【西穂高岳】大小13のピーク(峰)を越えて山頂へ

山名  西穂高岳(2909m)
山行日  2009年9月5日
交通  電車、バス
参加者  11名
歩行時間  山荘⇔西穂: 4時間45分(休憩含む)
コース  西穂高口⇔西穂山荘⇔独標⇔西穂高岳
 4年ぶり2度目の西穂高岳である。推理小説好きな友人が、梓林太郎の「怨殺西穂高独標」を読んで“独標”に行きたくなったという。軽ハイク程度の山歩きしか経験がないので、付き合ってほしいという。自分は、西穂まで行くことを条件に同行したのが1回目である。今回は、山の会のメンバー11人。内6人は、独標までの予定である。
 前回はマイカーだったが、今回は列車とバスを利用して新穂高温泉へ。ロープウェイを利用し、標高2156mの西穂高口まで一気に運んでもらう。樹林越に西穂山荘も見える好天だったが、樹林帯の登山路に踏み入りしばらくすると遠くに雷鳴が聞こえる。ほどなく真暗な雷雲に襲われ大粒の雨と雷鳴、たちまち登山道は川と化す。急ぎに急ぎ息も絶え絶えに西穂山荘に転がり込む。

  雷雲が遠ざかり日が沈むと、夕日に照らされた霞沢岳、夕焼の空にシルエットに浮かぶ笠ヶ岳がみごとである。

西穂山荘前より夕日に照らされる霞沢岳

風やけの空にシルエットの笠ヶ岳

ハイマツ帯を行く
  翌朝6時山荘出発、15分ほどハイマツ帯を登ると丸山、360度の展望だ。行く手には独標から西穂に連なる峰々、振り返れば焼岳と乗鞍岳、左に笠ヶ岳、右後方に霞沢岳、ハイマツ帯の道は幅広く、傾斜はゆるやか大展望を楽しみながら登ることが出来る。

前方に独標(平ピーク)、ピラミッドピーク、その左奥が西穂

振り返り見る登山路、背景は焼岳、乗鞍岳(左奥)
  丸山を過ぎるとガレ場となるが尾根は広く危険はない。独標直下の岩稜帯は、これまでよりは多少手強い登りだ。鎖場もあり傾斜も45度以上あるがステップやホールドがしっかりしていて高度感もないのでさほどのこともなく、山荘から1時間10分、11人全員独標の頂に揃う。

  行く手にはピラミッドピークを正面に西穂から奥穂に連なる大迫力の岩峰群、独標から西穂高岳までは、大小11のピークがあり、独標(11峰)から順に10峰、9峰、8峰(ピラミッドピーク)、7峰、6峰、5峰、4峰(チャンピオンピーク)、3峰、2峰、主峰西穂高岳と小さなピークが連なっている。この間が本コースの核心部で、11人中5人が西穂に向かう。

多少岩場も

独標に取りつく

行く手先頭にピラミッドピーク、次いで西穂、右奥は奥穂(独標より)

独標より辿りし路の彼方に焼岳、乗鞍岳、左に霞沢岳

独標(11峰)下り

10峰登り
 独標からいきなり岩場の急降下、これまでとは比べものにならない険しい路だ。ピラミッドピークまでは左側が垂直に鋭く切れ落ちた痩せ尾根のアップダウン、右側がハイマツ帯なので恐怖感はあまり感じないのが救いだ。

振り返り見る独標

9峰より10峰(手前)と独標を振り返る
  9峰の下りは高度感が半端でなく緊張するが、これを越すとさほど苦労することなく8峰のピラミッドピーク頂に立てる。岩場にも慣れ、同じようなアップダウンを繰り返し西穂高岳の頂に至る。

  前方には涸沢岳・奥穂から右に吊尾根・前穂と続き、振り返れば、辿りし縦走路と焼岳、乗鞍、左に霞沢岳が一望できる。

9峰下り

ピラミッドピーク(8峰)

西穂高岳山頂:背景は奥穂〜前穂

西穂高岳山頂:背景は涸沢岳〜槍ヶ岳(2005/8/7)

左より奥穂〜吊尾根〜前穂:西穂山頂より

右より奥穂〜涸沢岳〜南岳〜槍ヶ岳:西穂山頂より

西穂山頂より来し方を鳥瞰:稜線の先端がピラミッドピーク、その左下方に独標、その右方に西穂山荘、背後に焼岳

往路を下る
 急峻な岩場は上りより下りが怖い、雷対策のためなのか鎖もなく足元も確認できない。帰路もアップダウンの繰り返しながらどんどん下るので上りより難度は高い。とにかく焦らず慎重に下るしかない。
下方にピラミッドピーク、その先には焼岳を見ながらのスリルある下山、独標まで戻り緊張感から解放され、のんびりと山荘に向かう。
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