東海自然歩道 No.10】竜爪山・油山峠コース

シリーズ  静岡百山        
 東海自然歩道      
山行日  2006年11月18日(土)
同行者  グループ・せせらぎ 11名
歩行時間  8時間46分(休憩含む)
コース 大平BS→やませみの湯→穂積神社→竜爪山→若山→曙橋→油山温泉→油山峠→相沢橋

 10回目となる東海自然歩道継歩の旅、今回はメンバーの多くが住む静岡市のシンボル的山である竜爪山を越えて行く。通常は、安倍川に下山した牛妻をゴールにするようだが、その後の行程を考慮し、油山峠を越え足久保川まで行くことにする。今回も、全行程24.5km、コースタイムで8時間を超す長丁場である。

 JR興津駅に7時集合、ジャンボタクシーで大平バス停に向かう。前回、懐中電灯頼りに歩いてなんとか最終バスに間に合った大平バス停を囲み集合写真を撮ってスタート。

興津川に沿って南下

  しばらく行くと大岩の上に火の見櫓が建っている。今では珍しい火の見櫓、それが大岩の上に立っているのだから嫌でも目を引く。続いて山裾の農家の脇に真黄色に色づいた大銀杏、失われつつある日本の原風景を見るようだ。

  東海自然歩道は興津川右岸の県道を南下する。なるべく車道を避け吊橋を左岸、右岸と何度か渡り返しながら興津川を南下する。ひんやりした空気の静かな山村を流れ下る川面は朝日に輝き、澄んだ水に鮎の群れがよく目に付く。

大岩の上に火の見櫓

  八幡温泉を経て、竜爪山から流れる黒川が興津川に合流する地点で右折、興津川を離れ黒川沿いに西に向かう。10分ほどで“西里温泉 やませみの湯”に着く。ここから合流する3名を加え、本日の全メンバー11名が揃う。一休みした後、改めて集合写真を撮って竜爪山に向かう。メンバーのほとんどは、数回以上竜爪山の頂を踏んでいる馴染みの山であるがこのコースを歩くのは、はじめてのメンバーがほとんどだ。

 “やませみの湯”付近一帯に開発された清水森林公園“やすらぎの森”を抜け、黒川沿いに舗装道路を行く。色づきはじめた渓谷を右岸左岸と何度か渡り返しながら1時間ほど歩くと左に登山路が分岐する。

黒川沿いに車道を行く

西里温泉 やませみの湯

 分岐で一休みして山路に入る。沢沿いに10分ほど遡上すると、沢から離れ植林帯の尾根の急登となる。寒波が来ていてなかなか温まらなかった身体から一気に汗が吹き出る。30分近く急登に喘ぎ林道に出た。左に上って行けば林道で穂積神社に行けるが、道標は右を指している。右に数分林道を下ると左に穂積神社への山路が分岐する。よく手入れされた植林帯の路をひと登りすると広々した穂積神社の境内に出る。


 竜爪山に登るのに最も利用される平山からの登山路が合流する穂積神社からは、私を含めみな何度か歩いている路だ。境内からみごとな老スギの大木が続く路を進むと石垣だけを残した旧社殿に出る。さらにしばらく行くと右に建設現場の足場のような金属製の階段が分岐するが、そのまま山路をいく。よく手入れされた植林帯の急坂をジグザグを切って登る。

金属製階段路を避け、植林帯の急坂を登る

車道を離れ沢沿いの山路へ

  ほどなくして階段路と合流。今度は丸太土留の階段路、ほどよく色づいた雑木林の急登が続く。俵峰からの路と合流する地点にはベンチが置かれ、正面に富士山が大きく見える。そこから100mほど行くと双耳峰の一方、薬師岳山頂。いったん下って登り返すと本日の最高点文殊岳に着く。富士山から駿河湾まで見渡せる山頂には、たくさんのハイカーが休んでいる。

