【秋葉山】火防の神に参詣する古の路

シリーズ  静岡百山     前  
山 名  秋葉山
山行日  2006年1月29日(日)
同行者  グループ・せせらぎ 7名
歩行時間  4時間 5分
コース 九里橋→三尺坊→秋葉神社→秋葉山→秋葉ダム
関連情報                          アクセスカウンター
1/2.5万地形図 秋葉山 [北東]
ガイドブック  ▼東海自然歩道 日帰りハイキング 1 東京〜大阪1343キロ - 武村岳男-著  1994/06 山と渓谷社
交通 ▼遠州鉄道路線バス   西鹿島駅⇒秋葉山麓    西川⇒西鹿島駅
立ち寄り湯 やすらぎの湯  tel:0539-69-0082 10:30-16:30  ¥800
トロン原石を輸入し、世界の名湯ドイツの「バーデン・バーデン」と同じ湯質にしたそうだ。
推薦山行記 ▼2000/06/18 秋葉山-表参道往復
行 程
場 所 着時刻 発時刻
 九里橋 10:13
 三尺坊 11:42 11:46
 秋葉神社本殿 12:13 12:48
 秋葉山頂 12:57 12:58
 秋葉ダム駐車場 14:53

  火防の神として全国に知られる秋葉山は、標高866mで赤石山系の南端に位置し、天竜奥三河国定公園に指定されている。山頂からは、三河の山々をはじめ、天竜川や浜名湖、はるか太平洋を望む事ができる。

  創建された8世紀初頭より、山岳宗教のメッカであった秋葉山は、近世に入ると火防の霊験を中心とした信仰が急速に広まり、全国各地から盛んに参詣登山が行をわれるよう になった。山上に上宮が祀られ、今では車で訪れる人も多いが昔ながらに歩いて御参るする人も少なくない。参道は東海自然歩道となっており格好のハイキングコースでもある。

  本日のメンバー7名、焼津駅北口に集合し、車2台で7:45 出発。焼津ICから東名高速に乗り袋井ICで下り、天竜市街を経て国道362で秋葉神社下社に9時20分頃着いた。下山口の秋葉ダムに車をデポするのに予想外に時間がかかり、登山口の九里橋を出発したのは10:13だった。


  表参道の起点 九里橋とは浜松宿から九里、掛川宿からも九里ということのようだ。海抜100mの表示があり、山頂までの標高差は785m。

九里橋

  敷石できっちりと整備された道で宿場町の面影を残す集落を抜けると古からのよく踏み込まれた参道となる。杉林のなか、ゆるやかに蛇行しながら少しずつ高度を上げていく。登山路のような急登がないので、てんでんにおしゃべりしながら、みな超のんびりムードだ。

敷石で整備された参道

  参道は東海自然歩道でもあり道端に丁目石や海抜表示がこまめに目に付く。海抜580米 辺りで送電線の下をくぐり左手の展望が開ける。しばらくすると富士見茶屋跡や土佐の殿様のために巻き路を造ったという土佐坂など伝説の秘められた路を登るとほどなく三尺坊に着く。

参道(東海自然歩道)

  秋葉山の八合目に位置している三尺坊は、秋葉寺(しょうようじ)の堂宇である。毎年12月、境内で行われる火祭りでよく知られている。10人ほどのパーティーが鍋料理を作り、山頂を往復する仲間を待っていた。

三尺坊山門

  参道の杉並木がいちだんと大きく、高くそびえるようになると、まもなく隋身門(神門)が見える。昭和18年の山火事において、秋葉神社で唯一類焼を免れた建物である。江戸時代に建てられた風格ある隋身門は、堂々とした入母屋造りで、秋葉山の隆盛を今に伝えている。

隋身門

  隋身門をくぐると、参詣者が目に付く上社の境内に出る。御手洗で洗い清めて、石段を上ると本殿があり、展望も開ける。本殿脇の広場で昼食を済ませ、本殿裏手で現在地よりも10mほど高い山頂らしきところを目指す。深い藪を掻き分け、山頂と思しきところに立つも頂上を示す痕跡は何一つ見当たらなかった。

秋葉神社上社本殿

本殿からの石段道を振り返る

  山頂を後にして、両側に常夜燈の立つ立派な石段を下る。右斜面には寄進された樹木が多数植栽され、信者の多さが窺い知れる。しばらく下ると大きな駐車場に出た。

  東海自然歩道の道標に従い車道を下ると直ぐに登山路が分岐する。車道を縫うように何度も横断しながら下る登山路は、裏参道でもある。町(丁)目石を兼ねた常夜燈がよく目に付く。裏参道からの参詣者はほとんどないのだろう、半ば土に埋もれた常夜燈もあり、参道らしい表に比べ裏は参道というより明らかな登山路だ。

町目石を兼ねた常夜燈の裏参道

  手入れの行き届いた杉林の中を下る。尾鷲の檜林、吉野の杉林と並ぶ日本三大美林のひとつである天竜美林はさすがに美しい。


  自然歩道の道標や常夜燈、さらには地元老人会の短歌が書かれた木札など数多くの目印があるので迷いようがないはずだが、未舗装の林道に出たところに道標がない。逆コースの場合は迷うこと必定。これまで分岐には必ず道標が立っていたので、どうやら路を間違えたようだ。方向はあっているのでそのまま下ることにする。

  林道を20分ほど下ると、東海自然歩道の道標があり、左から登山路が合流する。再び、登山路に戻り下って行くと山間の小さな集落を抜けしばらくして広い車道に出る。朝、車をデポする時に通った道だ。10分足らずで秋葉ダム近くの車デポ地に着いた。


  登山口の車を回収し、秋葉ダムを渡り国道152号で天竜市街を通過し、掛川から国1バイパスに乗り焼津駅に戻った。

林道に出る(道標なし)