花畑を後に細流を辿り沢の源頭部へ、しだいに視界は開け、目の前には小さな雪渓が横たわる。

  緩やかな尾根の背を左手にし、砂礫の路を進むとほどなく稜線上のお花畑。ツガザクラ、オオバキスミレ、シラネアオイなどなど、まさに百花繚乱。

砂礫の路を行く

 地下足袋の足底の感触は気持ちよく、まことに快適な尾根歩き。もちろん登山靴はザックに入れたままだ。

お花畑を縫う快適な尾根歩き

目の前がペンケヌーシ岳山頂

 ピークを越え方向を右に変えるとペンケヌーシ岳の山頂は目の前だ。低いハイマツ帯を抜け山頂に立つ。先客の二人は、ほどなく下山。まさに360度の大展望を独占する。

ペンケヌーシ岳山頂

ペンケヌーシ岳山頂より、十勝連峰を望む

ペンケヌーシ岳山頂より芽室岳(中央やや右)を望む

  間近に見る双耳峰の芽室岳は重なって一つに見える。チロロ岳、ピパイロ岳、伏美岳などなど、北海道中央部の山々が手に取るように見える。

  一昨日登ったオプタテシケ山もしっかり見える。その左に、美瑛岳、十勝岳、富良野岳と十勝連峰の山々が連なっている。いつまで見ていても飽きない眺め。

後ろ髪引かれる思いで山頂を後にする

 アッという間の1時間、立ち去りがたい思いを振り切り花を愛でながら往路を下る。作業道が沢を横切るところからは、作業道を下ることにする。