里道を六本松に向かう

【東海自然歩道 No.17】鳶ノ巣山 ・奥三河コース

シリーズ  静岡百山     前  
シリーズ  東海自然歩道      
山 名  鳶ノ巣山
山行日  2007年4月1日(土)
同行者  グループ・せせらぎ 11名
歩行時間  6時間7分(休憩含む)
コース くんま水車の里→黒滝→鳶ノ巣山(往復)→県境→夏明橋→巣山→阿寺七滝→鉛山峠→睦平→三河大野駅
関連情報                          アクセスカウンター
1/2.5万地形図 熊 [北東]  熊 [北西]  熊 [南西]
 三河大野 [南東]
ガイドブック  ▼東海自然歩道31選 東海編 - 名古屋歩く会-編
  七賢出版 2000/03 ¥1500+税
東海自然歩道 日帰りハイキング〈1〉高尾山‐奥三河
  武村岳男著 山と渓谷社 1994
交通 ▼清水駅6:55→静岡駅7:12→7:59掛川駅8:17→ 9:07西鹿島駅9:23→10:00熊・水車の里(バス:\630)
▼遠州鉄道バス 天竜営業所:0539-25-2125
推薦HP ▼2005/04/01
 
Ai山坂五郎の東海自然歩道、熊から三河大野へ
行 程
場 所 着時刻 発時刻
 くんま水車の里 10:04 10:11
 黒滝休憩舎 10:45 10:48
 鳶ノ巣山登山口 11:32 11:33
 鳶ノ巣山山頂 11:55 12:03
 鳶ノ巣山登山口 12:20
 静岡・愛知県境 12:29 12:50
 六本松 13:15
 夏明橋 13:30 13:35
 巣山交差点 13:57 14:02
 阿寺の七滝 14:25 14:28
 七滝口(駐車場) 14:39 14:40
 分岐 14:51
 鉛山峠 15:09 15:15
 睦平(県道505出合) 15:50
 三河大野駅 16:18 17:16

 今回起点の“くんま水車の里”から愛知県との県境まででわが静岡県の東海自然歩道を完歩することになる。コースから外れてはいるが、県境に位置する静岡百山の鳶ノ巣山を往復することにする。
 
 前回に続き、掛川駅から天浜線に乗り換え西鹿島駅で降りる。9:23発のバスで前回ゴールの“くんま・水車の里”に向かう。身支度を整え、集合写真を撮って出発。

終点のくんま水車の里でバスを降りる

 バス停からそのまま先に進むとすぐに阿多古川を渡る。熊集落を抜けると左すぐ上の道に道標が見える。法面を駆け上がり確認すると、この道が正規の東海自然歩道のようだ。そのまま先に進むと先ほどの道とV字状に合流する。よく調べてみると、東海自然歩道は“くんま水車の里”を迂回しており、本来はバス停から南に少し戻り、前回のコースからそのままバス通りを横切るのが正しい道だったようだ。

 こまめに立つ道標に従い寺平集落に向かう。集落が近づくと、二分咲きほどの桜や濃いピンクの桃の花などに春を感じる。集落を通り過ぎると十字路、右に赤鉢線、左にイノコイド線という二本の林道が分岐する。

阿多古川を渡り、熊集落を抜ける

桜が咲きはじめた道を行く

  滝分岐から10分ほど植林帯の狭い林道を行くと左に山路が分岐する。大きな道標と案内板とはいえ、分岐した路端に立っているのでぼんやり歩いていると見落としそうだ。

  十字路から沢沿いの雑木林の林道となり10分ほどで黒滝休憩舎に着く。林道から数十メートル先に見える黒滝に立ち寄る。落差5,6m位か、こじんまりした滝でわざわざ寄り道するほどでもない。

沢沿いの林道を黒滝休憩舎に向かう

  10分ほど山路を行くと未舗装の林道に出る。道標に従い渋川ツツジの群生地を経て30分ほどで、鳶ノ巣山の分岐に着く。鳶ノ巣山は静岡百山のひとつ、頂を踏んでおきたい山でもあり注意深く登山口を探していたので容易に見つけはしたが、分岐には小さな道標があるだけなので、うっかりしていれば見落としてしまうだろう。

鳶ノ巣山登山口を探しながら林道を行く

  山頂までの標高差は150m程度なのだが、一直線に登るためかなりの急登だ。傾斜がゆるむとほどなく三角点(669.5m)だが山頂はその先だ。三角点で戻る人が多いのだろうか、先に進むにつれ小枝が路に張り出していて歩きにくくなる。檜の幼木を鹿害から守るネットが切れると、ほどなく鳶ノ巣山山頂に着いた。樹木に囲まれ展望はなく、小さな山頂標柱があるだけだ。

鳶ノ巣山三角点、山頂はこの先

  われわれのすぐ後に来たご夫婦に集合写真のシャッターをお願いする。昼時だが展望もないので、しばらく休憩しただけで往路を林道の登山口まで戻る。登山口から静岡県と愛知県との県境まで600mほど、備えられたベンチとテーブルで昼食休憩とする。ベンチで食事中だった先のご夫婦に、次回コースの道路状況などをいろいろ教えた頂いた。

鳶ノ巣山山頂

  昼食後からは愛知県に入る。岐阜県境までの186kmの起点となる。ショウジョウバカマ咲く林道をしばらく行くと舗装道となる。やがて、林道をショートカットしアセビや椿・レンギョウ咲く里路を六本松に向かう。

