【空木岳】延々と続くアップダウンの稜線歩き
シリーズ | 日本百名山 前 次 | |
山 名 | 空木岳 | |
山行日 | 2008年7月24・25日(木・金) | |
参加者 | 2名 | |
歩行時間 | 7/24:8時間22分(全休憩含む) 7/25:7時間48分(全休憩含む) |
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コース | 千畳敷→極楽平→濁沢大峰→檜尾岳→熊沢岳→東川岳→木曾殿山荘(泊)→空木岳→駒石→大地獄→三本木地蔵→菅の台 |
行 程 | |||
場 所 | 着時刻 | 発時刻 | |
千畳敷 | 7:10 | 7:23 | |
極楽平 | 7:58 | 8:05 | |
濁沢大峰 | 9:30 | 9:40 | |
檜尾岳 | 11:13 | 11:35 | |
熊沢岳 | 13:32 | 13:45 | |
東川岳 | 15:12 | 15:28 | |
木曾殿山荘(泊) | 15:45 | 5:34 | |
第一ピーク | 6:29 | 6:36 | |
空木岳 | 7:10 | 7:24 | |
登山路合流 | 8:24 | − | |
尻無 | 10:39 | − | |
水場 | 11:10 | 11:23 | |
三本木地蔵 | 12:30 | − | |
菅の台 | 13:22 | − |
前日午後遅く、青春18切符を使って駒ヶ根駅に着いた。千畳敷ホテルに宿泊可否を問い合わせると一泊1人19,000円とのこと「高い!」ということで、1泊4,500の駅前のビジネスホテルに泊まる。
駅舎を出ると駒ヶ岳神社の背後にそそり立つ宝剣岳の岩峰群がみごとだ。駒ヶ岳神社に手を合わせ、神社左の極楽平への路を行く。右は千畳敷カールを通って木曾駒ヶ岳へ向かう路、これまで数回歩いているが直接、極楽平に行くのは初めてだ。
ハイマツ帯のよく整備された岩ゴロの路は左へとトラバースぎみにゆるやかに上っていく。路端にはイワカガミなどの高山植物が咲いている。高山病に弱い体質でもありゆっくりと登る。
朝一番(6:00)駅前発のロープウエイ乗場 しらび平行きのバスに乗る。乗客は10人足らずだが途中、菅の台で満席となる。朝一番発(7:00)発のロープウエイに乗り、標高2650mの千畳敷に上りつく。標高差950mを10分足らずで上ったことになる。高度順化を兼ねゆっくりと身支度を整える。
千畳敷駅舎から望む宝剣岳岩峰
極楽平に向かって整備された路を行く
右にV字状に折り返ししばらくすると左斜面に残雪が目につく。急登をひと登り稜線上の極楽平に出ると、右前方に御嶽山が見え、振り返れば甲斐駒から白根三山、塩見、赤石など南アルプスが一望できその上に富士山が頭を出している。進行右前方には三ノ沢岳が大きい。
雪渓下の登山路
富士山を挟み左右に連なる南アルプスの主峰
極楽平からはしばらくは快適な稜線歩き、左に南アルプス、右には大きく聳える三ノ沢岳。10分ほどゆるやかに登っていくと島田娘ノ頭に出る。行く手には縦走路が延々と続き、いくつものピークの先に空木岳と南駒ケ岳が望める。振り返れば、極楽平から宝剣岳へと続く縦走路、その先には木曾駒ケ岳が頭を出している。
島田娘ノ頭付近から望む空木岳に連なる縦走路
濁沢大峰付近
島田娘ノ頭からいったん大きく下る。路端にはコマウスユキソウ、イワギキョウ、タカネツメクサなどさまざまな高山植物が今を盛りと咲いている。都度、写真を撮るのでなかなか先へ進めない。大岩が積み重なった濁沢大峰に登り返し一休み。
岩稜を越えガレ場を急降下、5mほどのクサリ場を下り痩せた岩尾根を行く。前方の稜線の先に檜尾岳、その左下方には避難小屋も見える。ハイマツの斜面から再びザレ場の急降下、この後の檜尾岳への登り返しを思うとウンザリする。砂礫の路をジグザグに下ってようやく鞍部へ出る。
