【猿山】猿しか棲まないといわれた深山を行く

シリーズ  静岡百山    前  
山 名  猿山
山行日  2006年3月18日(土)
同行者  グループ・せせらぎ 7名
歩行時間  4時間50分(昼食休憩除く)
コース 林道ゲート→黄金橋→登山口→猿山→805ピーク→諸坪峠→黄金橋→ゲート
関連情報            アクセスカウンター
1/2.5万地形図 湯ヶ野 [北西]
参考HP  2005/05/23-NEWS
立ち寄り湯 大滝温泉「天城荘」
湯の国会館
行 程
場 所 着時刻 発時刻
 林道ゲート 9:15 9:27
 黄金橋 9:43
 登山口 9:56 10:03
 猿山山頂 12:04 12:42
 805峰 13:25
 諸坪峠 13:46 13:48
 黄金橋 14:44
 林道ゲート 14:55 15:00

 猿山は伊豆半島のほぼ中央に位置し、天城峠の西約4kmに聳えている。昔は野猿が群棲し猿しか知らないといわれた山であり、今でもガイドブックの類はない。インターネットで調べても熟達者と思われる方の山行記が2,3目につく程度だ。荻ノ川林道終点ゲートから7kmほど林道を行き諸坪峠からの山頂往復なら容易そうだがそれではあまりに芸がなさ過ぎる。25000地形図には猿山の東に2本の登山路が記されている。これを登り諸坪峠へ下る計画を立てた。

  本日のメンバー7名が2台の車に分乗し、東名高速 愛鷹PAに7:45頃集合、河津のループ橋を下り左折、河津七滝を経て荻の川林道のゲートに9:15頃到着。ゲート前には数台分の駐車スペースがある。


  諸坪峠に向かって20分ほど林道を行き、黄金橋を渡ると直ぐ二本杉林道が右に分岐する。これをさらに10分余り行くと498m地点より登山路が分岐する。林道の左側の杉林の中のしっかりした路だ。地形図ではその少し先にも、もう一本路が分岐しているので念のため探したがはっきりとは確認できない。

林道ゲート前の駐車スペース

  読図能力に優れたH.Kさんが先導、ヤブコギを苦にせず感の鋭いS.Tさんが二番手、最後尾に地形図搭載のGPSを手にしたG.Mさんと万全の体制でスタートする。


  しばらく行くと、しだいに踏み跡が怪しくなるが目印テープがけっこう目に付き順調に歩を進める。右斜面の比較的しっかりしたトラバース路が突然途切れ、正面に深い谷が現れる。先導のH.Kさんが左間近に見える尾根に取り付こうと試みるも倒木などに阻まれ不可と判断、右の斜面を探索する。私は谷をそのまま進み目印テープを探すもまったく見当たらない。しばらくして「こっちでよさそうだ!」との合図あり、数十メートル急斜面をよじ登るとしっかりした路に出た。

急斜面をよじ登り路に出た

  地形図に記された2本の登山路のうち北側の路を辿ったようだ。行き着いた路を少し戻り、踏み跡は薄いがあえて路を離れ尾根を辿ることにする。踏み跡も目印テープも見当たらずときおりヤブっぽくもあるが順調に高度を稼ぐ。コブをひとつ越えて登り返す辺りから石楠花やブナが目立ちだし、たいへん雰囲気が良くなる。ほどなくして滑沢峠への主稜線に出たようだ。よりいっそう深山の佇まいを醸しだす路を一旦下り、登り返すと猿山山頂に着いた。

主稜線付近の深山を行く

  展望はないが樹木に囲まれ雰囲気の良い山頂だ。ゆっくりと食事をとり諸坪峠へ向かう。ベタ張りのテープに導かれて下りだすが明かに方向が違う。戻ってみると諸坪峠に向かう方向にも少しだがテープがありホッとする。山頂から諸坪峠への路はしっかりした登山路があるとの予想が外れ、登りと同様自分も地図と磁石を手に歩くことにする。

猿山山頂

  しばらく行くとブナの大木に続き苔むした横倒しの巨樹。斜め上方に枝を伸ばし葉を茂らせた姿に強い生命力や自然のドラマを窺い知る。あたかも名画を見たときと同じような感動が湧き上がり、えも言われぬ山歩きの醍醐味の一端に触れた気がした。

ミツマタ群生地を下る

  踏み跡や目印テープはけっこう目に付くのだがこれだけに頼るわけにはいかない。あきらかに違うと思われる方向に進んでいることもあり、早め早めに戻っては地図と磁石で方向を確認しながら進む。幸い、危険を感じるようなところもなく805ピーク下のしっかりした路に出る。

横たわり苔むす巨樹

  地形図では805ピークを巻いて諸坪峠への路が記されている。H.Kさんが少し下って諸坪峠への路を確認するも、そのまま稜線を辿り805峰を越えて行くことにする。確かな踏み跡があるわけではないが多少テープも目に付きまったく不安はない。ピークを越えてしばらく行くと先の路に合流、10分程度で諸坪峠に着いた。

諸坪峠への登山路(峠手前)

諸坪峠(正面奥の上り斜面が登山路)

  はじめは林道をのんびり下っていたが、半ば辺りからポツリときた雨の気配に競歩状態。諸坪峠からゲートまで7kmを70分で車に戻った。


  帰路、河津七滝入口の“天城荘”で温泉をと思ったが、一浴でも1000円とのことでパス。いつもの“湯の国会館”で汗を流し帰路についた。

更新:2013/03/14