  “六本松”と書かれたりっぱな標識は立っているが周囲に松は見当たらない。橋を渡り大島川沿いの舗装車道を15分ほど行き、トイレもある夏明橋の休憩所でひと休みする。

大島川沿いの舗装車道を行く

 橋を渡っても相変わらずの車道歩きである。緩やかにカーブする旧道のすぐ隣に真っ直ぐな新道(必要なのか?)が造られている。休憩舎は旧道沿いにあるようだが、休んだばかりなのでそのまま新道を行く。Gさんひとり忠実に自然歩道を歩く。

新道と平行の閉鎖された旧道を歩くGさん

  鳳来イーストヒルゴルフ場に沿って県道442号線をしばらく行くと農地が広がり人家が目立ちだす。やがて巣山の交差点、車用の道標はT字路となっていて、左“阿寺の七滝”右“大野”だけ、直進する道は描かれていないが、東海自然歩道は直進する狭い車道を行く。T字路に建つ無人の雨量観測所脇の広場でひと休み。

巣山交差点に向かって県道を行く

  観測所を後に、狭い車道を数百メートル行って左の山路に入る。しばらくすると阿寺川源流に沿った緑豊かな路となり、長い車道歩きから開放されホッとした気分になる。

阿寺川源流に沿い、阿寺の七滝目指す

木の根の剥き出た急坂を下り阿寺の七滝へ

  源流を離れ階段路で小尾根を越え、滝つぼめがけて木の根が剥き出た急斜面を下る。階段や手摺が設けられていて危険はないが、疲れた脚に油断はできない。

  滝つぼの縁に降り立ち仰ぎ見る滝はみごとだ。ゆっくりと休憩したいところだが既に14時半に近い、、三河大野駅 15:58 に乗るには先を急がねばならない。これを逃すと次は1時間20分後だ。各自それぞれに写真を撮ってすぐに出発。

阿寺の七滝

阿寺川沿いの遊歩道(後方を行くH.K.さん)

  観光客と一緒に、滝下流の沢沿いに遊歩道を下る。すれ違う観光客も多い。芽吹きはじめたやわらかな緑の渓谷美を眺めながら、なんの疑いももたず、人の流れについて行ったのが間違いの元だった。

  いつも地形図を片手に先導してくれるH.K.さんがここでは、地図も持たず後方を歩いている。しばらくしてH.K.さん、地図を取り出し「いつまでも渓谷沿いを歩くのはおかしい」と言い出す。私もすぐに地形図を出して確認すると、滝から数百メートルの辺りで東海自然歩道は遊歩道から分岐している。先導隊はだいぶ先に行ってしまったので、とりあえず追いつくことにする。

七滝口駐車場

  遊歩道が県道と出合う辺りの駐車場で先行したメンバーが待っている。七滝口バス停もあり、このまま県道を行ってもゴールの三河大野駅に行けるが、大幅に東海自然歩道を外れるし車の通りも多そうだ。予定の電車には乗れなくなるが、意を決して戻ることにする。

  戻りは若干の上り勾配、なかなか分岐に着かない。すれ違う人に「また行くんですか?」と声をかけられ「も一度見たくなったので・・・」と応える。十数分戻ってようやく分岐の道標が目に入る。

この道標を見落とした

  阿寺川を渡り、流れ込む別の沢を遡行して鉛山峠に向かう。「急いでも予定の電車には間に合わないのでゆっくり歩こう」と、声をかけるもさしてスピードは落とせないようだ。猿滝を左に見てしばらくすると沢を離れひと登り、未舗装の林道に出ると鉛山峠の道標が立っている。

  峠でひと休みして先に進むと山路が分岐する。しばらくするとまた林道、そして再び山路と、道標にしたがって下って行く。新しい林道が入り組んでいるせいか地形図読みの達人H.K.さんもてこずっているようだ。時間はたっぷり、少しおかしいと感じると戻って再度、道標を確認するなど慎重に歩を進める。けっこう急な山路を下ると睦平の集落に入り、すぐに県道505号線にぶつかる。結果としては道標を見落とさなければ迷うことはないと思われる。

阿寺川に流れ込む沢を遡行する

急坂を下ると睦平は近い

  県道を200mほど歩いて右折、かつての秋葉街道で坂を登り切ると二体の古い石仏が安置されている。大野に向かって下っていくと、学校の校門前に出た。真新しい表札に“新城市立東陽小学校”とある。鳳来町も平成の大合併で新城市に吸収されたのだろう。

峠の地蔵が迎えるかつての秋葉街道

  路地裏のような道を抜け大野の中心地に出たが人通りはまったくといっていいほど見当たらない。東海自然歩道は、通りに出たT字路を右折して(右写真の奥方向)鳳来寺山に向かうのだが、われわれは、左折して(写真手前)本日のゴール 三河大野駅に向かう。

人通りのない大野の中心地

  宇連川を渡ると目の前が三河大野駅だ。電車待ちが1時間近くある。近くのラーメン屋でミニ宴会、カウンター5席、座敷6席を占有してのミニ宴会は、ことのほか楽しかった。終盤ののんびり歩きと共に、道迷いもまさに“怪我の功名、充実した一日だった。

三河大野駅

更新日:2013/08/25