【東海自然歩道 No.15】春埜山コース

シリーズ  静岡百山        前  
シリーズ  東海自然歩道    前  
山 名  鳥居沢山、春埜山(はるのさん)
山行日  2007年3月10日(土)
同行者  グループ・せせらぎ 8名
歩行時間  7時間(休憩含む)
コース 平松峠→鳥居沢山→大光寺→春埜山→大時→新宮池→犬居城址→下島バス停
関連情報                          アクセスカウンター
1/2.5万地形図 ▼家山 [北西]  犬居 [北東]  犬居 [北西]
ガイドブック  東海自然歩道 日帰りハイキング〈1〉高尾山‐奥三河
  武村岳男著 山と渓谷社 1994
交通 ▼ジャンボタクシー料金:金谷駅⇒平松峠 ¥10,910
  金谷タクシー:0547-45-2151
▼バス料金:下島⇒秋野不矩美術館前 ¥630
  遠州鉄道バス天竜営業所:0539-25-2125
▼天竜浜名湖鉄道:二俣駅⇒掛川駅 ¥610
推薦HP ▼1997/10/10-東海自然歩道{家山−大時}
行 程
場 所 着時刻 発時刻
 平松峠 8:21 8:30
 鳥居沢山 9:33 9:38
 大光寺 10:18 10:37
 春埜山 10:45 10:48
 大時(迂回路合流) 11:36
 新宮池 13:00 13:10
 県道58号出合 14:05
 瑞雲院 14:21 14:25
 犬居城址 14:45 14:50
 秋葉神社下社 15:13
 下島バス停 15:28 15:32

 静岡駅発 7:00のJR東海道線に本日のメンバー8名がそれぞれ最寄り駅から乗り込む。金谷駅着 7:33、予約したジャンボタクシーで前回ゴール地点の平松峠に向かう。標高570mの平松峠に 8:21 到着(\10,910)。身支度を整えタクシーの運転手さんに集合写真を撮ってもらって8時半、出発する。

  平松峠から川根町と春野町の町境の路を北に向かう。ほとんど平坦な雑木林の路は、よく整備され踏み込まれていて歩きやすい。ゆるやかな登り勾配でコブを越えると林道に出る。

  正面にこれから向かう鳥居沢山が見える。林道右に沿った尾根路を登って行く。道標も多く迷う不安はまったくない。左にこれから向かう春埜山大光寺が見える。杉と雑木の混合林の尾根路を行き、雑木林の路端にはイノシシに掘られたと思われる穴が目立つ。

鳥居沢山に向かう登山路

正面に鳥居沢山、林道脇の登山路を登る

平松峠

  急登をひと登り、鳥居沢山の山頂に着く。大日山金剛院 4.1km、春埜山大光山 1.9kmの道標に小さな字で“鳥居沢山 931m”と表示されているだけの山頂、ベンチとテーブルが設置されているが、樹木に囲まれ展望も無く寒い。地形図には三角点が記されているが見当たらなかった。早々に山頂を後にする。

  鳥居沢山山頂から1,2分、東側の樹木が伐採されていて、裾野を広げた真っ白な富士山が見える。少し下って登り返すとこちらのピークの方が10mほど高い。“春埜山大光山 1.6km”の道標が立っている。このピークから尾根が三方に分かれ、西に向かう尾根に直角に進路を変える。

鳥居沢山山頂

鳥居沢山山頂付近より富士山

春埜山奥之院

  あまり手入れされていない植林帯の中、丸太土留の階段路をどんどん下る。ピークから10分ほどすると春埜山奥之院、さらに数分下ると未舗装の林道に出た。“東海自然歩道入口”と書かれた標柱とりっぱな案内板が立っている。春埜山大光山まであと1.3kmの道標も立っている。

  未舗装の林道を5分ほど行くと舗装された林道に出た。右(北側)には、麻布山、高塚山、京丸山と思われる北遠の山々が連なり、その奥に少しだけ頭を出した真っ白な頂も見える。南アルプスの山だろう。

東海自然歩道入口の標柱が立つ林道出合

 林道脇には、あちこちにフキノトウが芽を出している。山菜に目がないMさんが次々と摘んでいく。他のメンバーも「ここにも、あそこにも」と春の息吹を楽しんでいる。

道端のフキノトウを摘み

大光寺の鳥居

本堂脇の大杉

春埜杉

  車道とV字状に参道があり、バックするかたちで鳥居をくぐると展望台やトイレがある広場に出た。展望台からは、幾重にも重なった北遠の山々が一望できる。

  大時への林道が右に分岐している少し先に、大光寺の鳥居が見える。お寺に鳥居?、調べてみると、明治の神仏分離令という宗教政策の嵐をくぐりぬけ、神仏習合を貫き通した大光寺は、今も神社の機能も兼ねたお寺なのだそうだ。

 さらに奥に行き山門を出て急な石段を下ると1300年前の開山当時に植えられたという大杉がある。静岡県天然記念物の“春埜杉”だ。傍らの案内板によると樹高43m、目通り14mだそうだ。

  本堂をお参りし、脇の大杉をよく見ると根元は3つに分れ中間辺りで2本が一体となっている。勝手に“三角関係杉”と名づけみなで大笑いする。

 鳥居まで戻りそのまま真っ直ぐ東海自然歩道の本道を進む。案内板によると、大光寺手前で右に分岐する大時への車道は迂回路だそうだ。鳥居から5分ほど行くと左に電波塔が建ち、その後に春埜山山頂があり、路がついている。

