【大室山、加入道山】緑滴るブナ、ブナ、ブナの稜線を歩く

シリーズ  山梨百名山      前  
山 名  大室山、加入道山
山行日  2006年5月28日(日)
同行者  グループ・せせらぎ 3人
歩行時間  6時間21分(休憩含む)
コース 用木沢出合→犬越路→大室山→破風口→加入道山→白石峠→用木沢出合→ウェル西丹沢→西丹沢自然教室
関連情報                   アクセスカウンター
1/2.5万地形図 中川 [北東]   大室山 [南東]  大室山 [南西]
  中川 [北西]
ガイドブック  ▼神奈川県の山 新・分県登山ガイド
▼マイカー登山【東名高速道】 山と渓谷社 1998  
交通 ▼静岡駅6:00→6:53沼津駅6:55→7:58谷峨駅
  休日乗り放題 ¥2600
▼西丹沢自然教室=バス⇒谷峨駅 ¥740
立ち寄り湯 ▼ウェル西丹沢 ¥525 内湯・露天風呂
地名(かな) 犬越路:いぬこえじ  加入道山:かにゅうどうやま
推薦HP 丹沢紹介-大室山、加入道山
行 程
場 所 着時刻 発時刻
 用木沢出合 8:55 8:56
 犬越路 10:14 10:35
 大室山 12:02 12:08
 西ノ肩 12:13 12:34
 破風口 12:59
 加入道山 13:24 13:30
 白石峠 13:43 13:45
 白石の滝展望台 14:11
 用木沢出合 14:55
 ウェル西丹沢 15:00 16:00
 西丹沢自然教室 16:17 16:20

  ひと月ほど前、焼山から姫次、神ノ川へと東海自然歩道を歩いたとき、行く手右側にどっしりした山容をもたげている大室山を見た。調べてみると、丹沢山塊で蛭ヶ岳、檜洞丸に次いで3番目に高い山だ。峰続きの加入道山への尾根筋はブナ林に覆われ展望より新緑や紅葉を楽しむコースとして推奨されている。みずみずしい新緑が輝くこの時期でも、訪れる人の少ない地味な山で、静かな山歩きが楽しめるという。

  前日の天気予報では明け方には雨がやむことになっていたが、JR御殿場線 谷峨駅に降りる頃になっても雨は止まない。谷峨駅で落ち合う予定のK.S.は、すでに車で待っていた。登山口に向かう途中、申し訳なさそうにK.S.が「事情があって今日は止める」と言う。

  西丹沢自然教室で雨支度をするつもりだったが、今日は檜洞丸の山開き、ちょうど式典の真っ最中。付近一帯は車がびっしり停まってる。整理係りの人が、外に張ってあるテントを使わせてくれたのでそこで雨支度を整える。K.S.に用木沢出合まで送ってもらい歩きはじめる。

広々した用木沢

JR御殿場線 谷峨駅(帰路撮影)

  小さな植林帯を抜けると明るく柔らかな緑の中の快適な路となる。傾斜はしだいにきつくなり、コシツバ沢を横切りやがて、クマザサが生い茂る狭い路の急登となる。雨具はズボンだけ、傘を差しての登りに背よりも高い笹は容赦なく上着を濡らす。雨具を着るか迷っているうちに犬越路に出てホッとする。

  用木沢出合から数分行くと立派な鉄製の橋で左岸に渡る。広々した河原を上流に向かうと、木橋が流され飛び石伝いの渡渉がある。昨夜来の大雨のこともあり多少不安になったが以後、木橋はしっかりと架けられ右岸へ左岸へと遡上する。

新緑の路を犬越路に向かう

犬越路 避難小屋

  半年ほど前に改築された避難小屋に入ると、6人ほどのパーティーがコンロを炊いて何か作っていた。われわれと反対の神ノ川から登ってきたと言う。甲府の方々で檜洞丸に登る予定だったが、雨が止まないのでここで引き返すそうだ。

  小屋を後にするとすぐ、ぬかるんだ路の急登に難儀する。しばらく我慢すると傾斜はゆるみ、ぬかるみや笹薮からも開放される。雨に濡れた鮮やかな緑の中にトウゴクミツバツツジのピンクが印象的だ。

  テーブルの置かれたピークからクサリで下り、登り返す辺りから緑豊かなブナ・ブナ・ブナの路となる。ほどなくして、前方から人の声が聞こえる。鹿避け柵の設置作業をしてるようだ。2,3人しか見えないが、登山路脇に10個ほどのザックが置かれていた。柵沿いに上り続け、ブナの林床にコバイケイソウの大きな葉っぱが目立ちだすとほどなく西ノ肩。ブナの大木の傍らに大きなテーブルが置かれた雰囲気のよい広場だ。

バイケイソウの葉が目立ちだすと西ノ肩は近い

大室山山頂

  西ノ肩を右に曲がるとほとんど水平移動5分ほどで大室山山頂に着く。樹林に囲まれ展望はない。山頂広場の中央に山梨百名山の標柱と三角点がある。記念写真を撮って、西ノ肩まで戻り昼食にする。

  西ノ肩を後にし、バイケイソウの群生地を木道で抜ける。ブナが林立する稜線の路は、薄霧が若葉の緑をグラデーションし心休まる雰囲気を醸しだしている。しかし、破風口まで一気に下る路は、土止めの階段が崩れ、かなり荒れている上、雨上がりで滑りやすくもありかなり神経を使う。

  風が吹き抜ける破風口と呼ばれる稜線の鞍部からゆるい登りが続く。路がなだらかになると加入道山山頂。そのすぐ手前に避難小屋が建っている。大室山同様、樹林に囲まれ展望はない。

加入道山山頂

植物保護の木道

鮮やかな緑の中にピンクの彩り

トウゴクミツバツツジ

  用木沢出合から少し下ったところにあるウェル西丹沢の露天風呂でバスの発車時間に合わせて汗を流し、西丹沢自然教室からバスで谷峨駅に向かう。

  山頂を後にトウゴクミツバツツジが咲く路を白石峠に向かう。峠で左に折れ、樹林の中の急坂をジグザグに下る。峠付近から白い岩が目立ちだす。大理石だそうだ。白石の滝展望台を過ぎるとほどなく沢筋に出る。ザレた河原歩きから林道となり、舗装に変わると用木沢出合いは近い。