【富士山

シリーズ  日本百名山      前  
 山梨百名山      前  
山 名  富士山
山行日  2008年7月30日(水)前夜より
参加者  2名
歩行時間  12時間(除く大休止除く)
コース 河口湖五合目→河口湖口コース→吉田口コース→富士山ホテル→浅間神社奥宮→剣ヶ峰→浅間神社奥宮→八合目→下山専用道→河口湖五合目
関連情報                          アクセスカウンター
1/20万
1/2.5万
富士山
交通 ▼富士登山バスツアー:WILLER TRAVEL
  【Dコース】マイペース 富士登山
  参加費:¥6300円/名
 往復バス代、下山後入浴
推薦HP 河口湖口
▼2000/08/01 富士山 富士宮口から日帰り登山
行 程
場 所 着時刻 発時刻
 河口湖口五合目 22:05 22:40
 八合目元祖室 2:00 2:05
 富士山ホテル 2:40 4:00
 浅間神社奥宮 5:40 5:40
 剣ヶ峰 6:45 7:05
 浅間神社奥宮 8:00 8:05
 下山専用道(ブル道) 8:40 8:55
 河口湖口五合目 11:55 14:00

 山登りを一度もしたことがない友人が、一年以上前から「富士山に登りたい」と言っていた。彼の友人何人かと富士登山計画を立てたようだが、実施段階になってみな「自信がない」と、しり込みしてしまったということで私に白羽の矢が立てられた。

  登山靴、雨具、ザックなどを新調し、1週間ほど前、小手調べにと天神平から谷川岳を往復した。体力に自信がある彼は、地下駅の谷川岳のあの400段以上の階段をなんの苦もなくスイスイと上っていく。「最初はできるだけゆっくり歩いた方がいいよ」と言う私を尻目にどんどん先行し姿が見えなくなってしまった。彼の歩みは、ロープウエイを降りてからもしばらくは快調だったが岩混じりのやや急坂な登山路を行くに従いペースが落ちてくる。まさに「痩せ馬の先走り」を実感したようだが、はじめての山登りにもかかわらず往復4.5時間ほどで無事歩き通せたのは日ごろの鍛錬の賜物と感心した。

  富士山は9年前に職場の若い人たちと富士宮口から登って以来2度目となる。今回は河口湖・吉田口コースを登るが、前回同様夜行登山とした。このコースは山頂まで行かなくともどこからでも日の出を見られるのが魅力だ。

 19:40 新宿駅出発、満席の大型バスの乗客はほとんどが20代、30代、年寄りはわれわれ2人だけだが、夜間登山なのだからそれも当然か。ノンストップで河口湖口五合目に22時過ぎに到着する。高度順化を兼ね、ゆっくりと身支度を整え、22時40分頃出発する。

 ゴルフのシングルプレイヤーである彼は、今年中の片手シングルを目指しここ数ヶ月、体力づくりの猛特訓をしている。両足首にそれぞれ2.5kgの錘をつけて毎朝、2時間以上歩いているなど体力にはたいへんな自信をもっている。

河口湖口五合目 下山時撮影(7/30 12:00頃)

 田舎の繁華街より明るく賑わいのバスターミナルを登山口に向かい歩み出すとすぐに街灯ひとつない真っ暗闇となる。大型バスが楽にすれ違えるほど広々した道をゆるやかに下っていく。連れは谷川岳の反省か、高度順化を考えゆっくり歩く私を決して追い越そうとはしない。

 15分ほどで登山口に到着する。六合目までの標高差は100mほど、ゆるやかな登り路をゆっくり歩く。前後にはいくつもの灯りが見える。順調に六合目小屋前を通過する。七合目までの標高差は300mほど、これまでよりやや傾斜の増した砂礫のジグザグ路となる。見上げると七合目の小屋の灯りがよく見える。

日の出直後、頂上へと連なる登山者の行列

 八合目の最初の小屋太子館に着く。冬用厚手の長袖シャツだけでは連れを待つ間に身体が冷えてくる。ヤッケを着込んで15分ほどすると連れが登ってきた。かなり疲れた様子だ。持参の酸素を吸い込みしばらくすると元気を取り戻したようだ。

浅間神社奥宮(5:45頃)

正面の大日岳を左に巻いてお鉢めぐりスタート

 それでも足取りは重い。午前2時40分ころ、八合目で5軒目の小屋 富士山ホテル前のベンチにへたり込む。立ち止まると一段と寒さが増す。冬用のセーターを着込み、さらに雨具のズボンもはく。それでもまだ寒い感じだ。パッチを持ってこなかったことをちょっと後悔する。「すごく寒いぞ」と脅かしておいたので、連れも防寒対策は万全だが盛んに酸素を吸っても、気力はなかなか戻らないようだ。ということで、ここで大休止することにして小屋に入る。休憩1時間ひとり千円、お汁粉400円を食しテーブルにうつ伏せになって仮眠する。

 懐中電灯の灯りを頼りに登る溶岩状の岩場の急登にしだいに苦しくなってくる。連れも辛そうだ。さらにペースを落としてゆっくり登る。周囲の人たちも辛そうだ。少し登ってはひと休み、互いに前後しながら高度を上げる。

 1時間ほどで七合目の最初の小屋に着いた。多くのハイカーと同じくわれわれも小屋前のベンチでひと休み。この辺りからごつごつした岩場の急登となる。七合目は小屋の密集地で少し登ると小屋前のベンチなどで休憩している人たちが目につく。

剣ヶ峰を目指し荒涼とした路を行く

 小屋のオヤジさんが「4時までいいよ」と言ってくれた。山頂までの標高差400m余り、富士山ホテルを後にしてしばらくすると薄明るくなってきた。空には細い三日月、下界は分厚い雲海に覆われている。日の出は4時45分頃。しだいに東の空が赤みがかってくる。ご来光目当てにみな小屋から出てきたのだろ、登山路に人があふれている。風の来ない岩陰で日の出を待つ。

お鉢の向こうに剣ヶ峰

  4時47分雲海の彼方に大陽が頭を出す。赤く染まった頂上への山肌には延々と人の列が続いている。歩きだしてしばらくすると大渋滞。遅々として進まない。しばらくして大パーティーの世話係りの人たちだろうか「路を明けるように」と指示してくれたおかげで少し流れ出す。5:40 富士山頂浅間大社奥宮に到着。

  朝食休憩後、時計回りにお鉢めぐりをする。お鉢を挟み真向かいに日本最高峰の剣ヶ峰(3776m)、行く手に聳える大日岳を左に巻き荒涼とした路を行く。富士宮口コース合流点の少し先から砂礫の急斜面を登り剣ヶ峰を目指す。

剣ヶ峰

剣ヶ峰山頂(1999/08/01)

  頂上直下に3・40人の行列が出来ている。日本最高地点碑での記念撮影の順番待ちとのこと。私は前回撮っているし、はじめて登頂した連れも記念写真は不要ということで行列の脇を抜けて山頂に立つ。

  日本最高地点碑の少し先に閉鎖された測候所脇の階段を上り展望台(?)へ出る。雲海に映る影富士の向こうに南アルプスの山々が一望できる。

影富士の彼方に南アルプス

  剣が峰を後にお鉢を一回りして下山にかかる。八合目まで往路を下り以後、下山専用のブルトーザー道を下る。砂礫の道をジグザグに延々と下る。まったく面白みのない道が六合目まで続く。以後、往路を辿り12時前に多くの人で賑わう五合目駐車場に戻った。

お鉢巡りのゴールは近い(後方に剣ヶ峰)

うんざりするほど延々と続く下山専用道(ブル道)