電波塔の後ろに春埜山

  2,3分で樹林に囲まれた山頂に着く。二等三角点のすぐ脇に“春埜山 883m”の小さな山頂表示板がある。帰宅後、“静岡百山”の春埜山を調べると、標高872mとなっている。これは大光寺境内の標高点(標石なし)であり、本堂辺りを指しているのだろう。

  林道に戻り、5分ほど行くと右に山路が分岐する。新宮池まで8.1kmと表示されている。10分足らずで再び林道、今度は“大時1.7km”の道標だ。しばらくするとまた山路、東海自然歩道は林道でぶつ切りにされているようだが、道標がこまめに立っているので迷うことは無い。

春埜山山頂

林道から山路分岐、新宮池8.1kmの道標

  再々度、舗装林道に出ると大時集落に入る。大光寺手前で分岐した迂回路はここで合流する。大光寺まで本道は3.3km、迂回路は6.9kmの道標、何のための迂回路なのか? 
  迂回路と合流してすぐに瓦屋根の大時休憩舎、昼飯時ではあるが日当たりが悪いので先に進む。

大時集落に入る

  大時集落の道は南斜面にほぼ水平に造られていて、明るく開放感がある。振り返ると春埜山の電波塔がはるか彼方に見える。わずか1時間ほど前までそこにいたとはとても思えない。
 車道といっても車はほとんど通らない。道幅が膨らんでいるところで、春の陽を浴びながら昼食とする。

道幅の広がったところで昼食休憩

  ピラミダルな高塚山の裾野を回り込み砂川(いさがわ)集落を経てしばらくすると車道から山路が分岐する。大きな案内板が立っている。新宮池への路だ。距離1km、標高差は100m、久しぶりの登りはけっこうきつく感じる。

車道から分岐する新宮池への路

  分岐から15分ほどで新宮池に着く。冬の池は人影も無く静まり返っている。「キャー!!」突然、Uさんの悲鳴。道の真ん中に掌を一回りほど大きくしたガマガエル。それも重なり合ってピクリとも動かない。辺りを見回すとあっちにもこっちにもいるようだ。焼き石でこの池に棲む大蛇を追い出したとの伝説があるそうだが、それでカエルはわがもの顔なのだろうか。

新宮池

  新宮池を後にすると再び車道となる。犬居城址まで7.5kmの道標が立っている。茶畑の広がるのどかな車道をひたすら下る。和泉平の集落を過ぎしばらくすると通行止めの表示、迂回路の案内板が出ているが歩きであれば通れるだろうとそのまま進む。

茶畑の広がる車道を行く

通行止めの道をひたすら下る

  山裾を回り込むように歩いて行き、高森の集落辺りで工事現場に出合う。歩きどころか車も通れそうな小さな工事だ。人は見当たらない。土曜日なので休みなのだろう。なんとものんびりした雰囲気だ。

  工事現場を通り抜け急坂を下っていくと県道58号(袋井春野線)に出る。既に14時を回っている。道標に犬居城址2.5km(70分)とある。城址からゴールの秋葉神社バス停までは20分ほど、最終バスは15:33発、なんとか間に合いそうであるが、のんびりはできない。

県道58号線

  県道を1kmほど行くと国道362号線に出る。最終バスの通る道だ。これを5分ほど行くと、犬居城主天野家代々の墓地のある瑞雲院、新宮池を出て既に1時間以上歩き続けてる。最終バスに間に合う見通しもついたのでひと休み。

瑞雲院

  瑞雲院を後に気田川に架かる犬居橋を渡るとすぐに犬居城址への路が分岐する。“犬居城址0.8km(35分)”の道標が立っている。最終バスまで1時間ちょっと、コースタイム通りに歩けば間に合うのだが、どうしても急ぎ足になる。けっこうな急坂、すでに6時間ほど歩き続けている上、時間を気にしての登りはかなり辛い。

犬居橋より犬居城址の行者山を望む

  いかにも城跡の風情漂う苔むした路を登り詰めると、徳川家康によって攻め滅ぼされた犬居城跡に着く。山頂の望楼からは、気田川を中心にした一帯が眼下いっぱいに広がり、絶好の物見の場所だったことが窺われる。

山頂望楼からの展望

  城跡を後にラストのワンピッチ、下ったり登ったりを繰り返しながら尾根路を徐々に下って行く。鳥居をくぐり西領家の集落に下り立つ。道標に従い10分ほど行くとゴールの秋葉神社前バス停に着いた。20分ほど余裕があるので、次回のことを考慮し2つ先のバス停(坂下)、秋葉山登山口まで歩くことにする。

犬居城址を後に行者山を下る

 下島バス停を過ぎ、車道から表参道が分岐するところまで来ると通行止めの看板が出ている。秋葉山登山口の朱塗りの九里橋がすぐそこに見える。九里橋を今日のゴールとして集合写真を撮りたいところだが、最終バスがどうなるのか分からず、大急ぎで戻ることにする。

 下島バス停まで戻ったところで地元の方に聞くと、「バスはここでUターンする」と聞き一安心。下島バス停を本日のゴールとして集合写真を撮り終えるとすぐにバスがやって来た。

下島バス停

更新:2013/03/14