【乾徳山】スリルたっぷり、氷雪の山頂岩峰帯
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山 名 | 乾徳山(けんとくさん) | |
山行日 | 2006年2月5日(日) | |
同行者 | OAA 15人 | |
歩行時間 | 6時間 5分(休憩含む) | |
コース | 駐車場→登山口→銀晶水→国師ヶ原→扇平→乾徳山→水のタル→国師ヶ原→銀晶水→登山口→駐車場 |
関連情報 | |
1/2.5万図 | ▼川浦 [北東] |
ガイドブック | ▼【山梨県の山】 山村正光 1993 |
▼アタック山梨百名山 山梨日日新聞社 | |
問合せ先 | ▼山梨市観光課 tel:0553-39-2121 ▼山梨交通(バス) tel:055-223-0821 |
立ち寄り湯 | ▼笛吹の湯 tel:0553-39-2610 ¥500 |
参考山行記 | ▼2005/05/21-乾徳山 |
行 程 | |||
場 所 | 着時刻 | 発時刻 | |
駐車場 | 10:44 | 10:49 | |
登山口 | 11:03 | − | |
銀晶水 | 11:35 | − | |
国師ヶ原 | 12:47 | 12:53 | |
扇平 | 13:20 | − | |
乾徳山山頂 | 14:25 | 14:40 | |
水のタル | 15:00 | − | |
国師ヶ原 | 16:02 | 16:02 | |
登山口 | 16:45 | − | |
駐車場 | 16:54 | − |
乾徳山は、奥秩父前衛のピラミッド形の独立峰で、岩峰の山頂からは360度の大パノラマが広がる。登山路はよく踏まれ、道標もしっかりしていて迷う心配はない。コースは、森林、草原、岩場と変化に富みハイカーを飽きさせない。
静岡市役所前 7:30発。遠方でハードな山の割りには遅い出発だ。富士川街道(R52)、雁坂みち(R140)を通り山梨市徳和の登山口駐車場に10:45着。リーダーがスパッツをつけたからだろうか、みなスパッツを付ける。このメンバーにあっては付和雷同の私、もちろんスパッツを付けて出発。
林道を緩やかに上ること15分ほどで、乾徳山登山口に着く。大きなガイドマップ掲示板が立ち、傍らに用済みとなった杖代わりの枝が何本も置かれている。
薄暗い杉の植林帯を抜け明るい潅木帯の路になる頃には身体も温まり調子が出てくる。いつになくゆっくりしたペースがありがたい。銀晶水を通過し明るいカラマツ林をつづら折れに高度を稼ぐ。冬枯れの自然林のなか快適な登りが続く。
登山口駐車場
路の両側に笹が目立ちはじめるとだんだん傾斜が緩やかになりしばらくすると、冬枯れの木立の正面に乾徳山の姿が見えるようになる。明るい陽だまりで昼食休憩とする。気温は氷点下5℃以下と思われる。風が無いので寒さはあまり感じないが手は冷たい。Tさんが全員に温かいトン汁をふるまってくれた。朝作り、大きなポット2つに入れてきたもので、何よりのご馳走だ。ただただ感謝。
笹が目立ちはじめると国師ヶ原は近い
登山口
昼食を終えしばらく行くと、カチンカチンに凍りついた登山路。これを笹の中に避けながら進むとほどなく国師ヶ原に出る。広々したカヤトの草原で、乾徳山の岩峰や金色に輝く扇平の草原が望まれる。
国師ヶ原より乾徳山
扇平に向かって草原の中をジグザグに登る。みかけよりもきつい登りだ。しばらくすると大きく裾野を広げた富士山が見え、南アルプスも姿を現す。国師ヶ原から30分ほどで稜線上の扇平に着く。
乾徳山に向かって扇平を行く
青空の下、明るいカヤトの草原の中、正面に山頂を見ながら凍りついた路を行く。樹林帯に入ると岩がちの氷雪の路となり、慎重に足場を選びながら進む。
樹林帯の氷雪に覆われた岩がちの路
やがて本格的な岩場となる。岩の間を抜けたり、クサリで大きな岩を乗り越えて行くと、ほぼ平坦な路に戻る。左手西側の展望が開け、いっそう見ごたえのある富士山、南アルプスの展望が広がる。左前方にはシラペ平越しに真っ白な金峰山の頭が覗き、五丈岩がポツリと黒く見てとれる。
岩場を行く
真冬の好天、抜群の展望、適度なスリルを楽しみながら進むと、うわさに聞く山頂直下の鎖場の下に出た。見た目には、20mほどの垂直な壁で足がかりもほとんどないようだが、案ずるほどのこともなくクリアすると小さな石の祠がある山頂に出た。
頂上直下のクサリ場
乾徳山山頂は、まさに天空に突き出た展望台。真っ青な空の下360度の大展望がほしいままだが既に2時半、ゆっくり景色を楽しむ間もなくみなアイゼンを付けて下山の準備にかかる。リーダーほか数人は、アイゼンを付けないようだ。記念の集合写真を撮って、15分ほどで山頂を後にする。
水のタル(黒金山分岐)に向かって山頂北側の岩場を下る。金属梯子にアイゼンが邪魔くさいが仕方ない。氷雪の岩稜帯に連続するクサリ場、梯子場の難所をこなし、水のタル手前で後続を待つもOさん2人がなかなか姿を見せない。岩場になって脚が攣り気味だったOさんと最後尾のサブリーダーOさんだ。何度か大声で呼びかけるも応答がなく、も一人のサブリーダーNさんが様子を見に戻る。なかなか連絡がなく“ミイラ取りが……”と心配したが、しばらくしてNさんから、“アイゼンの装着に手間取ってる”と伝えられひと安心。
水のタルで黒金山への縦走路を左に折れ、薄氷と雪に覆われた岩混じりの急坂を下る。アイゼンを外したいとも思うが、それも怖い。登り以上に慎重に足場を選んで下る。2度の骨折以来、滑ることがトラウマになっている。次第に先頭集団から遅れだすが、後には最後尾のサブリーダー2人のほか数人がいるので不安はない。
氷雪に覆われた岩混じりの急下り
山頂から富士山
前も後も誰も見えない一人旅となる。樹林の中、展望のない路が延々と続く。踏み跡がはっきりしないところもあるが、目印の赤テープがこまめに目にあるし、迷いそうなところにはロープも張られるなど路を外す心配はない。
アイゼンを外しているとKさんが追いついてきた。“マーフィーの法則”じゃないが、アイゼンを外すとガチガチに凍った路がやけに多くなる気がする。傾斜がゆるみ明るい樹林帯になり、しばらくして高原ヒュッテを経て直ぐに国師ヶ原の十字路に出た。全員が揃うのを待って、往路を一気に登山口まで下る。駐車場に戻ったのは5時に近かった。
延々と続く樹林帯の下り
高原ヒュッテ前を行く
乾徳山山頂