【東海自然歩道 No.13】高根山コース
藤枝駅 7:57発の蔵田行きのバスに途中から乗り込み、今日のメンバー11名と合流する。蔵田バス停 8:45着、ここには洒落たトイレもありゆっくり身支度を整え出発。蔵田は藤枝市最北の集落。標高は400mを超えている。高根山は、“お高根さん”の敬称で崇められている。
バス停から数分、静岡県指定の天然記念物“鼻崎の大杉”を入れてスタートの集合写真、樹齢700年の大杉の傍らに常夜燈が据えられている。これから向かう高根白山神社の表参道入り口であり、東海自然歩道はこの参道を行く。広々した茶畑の中、簡易舗装された参道を少し登ると植林帯となる。展望のない道をしばらく行くとトイレのある広場に出る。北東面が切り開かれ、蔵田の集落が俯瞰できその彼方には焼津の高草山が望める。
蔵田手前のバス通りから高根山
参道を少し登り、鼻崎の大杉を見下ろす
広場のすぐ先でマルガシ方面に向かう林道が右に分岐する。しばらく行くと右に神社の御手洗、その直ぐ先に杉の巨木に囲まれた高根白山神社が見える。800年前、加賀の白山神社から分霊され、江戸時代前期の建築様式を現代に伝える貴重な文化財である。御手洗のところからV字状に山頂への登山路が分岐している。
高根白山神社
高根白山神社にお参りしから山頂へ向かう。ようやく山歩きらしい路となるがひと登りで電波塔のある山頂の一角に出る。杉の大木の間の平坦な路を少し行くと高根山山頂。南面の樹木が切り開かれていて、高尾山から菩提山へと連なる山並みが目の前に広がる。反対の北側に少し下ると、やや霞んだ富士山、その左に安倍奥の山々、さらに七ツ峰、大無限から真っ白なイザルガ岳・光岳の大展望が望める。
ゆっくりと展望を楽しみ山頂を後にする。西の尾根路を行くと直ぐにマルガシへの路を右に分け、さらに高根白山神社からの巻路を合わせ以後、東海自然歩道は秋葉街道がコースとなる。合流後、少し下るとベンチとテーブルが置かれた展望台に出る。2年ほど前まで山頂は、樹木に囲まれまったく展望がなかったので、それまでは格好の休憩場所であったが今は、正面に高尾山が見える程度でありその役目は終わったように思われる。
山奥の秋葉街道にも自然破壊の林道が
高根山から続く快適な登山路
秋葉神社の参詣道である秋葉街道は、昔から多くの人に歩かれてきた。そのためよく踏み込まれた尾根路は幅も広く歩きやすい。路傍には石仏も残り、落ち葉の降り積もった自然林の気持ちよい路が続く。林道が右すぐ下に見え、しばらくすると林道と山路が入り組むがどちらを行っても同じ、やがて休憩舎のある展望広場に出た。高根山頂の景色に勝るとも劣らない南アルプス前衛の山並みが眼前に迫る。
展望広場を後にするとすぐに林道歩きとなる。15分ほど林道を行くと再び山路(秋葉街道)が分岐し、東海自然歩道の大きな案内板が立っている。“五堂辻”と呼ばれる西向の辻で、数体の石仏が置かれている。分岐から100mほどで西向の吊橋、袂のベンチで昼食休憩とする。今回も手分けしてお汁粉をつくる。
石仏が置かれた西向の辻
吊橋を渡ると笑い仏まで1.7kmの道標、右すぐ下方にトイレがある。相変わらず杉林の歩きやすい路を行くと伊久美への路を左に分ける。角に自然石の古い道標が立っている。傍らの石仏は小さな社の中だ。少し先の路傍に置かれた石仏は風化・苔むし秋葉街道の雰囲気を伝えている。分岐から10分余り、笑い仏の休憩所でひと休み。
苔むし風化した秋葉街道の石仏
笑い仏と呼ばれた石仏の前を通ると誰もが笑い転げたという。案内板の伝説を読み、昨年アメリカで発売された腹を抱えて笑い転げる“笑い人形”を思い出した。
笑い仏からは南に方向を変え、熊廻り平をを経て上河内集落の茶畑の中、作業道を縫いながら身成川に向けて一気に下る。付近一帯は川根茶の産地、一面広がる緑の中、身成川沿いに駿遠橋まで7kmほどの舗装道路をひたすら歩く。
一面に広がる川根茶畑を下る(画面左に身成川)
駿遠橋を渡った辺りでタクシーを呼び、川根温泉に向かう予定だったが、家山付近にタクシーはなく温泉を断念。野守の池で時間調整し大井川鉄道 家山駅から帰路につく。
高根山頂
行 程 | |||
場 所 | 着時刻 | 発時刻 | |
蔵田バス停 | 8:45 | 8:52 | |
鼻崎の大杉 | 8:55 | 9:01 | |
高根白山神社 | 9:43 | 9:48 | |
高根山 | 10:00 | 10:23 | |
西展望台 | 11:07 | 11:23 | |
西向吊橋 | 11:43 | 12:18 | |
笑い仏 | 12:54 | 13:05 | |
上河内 | 13:44 | − | |
駿遠橋 | 15:12 | − | |
家山駅 | 15:30 | 16:32 |
関連情報 | |
1/2.5万地形図 | ▼伊久美 [北東] 伊久美 [北西] 伊久美 [南西] 家山 [南東] |
ガイドブック | ▼東海自然歩道 日帰りハイキング〈1〉高尾山‐奥三河 武村岳男著 山と渓谷社 1994 |
交通 | ▼バス料金:藤枝駅⇒蔵田 ¥860 |
推薦HP | ▼1997/09/14-東海自然歩道(蔵田−家山) |
本日のゴール 家山駅(大井川鉄道)
更新日:2013/08/25