【金峰山、国師ヶ岳】原生林とアルペンムードあふれる山

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山 名  金峰山、国師ヶ岳、北奥千丈岳
山行日  2007年6月12日(火)
同行者  単独行
歩行時間  4h7m+1h43m(除昼食休憩)
コース 金峰山⇔朝日岳⇔大弛峠(ベース)⇔国師ヶ岳・北奥千丈岳

  45年前、金峰山頂で撮った写真が残っている。昭和30年代後半の登山ブームの際、運動嫌いの私も山好きの友人に誘われるなど、年に数回は山に登っていた。丹沢、八ヶ岳、雲取山、大菩薩嶺などポピュラーな山ばかり、金峰山もその中の一座だったのだろう。いずれの山行も数枚のモノクロ写真が残るだけで、どのルートをどのように登ったのかはまったく記憶がない。

  卒業後は山からすっかり離れていたが10年ほど前、BSの日本百名山に触発され山歩きに目覚めた。現在99座の頂を踏んでいるが、百名山のうち未踏の山が一桁になるころから、若い頃に登ったきりの山や雨の中ただ頂を踏んだだけの山などが気になりだした。100座目の立山に登る前に、そんな気になる山を訪れる機会を待っている。

 梅雨入りが遅れているとはいえここ数日、不安定な大気により各地に雷を伴った強い雨を降らせ、6/9に予定していた山行も中止となった。このまま梅雨になるとしばらく山には行けないと諦めていたが、火水と好天が期待できるとのことで急遽、金峰山に行くことにした。

 朝5時過ぎ自宅を出て富士宮、精進湖、牧丘町を経て大弛峠に9時前に着いた。平日にも関わらずすでに駐車場は満杯。未舗装の長野県側に50mほど行った辺りに停める。

大弛峠駐車場

大弛峠からすぐに深い樹林帯へ

 道標に従い、駐車している車の間から山路に入る。大弛峠の標高は2300m、すぐに苔むす樹林帯に分け入り深山の雰囲気に浸れる。人気のある山らしく、丸太で組まれた階段状の路はよく踏み込まれている。

  しばらく行くと、単独行の男性とすれ違う。金峰山から戻るところだという。以後、次々とハイカーとすれ違う。とても平日とは思えない賑わいだ。ピークを越えて30分ほどで朝日峠に着く。

朝日峠

  峠からはやや登りがきつくなる。見通しの利かない路を黙々と登る。暑いせいかいつになく体が重くペースが上がらない。残雪に覆われた路を過ぎると岩塊の尾根に出て、後方の展望が開ける。国師ヶ岳と山肌を縫う林道が見渡せる。さらに少し登ると朝日岳の山頂に着くが樹木に囲まれ見晴らしは良くない。

朝日岳山頂手前の岩塊帯で振り返り見る国師ヶ岳

  山頂から10mほど行った露岩は金峰山の展望台で、正面の鉄山から続く尾根の先端に金峰山の頂と五丈岩が一望できる。

朝日岳山頂より金峰山を望む

残雪路両側のシャクナゲ群生地

  休憩後、ガレ場を下り再び樹林帯に入って鉄山の北側を巻く。辺り一帯、バイカオウレンが咲いている。やがて樹林帯から潅木帯の登りとなる。たっぷりと雪を残した路の両側に群生するシャクナゲの蕾はまだ固い。

   見晴らしの良いハイマツ帯に出るとアルペン的な雰囲気のサイの河原、足元の岩間にはコメバツガザクラが咲きはじめている。右に瑞牆山から小川山へと稜線がつながり、振り返ると朝日岳の左に甲武信ヶ岳、右に国師ヶ岳など展望は欲しいままだ。

金峰山山頂

  岩の尾根を辿り金峰山山頂に至る。ゴツゴツした岩の山頂は、遮るものもなく360度の展望が広がる。

サイの河原より望む瑞牆山

中央に朝日岳、左に甲武信ヶ岳の山並、右に国師ヶ岳

瑞牆山から小川山へと連なる稜線
  そそり立つ五丈岩前の広場には多くのハイカーが休んでいる。五丈岩前で昼食を済ませ往路を戻る。

五丈岩

行 程
場 所 着時刻 発時刻
 大弛峠 8:50 9:06
 朝日岳 10:12 10:20
 金峰山山頂 11:20 11:51
 朝日岳 12:56
 大弛峠 13:44 14:04

  大弛峠まで戻るが相変わらず駐車場は満杯状態。ひと休みしてから空身で国師ヶ岳に向かう。峠から直ぐのところに大弛小屋が建っている。

大弛小屋

樹林帯にどこまでも続く木製階段

  小屋の外れから木製の階段を上る。階段の両側にもバイカオウレンが今を盛りと咲いている。すぐに終わると思ったが上っても上っても階段が続く。傾斜が緩やかな部分は木道が敷かれ、あまりに整備し過ぎではないかと思う。「夢の庭園」への分岐を過ぎても階段は続く。

国師ヶ岳山頂

  次々と下ってくるハイカーとすれ違う。木製階段が途切れると前国師岳、さらに数分進むと奥秩父最高峰の北奥千丈岳への路を右に分ける。分岐から少し行くとけっこう深い雪路に不安となるが、Tシャツ1枚の空身で来たことを後悔する間もなく国師ヶ岳に到着する。

  山頂に先客一人、「峠で車中泊して明日、金峰山へ登る予定」とのこと。少し話を交わすが、Tシャツ1枚ではジッとしていると寒く、「お先に」と、早々に下山する。

国師ヶ岳、北奥千丈岳分岐

  分岐まで戻り、北奥千丈岳に向かう。国師ヶ岳への路よりさらに深い雪に覆われているところもあるが、分岐から5,6分で北奥千丈岳に到着。

残雪たっぷりの北奥千丈岳への路

  山頂からは、金峰山から小川山へと続く山並みがシルエットに見渡せる。先ほど登った国師ヶ岳は直ぐ目の前、その右後方に見えるのは甲武信ヶ岳か。

北奥千丈岳山頂

 前国師岳を経て、木製階段をしばらく下り“夢の庭園”分岐まで往路を戻る。“夢の庭園”への路もよく整備されている。分岐からチョット下ると金峰山から小川山への山並みが一望でき眼下には、大弛峠を貫く林道が見える。大弛峠まで戻ると車はかなり少なくなっていた。

“夢の庭園” から金峰山と眼下に林道を望む

行 程
場 所 着時刻 発時刻
 大弛峠 14:04
 前国師岳 14:43
 国師ヶ岳 14:53 14:56
 北奥千丈岳 15:07 15:12
 大弛峠 15:47
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1/2.5万地形図 金峰山 [南西]
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立ち寄り湯 花かげの湯  tel:0553-35-4126  ¥500(3hr) 10:00-20:30  月曜定休
山小屋 ▼大弛小屋 問合せ先:0553−33−9852 小林寿雄  携帯:090−7228−0141
推薦HP 2006/09/23-金峰山
2003/06/05-国師ヶ岳