【高妻山】戸隠連峰の奥に聳える信仰の山

シリーズ  日本百名山     前  
山 名  高妻山
山行日  2006年7月31日(月)
同行者  グループ・せせらぎ 4名
歩行時間  8時間44分(山頂休憩除く)
コース 戸隠キャンプ場→一不動→五地蔵山→八丁ダルミ→高妻山→八丁ダルミ→六弥勒→新道(尾根コース)→戸隠キャンプ場

  朝食の弁当を受け取り、戸隠高原ホテルを4時半頃出発。前夜、ホテルの方に登山口までの地図を書いていただいたのだが、多少迷って登山口の戸隠牧場には5時近くになって着く。駐車場には10台ほどの車が停まっている。

  牧場ゲート脇から牧場に入りしばらく行くと、登山届けを受け付ける係りの方がいる。たった今、準備を終えたようだ。登山届けを出して少し行くと牧場を出て登山路となる。

登山口駐車場(戸隠キャンプ場)

  気持ちよい自然林の路を大洞沢沿いに10分ほど行くと最初の渡渉、以後右岸、左岸と何度も渡り返しながら遡上する。駐車場を出て小1時間、沢沿いの倒大木のところで朝食とする。

  食事を終え再び遡上、しばらくするとナメ滝のクサリ場。湿り加減の岩は多少滑りやすくはあるが、傾斜もゆるく距離も短かくさしたる苦労も無く通過。

戸隠牧場から行く手に見上げる五地蔵山

ナメ滝

帯岩(手前に垂れ下がるクサリ)

  ナメ滝から10分ほどで帯岩。岩場のトラバースなのだが、ユニークなクサリの取り付け方で有名な難所だ。1mほどの長さのクサリが1〜2mほどの間隔で暖簾状に垂れ下がっている。通常通りトラバース路と平行にクサリを張ってくれるほうがずっと安全な気もするのだが、暖簾状にしたのはなにか特別な理由があるのだろうか? 路幅は30センチほどありさして危険は感じないし、暖簾クサリの持ち替えも面倒なのでクサリを無視して歩こうかとも思うが、一歩間違えると怪我ではすまないのでクサリをつかみ慎重に通過する。

  帯岩から10分ほどで氷清水の水場。難所を越えたこともあり、冷たい清水がことのほか美味しい。ペットボトルの水も入れ替える。水場からひと登りで戸隠山から高妻山へ連なる主稜線の鞍部、避難小屋の建つ一不動につく。

一不動避難小屋

四普賢付近から左に見える高妻山

  一不動からは、信仰の山らしく樹林帯の尾根路沿いに丁目石と同じように、二釈迦・三文殊・四普賢と小さな石祠が五地蔵へと続いている。姿形よいピラミダルな高妻山を左に眺め、笹原の中を登りつめた前衛峰が五地蔵岳だ。高妻山はまだまだ遠い。

  五地蔵山を緩やかに下って、小さく登り返すと六弥勒。戸隠牧場への尾根路新道が分岐している。傍らの木立に案内ビラがビニール袋に入れられ括り付けられている。新道の事前情報は得ていないし、新道の地図もない。そのときはさして関心を示さず先を急ぐ。


  小さなピークを3つほど越え、八丁ダルミから一気に山頂へ向かう急登となる。岩角や立ち木を掴んでのよじ登り、少し登っては呼吸を整える難行苦行。

七観音:一目上がりに祀られている石祠

  ようやく長い頂稜の端に登り着き、緩やかな頂稜の岩場の路を行くとほどなく十阿弥陀、山頂はそこからほとんど水平に100mほど行った先だ。十数人のハイカーが休んでいる。


  山頂はまさに360度の大展望。西に白馬岳から五竜・鹿島槍へと連なる後立山連峰がよく見え、北には昨日登った火打山がしっかり確認できその右方、雲の中だった妙高山もしばらくの間顔を覗かせてくれた。

山頂直前、十阿弥陀付近の岩稜帯

高妻山山頂

  山頂で得た情報によると、少し前に下ったパーティーは、宿泊先の民宿で地図を渡され、六弥勒から新道を下るように薦められたそうだ。


  われわれは、往路を下るつもりだったが六弥勒の分岐で判断することにして下りはじめる。八薬師の辺りで先行者が確認でき、できれば直接、新道に関する詳しい情報を得たいと、若いG.M.さんに先行してもらうことにする。

六弥勒から分岐する新道案内書

  七観音のところで休んでいた先行者のご夫婦にわれわれも追いついたが、彼らは新道のことはまったく知らないとのこと。新道を下るのは、もひとつ前のパーティーのようだ。


  六弥勒の分岐にG.M.さんが待っていた。先行のパーティーに追いつき、新道のルート図も写させてもらったとのこと。あらためて立ち木に括り付けられた“戸隠牧場への尾根道(約2時間)”と書かれた案内書を見ると、新道開拓者の連絡先も書かれており、信頼性の高いものと判断でき、新道を下ることにする。先のご夫婦もわれわれと一緒に新道を下ると言う。

  開道初期なので切り株に注意しなければならないが、フワフワと心地よいクッションの脚に優しい路だ。迷う心配はまったくないほどしっかり切り開かれており、傾斜のきついところはあるものの、往路を下るのに比べたら危険はほとんどないに等しい。疲れがたまり注意力の衰える下山の終わり近くにある帯岩やナメ滝は登りより難度を増すのは間違いないからだ。新道開拓者の徳武和彦様のご苦労にただただ感謝する。

六弥勒から分岐する新道(尾根道)

関連情報                          アクセスカウンター
1/2.5万地形図 高妻山 [南東]   高妻山 [北西]
新道 ▼開道者 徳武和彦
▼連絡先 〒381-4101 戸隠越水ヶ原
▼メール hiko.toku@yahoo.co.jp
推薦HP 信州山遊びねっと 高妻山 2006年7月8日
 同山行記(新道否推薦)    同GPS新道ルート図
立ち寄り湯 信州・戸隠神告げ温泉
 tel:026-254-1126  9:00-21:00  ¥600
行 程
場 所 着時刻 発時刻
 戸隠牧場駐車場 4:55 5:05
 登山口(牧場ゲート) 5:19
 帯岩 6:34
 一不動避難小屋 7:03 7:09
 五地蔵山 8:03 8:10
 八薬師 8:49
 十阿弥陀 10:04
 高妻山山頂 10:11 10:42
 六弥勒 12:11 12:14
 牧場 14:05
 戸隠牧場駐車場 14:20

  新道の案内書通り約2時間で牧場にたどり着く。轍に沿って右に折れしばらく行くと牧場内の往路に出た。麓で待機したY.M.さんの出迎えを受け、14:20 無事下山。7年前にオープンした“戸隠神告げ温泉 湯行館”で汗を流し帰路につく。