やはり自然林の路がいい

  普通なら山頂でのんびりしたいところだが先は長い。20分ほどで昼食を終え、牛妻に向かう。スギ林の中、尾根の急下降の路を5分ほど下ると、左に則沢の路が分岐する。延々と続く植林帯の路、桜峠への路を左に分けひと登りすると山頂はすぐだ。文殊岳から40分ほどで若山山頂に着くが、杉林に囲まれ展望はない。

竜爪山(文殊岳)山頂

延々と続くスギ・ヒノキ林

  再び急坂の杉林、手摺代わりにロープの張られたジグザグ路を10分ほど下ると樹林が切れ明るくなりホッとするが、送電線鉄塔を過ぎるとまた植林帯だ。よく手入れされているとはいえいい加減嫌になる。花粉の時期でないのがせめてもの慰めか。

  樹間に安倍川が見えるとほどなくして茶畑に出て大きく視界が開けうれしくなる。眼下に安倍川を見ながら少し下ると農道に出る。ここでひと休みして茶畑の舗装農道を曙橋に向かう。うっとうしい樹林帯を抜け、すっかり開放された気分で茶畑の中を縫うように下る。梅ヶ島街道を横断すると安倍川に架かる曙橋はすぐそこだ。

うっとうしい植林帯から開放され茶畑を下る

  曙橋袂の牛妻バス停から静岡駅に戻る初参加のN.M.さんを見送り、安倍川右岸に向かう。橋を渡り人家の間の細い車道を通り抜け、油山川沿いに山間の道を2kmほど行くと油山温泉に着く。3軒ある湯宿の一番奥にある元湯館を過ぎ200mほど進むと、車道から左に登山路が分岐する。

油山温泉

  油山川を渡り油山峠に向かう。樹林の中に吸い込まれるような路はあまり歩かれていないようだが、道標もあり迷う不安はない。渓流を飛び石や木橋で渡り、急登を登りきると峠状の山稜に出る。地形図には記されていないが地元では油山峠と呼ばれている。植林帯で展望はないがベンチが置かれている。ここから相沢橋までは下り勾配、コースタイムで1時間ほどだ。

油山峠に向かう

  峠からの下りは意外に厄介だ。路は細く急勾配の上、ザレていて滑りやすい。すでに歩きはじめて8時間、竜爪山を越えてきた脚には厳しい下りだ。慎重に下って林道に出ると思いもかけない瀟洒なホテルが建っている。そこから数分歩いたところの道標を見て驚いた。“谷沢3.0km 80分”と記されている。既に16時を回っており、十分間に合うと思っていた16:40発のバスに間に合わないではないかと不安になる。

山路を抜けると突然瀟洒なホテルが

  しかし、下り勾配の舗装道路、ガイドブックには30分と書いてあるので普通に歩いても間に合うはずだ。みなにもそう伝えながらも、少々急ぎ足となる。やはり道標の時間はあまりにオーバー、足久保川に架かる相沢橋を渡り、十分余裕をもってバス通りに出た。右に曲がれば900mで谷沢だが本日は、相沢橋までとしてゴールの集合写真を撮る。車道を左に曲がり200mほど先の栗島バス停からバスに乗り、静岡駅に向う。

本日のゴール相沢橋

関連情報            アクセスカウンター
1/2.5万図 ▼和田島 [北西]  清水 [北西]  牛妻 [北東]
ガイドブック  東海自然歩道 日帰りハイキング〈1〉高尾山‐奥三河
  武村岳男著 山と渓谷社 1994
交通 ▼ジャンボタクシー 興津駅⇒大平バス停 ¥8,580
▼バス         栗島⇒静岡駅 ¥600
行 程
場 所 着時刻 発時刻
 大平バス停 7:34 7:42
 やませみの湯 8:39 8:50
 登山口 9:50 9:57
 穂積神社 10:48 10:56
 竜爪山(文殊岳) 11:53 12:15
 若山 12:58
 曙橋(安倍川) 14:15
 油山温泉(元湯館) 14:48
 油山峠 15:25 15:34
 相沢橋 16:28 16:32
 栗島バス停 16:38 16:42

更新日:2013/09/02