【東海自然歩道 No.21】寧比曾岳、香嵐渓コース

シリーズ  東海自然歩道      
山 名  寧比曾岳、筈ヶ岳
山行日  2007年6月2日(土)
同行者  グループ・せせらぎ 11名
歩行時間  8時間39分(昼食休憩含む)
コース 段戸湖→五六橋→富士見峠→寧比曾岳→筈ヶ岳→金蔵連峠→平勝寺→安実京→香嵐渓
行 程
場 所 着時刻 発時刻
 段戸湖 8:27 9:48
 五六橋 10:20
 富士見峠 11:53 11:58
 寧比曾岳 12:06 12:33
 筈ヶ岳 13:22 13:25
 金蔵連峠 14:28 14:36
 平勝寺 16:07 16:20
 有洞のサワラ大木 17:31
 安実京 17:47
 香嵐渓 18:10 18:13
 ビジターセンター近 18:27 18:35

  今回のスタート地は、設楽町、足助町、旧稲武町にまたがる広大な国有林に刻まれた段戸裏谷の中心地にある段戸湖、農業用に造られた人造湖だが、すっかり自然になじんでいる。寧比曾岳を越え足助へと下る原生林を行く路は、いかにも自然歩道然とした緑豊かなコースだそうだ。

  焼津駅集合6:15 予定通りに11名のメンバーがそろい、2台の車に分乗。焼津ICから東名高速に乗る。浜松西ICで下りるつもりだったが、うっかり通り過ぎてしまい豊川ICで下りる。R151を行き、本長篠駅前より設楽町田口に向かい途中から、田峰三郎橋線に折れ前回ゴール地点の段戸湖に8時半頃到着する。Gさん、Hさんがゴール予定地の香嵐渓の駐車場に車を停め、タクシーでとんぼ返りに段戸湖に戻るのを待ってスタートする。

スタート地点の段戸湖

  湖畔の林道を少し行くと左に登山路が分岐する。角の大理石に“愛知高原国定公園 段戸裏谷”と刻まれており、自然歩道は原生林へと分け入って行く。樹齢300年に及ぶモミ、ツガ、ブナ、ミズナラ等からなる原生林に小鳥のさえずりが響き渡る。

原生林に分け入る

五六橋付近の探鳥者

  30分ほど森の中を行くと、先に分かれた林道に出る。これを横切ると五六橋、小鳥の鳴き声がいっそう盛んになる。自然観察路端に多くのカメラマンが屯している。小鳥を狙い、大きな望遠レンズのカメラを三脚に据え、チャンスをじっと待っている。

  観察路から右に木橋を渡って登山路が分岐する。路の両側は背よりも高い笹藪、見通しの利かない森の中の平坦な路をしばらく行くとベンチのある休憩地。傍らに“段戸国有林”の解説板が立っている。桧、杉が中心の国有林だが、原生林、自然休養地としても利用されているとある。

自然観察路から木橋を渡って登山路へ

よく手入れされた桧林を行く

  寧比曾岳1.2km 30分の道標が立つベンチのある休憩地を過ぎると本格的な登りとなり、20分ほどで富士見峠に着く。トイレとベンチが設置された小広場だが、樹木に囲まれ富士山どころかほとんど見通しは利かない。

富士見峠

  しばらく行くと林道を横断、この辺りから原生林は、下枝がよく刈られた明るく美しい桧の植林帯になる。小さな沢を何回か横切り、山腹に沿い曲がりくねりながら辿る路は柔らかで靴底に優しい。湯呑の置かれた水場もあるが、ほとんど汗もかかないので素通りする。

  ひと休みして再び歩きはじめるが、路は相変わらず水平移動、さっぱり高度が稼げない。段戸湖の標高 917m、山頂までの標高差は200mほどだが、道標に2時間40分となっているのも頷ける。

  富士見峠を後にすると10分足らずで寧比曾岳山頂。休憩舎が建ち広々とした山頂には数組のベンチとテーブルも備えられている。樹木が切り開かれ奥三河の山並みの展望が広がっており、ここで昼食休憩とする。

寧比曾岳山頂より筈ヶ岳を望む

  山頂で東海自然歩道 恵那コースを右に見送り足助コース(本線)を行く。レンゲツツジが咲く幅広の快適な尾根路は快適だ。

寧比曾岳を後にして

  傷跡生々しい林道工事場を経て筈ヶ岳の分岐に出る。朝から調子の思わしくないS.N.さんを留守番にし、分岐にザックを置いて筈ヶ岳に向かう。5分余りで三角点のある山頂に着くが展望はたいしたことはない。

