待たせたバス、駆け込み前にゴールの一枚

【東海自然歩道 No.12】清笹峠コース

　 静岡駅前５番乗場(藁科線）から7:02発のバスに乗る。途中、２名のメンバーを加え、継歩地点の寺島バス停着7:46。スタートの集合写真を撮ってバス通りを10分ほど戻り、対面の尾根を目指しＶ字状に右の小道に折れる。直ぐに藁科川に架かる吊橋を渡り、ひんやりとした清々しい空気の中、集落を抜けて行く。みごとに手入れされた茶畑から山路に入る。"久能尾 3.1Km　90分" の道標脇からゆるやかな山路を登りはじめる。

　 しばらく登り振り返えると、みごとに手入れされた茶畑がうっすらと霜に覆われ、朝の柔らかな光の中に広がっている。なんとも幸せな気分になる山里の風情だ。茶畑が切れると比較的手入れの行き届いた植林帯の路になる。

　 30分ほどで尾根に出ると、樹林が切り開かれた明るい茶畑となる。再び樹林帯の落ち葉の積もる路を抜けると大きく展望が開け、朝焼けの空に谷間に雲を漂わせた山並みのシルエットが美しい。

　 山路のＴ字角にお地蔵様が祀られている。直進する旧川根街道の名残だろう。左に曲がり久能尾に向かう。

　 15分ほど急坂を下ると、眼下に久能尾集落が見下ろせる墓地の裏に出る。今日のメンバーH.K.さんの里方のお墓の直ぐ後ろを通り抜け、さらに５分ほど下ると突然、人家脇の国道に出た。国道は本川根の千頭に至る362号線、この道路が開通するまで尾根をたどる旧川根街道が使われていたそうだ。

　 久能尾でひと休みし、黒俣川沿いに清笹峠に向かう。延々と続く舗装道路だが、澄んだ急流が岩を噛む黒俣川を見ながら歩ける道は、ウォーキングとして悪くはない。戸平、中村の小集落を経て板野の集落に達するとイチョウの大木が立っている。樹齢約500年、樹高20ｍ、目通り8.3ｍの大木、県天然記念物の黒俣の大イチョウだ。

　 車道を離れ、案内板に従い小路を急登すると大イチョウ前の小広場に出る。東屋のある休憩地だ。前回登った大山の鉄塔がずいぶんと遠くに見える。休憩後、大イチョウの前を通り抜け車道に戻り、再び清笹峠に向かう。高度が増すに従い道の両脇に残雪が目に付くようになる。大イチョウから小１時間、清笹峠に到着する。

　 峠の標高は621ｍ、ベンチひとつなく道路標識でそれと分かる程度だ。とても休憩したくなるような雰囲気ではないが、昼時でもありＴ字に分岐する車道の陽だまりに店を広げて昼食休憩とする。前回と同じく、今回のコースも東海自然歩道歩きでは比較的余裕のある行程ということで、12回目にしてはじめてお汁粉をつくることにする。ジッとしていると寒くなる中での餅入りのお汁粉は、ことの他美味しく、みな大喜び。

　 清笹峠を後にするとしばらくアップダウンが続く。視界の利かない単調な車道歩きは辛い。足の裏が痛くなる。清笹峠から３kmほど行くと視界が開け舟ヶ久保集落が見下ろせる。視界が開ければ車道歩きもさほど悪いものではない。のんびりと下っていたが、道標に示される蔵田までの距離からすると、急げば午後２時過ぎのバスに間に合いそうである。次のバスは１時間40分後、意に反し今回もラストスパートをかけることになってしまった。

更新日：2013/08/25