檜尾岳鞍部に向かって嫌になるほど下る
檜尾岳山頂より空木岳を望む
鞍部から少し行くと登山路から左斜面にたっぷりの残雪がある。ミヤマキンバイ、ハクサンイチゲ、ゴゼンタチバナなどなど多くの花が咲いている。樹林帯の急斜面を登り返し、巨岩を縫いハイマツ帯を抜け檜尾岳山頂に至る。
山頂から南に伸びる稜線の先の熊沢岳はまだまだ遠い。熊沢岳の左に聳える空木岳は大きく立派だ。東に伸びる檜尾根の直ぐ先に避難小屋が建っている。
熊沢岳(中央やや右奥)はまだまだ遠い
ミヤマキンバイ:背景は右に濁沢大峰、左に三ノ沢岳
イワギキョウ:背景は空木岳
檜尾岳を下り大滝山を越え巨岩とハイマツの路を行く。ミヤマキンバイ、イワギキョウ、ハクサンチドリ、ハクサンフーロ、キバナノコマノツメなどなどここも高山植物の宝庫だ。延々と続くアップダウンを繰り返す岩稜帯の路を花の写真を撮りながら黙々と行く。
熊沢岳山頂
大きな岩がオブジェのように立ち並ぶ熊沢岳の山頂は広々している。ここまでくればあとはたいした登りはないはずだ、道標に木曾殿山荘まで2時間とある。「午後4時半までには小屋に来てください」と宿泊予約のとき言われたが十分間に合いそうだ。
東川岳への最後の登り
これまで同様ハイマツと巨岩が点在する路、下り基調と思いきやかなりのアップダウンに泣かされ、ようやく本日最後のピーク東川岳にたどり着いた。あとは木曾殿越まで下るだけ。
東川岳下山路から見上げる空木岳の稜線
木曾殿山荘へはザレ場の激下り。正面には明日登る空木岳の稜線がすごい迫力で天に延びている。ガレた急斜面を下って行くがなかなか小屋が見えない。いきなり山荘の屋根が見え、すぐに本日のゴール木曾殿山荘に着いた。
木曾殿山荘は3度目の宿泊だ。夕食後でないと自分の寝る場所が決まらないのは昔と変わらない。宿泊者は平日にもかかわらず50人ほど、小屋から10分ほど行った水場で水を補給し、夕食後、同宿者としばしの雑談、消灯前に眠りにつく。
木曾殿山荘の屋根が突然見える
翌早朝、5時35分小屋を出る。ガスが立ちこめ視界は数十メートル。砂礫のジグザグな急斜面の路をゆっくりと登る。高度が上がるにつれ岩稜帯となる。小屋から1時間ほどで第一ピークに出た。
第一ピークからしばらく行くと再び岩稜となり、これをよじ登ってしばらくすると空木岳山頂につく。10人ほどの先客がいる山頂はガスの中、展望はまったくない。
第一ピーク付近
空木岳山頂付近
空木岳山頂
先客の中には30分以上も霧が晴れるのを待っている人もいるが当分、期待できそうもない。記念写真を撮り早々に下山にかかる。
駒石を見下ろし
ザレた斜面を一気に下ると駒峰ヒュッテ、ここで避難小屋経由の路を右に分け、左の尾根路を行く。ハイマツのなかの路をしばらく下ると大きな岩がある駒石。この辺りのガスはだいぶ取れてきたが振り返り見る空木岳山頂付近はまだ濃いガスに覆われている。
小地獄・大地獄ともよく整備され危険はない
ヒュッテで分岐した避難小屋経由の路と合流すると樹林帯に入る。迷い尾根から小地獄・大地獄とかつての大難所もハシゴやクサリ或は階段、桟橋としっかりと整備されていて危険はまったく感じない。登ってくる何組ものパーティーとすれ違う。
水場
苔むす原生林をしばらく行くと尻無と書かれた道標のところで池山への路が登山道経由と遊歩道経由に分岐する。遊歩道を30分ほど行くと水場、ここで昼食を兼ねて大休止、水槽で冷やして食べたトマトは美味かった。
水場を後にし、遊歩道風の路を下る。路端にはセンジュガンピ、ヒヨドリバナ、ウツボグサなどの山野草がよく目につく。お地蔵さんと遭難碑が設置された三本木地蔵を通過し、林道を2度横切り、菅の台バス停に着いた。
三本木地蔵