工事中の林道を横切る

筈ヶ岳山頂

  早々に分岐まで戻り、引き続き尾根路を行く。林道にぶつかりこれを少し歩いて再び山路、しばらくすると広々した防火帯の気持ちよい下りが続く。迂回路が設けられた崩壊地を経て金蔵連峠に至る。

防火帯の路を下る

金蔵連峠

  トイレが設置された金蔵連峠には、幅3mほどの舗装道路が通っている。付近の大木は100年ほど経っているのだろう“保存林 1909植樹”の看板が立っている。自然歩道の案内板には平勝寺まで5.2km、2時間と書かれている。

  峠からは、しっかり踏み込まれた古来からの生活道を利用した路となる。林道が平行していて何度も接しては離れるが、道標がこまめに立っていいるので迷う不安はないし、たとえ見落としてもすぐまた林道と山路が出合うことになる。

しっかり踏み込まれた路

切通しの車道まで大きく下る

  植林帯の路を淡々と下って行くと、前方が大きく開け、はるか下方に舗装道路が横断している。とんでもなく深い切通しだ。優に50mはあるだろう。車道まで下るのは良いとして、同じだけ上り返さねばならない。「トンネルだったら…」と、ぼやきたくもなる。

  上り返すと“平勝寺1.7km”の道標が立っている。しばらく行くと舗装道路に出て、目の前に青々とした田圃が広がる。平勝寺まで1km、山間ののどかな綾渡集落の舗装道路を平勝寺に向かう。

綾渡集落に出る

  舗装道から田圃の中の道を通り平勝寺に着く。聖徳太子が開いた古い寺で、木造観音菩薩座像は国の重要文化財に指定されている。また、毎年8/15に境内で繰り広げられる夜念仏と盆踊りは国指定の重要無形民俗文化財だそうだ。

車道から右に曲がり平勝寺へ

仮ゴールの平勝寺

  今回は平勝寺を仮のゴールと考えていたが日も長いし、次回のことを考えると車を停めてある香嵐渓まで歩きたいところだ。体調がややすぐれないS.N.さんには、手配したタクシーで先に香嵐渓に行き、停めてある車で待っててもらうことにする。

 平勝寺を後にして、道端に石仏が点在する舗装道路をしばらく行き綾渡集落を抜ける。いつしか山路となり、ひと山越え再び車道にでるとほどなく山ヶ谷集落。最近入会し、2度目の参加のS.A.さん、脚の様子が思わしくやや遅れ気味だったが、M.H.さん持参の湿布を貼り調子が戻ったようだ。鳳来寺山コースの時、私も世話になった特効薬だ。

石仏が点在する道を行く

  起伏のある車道で峠を越えると有洞集落、有洞のサワラは樹齢1000年を超える愛知県一の大木だとのこと。しばらく行くと車道から山路が分岐し、急坂を6,7分下り安実京の里に下り立つ。

有洞のサワラの大木

  国道420号線を横断し、巴川に架かる川端橋を渡り左岸に移り香嵐渓に向かう。メンバーは皆、紅葉の時期に1,2度は訪れている。紅葉の頃の喧騒が嘘のように静まり返る青葉の風情も捨てたものではない。

川端橋から巴川、この先が香嵐渓

  400年近い歴史がある香嵐渓の紅葉の核心部に着き、長かった今回のコースもようやくゴールだとホッとする。しかし、車を停めた駐車場はもっと先だという。気が抜けた分、重くなった脚を奮い立たせてもうひと踏ん張り、ようやくゴールのビジターセンター前の駐車場に着いた。

香嵐渓中心部

ゴールの香嵐渓ビジターセンター付近

  東海自然歩道は舗装道路から別れ地路となる。分岐の道標を入れゴールの集合写真を撮り近くの“岩神の湯”で汗を流し、軽い夕食を済ませて帰路につき、焼津駅21:48着、解散となった。

関連情報                  アクセスカウンター
1/2.5万地形図 ▼寧比曽岳 [南東]    寧比曽岳 [北東]
  寧比曽岳 [南西]  足助 [南東]
ガイドブック  ふれあいウォーク東海自然歩道
   宇佐美イワオ著 風媒社 1999
東海自然歩道日帰りハイキング〈2〉奥三河−鈴鹿峠
  武村岳男著 山と渓谷社 1996
交通 ▼タクシー:香嵐渓⇒段戸湖 ¥7,140
  日の出タクシー tel:0565-62-0064
地名(かな) ▼段戸湖:だんどこ   寧比曾岳:ねびそだけ
  金蔵連峠:ごんぞうれんとうげ  平勝寺:へいしょうじ
  山ヶ谷:やまがい  有洞:うとう  
案実京:あじきょう
立ち寄り湯 香蘭渓 岩神之湯  tel:0565-62-1233 \730

更新日:2013/08/27