【高根山】名瀑、巨木、山頂展望の周回ハイキングコース

　 １０時半ころ、今日のメンバー４人が蔵田バス停の100メートルほど先にある駐車場に出揃う。今日のコースはゆっくり歩いても３時間半程度、みないたってのんびりムードだ。

　 身支度を整え、東海自然歩道を久能尾方面へ向かう。４年ほど前にきた時にはすれ違いも困難な狭い道路だったが今は、すっかり道普請され安心して通れる県道になっている。

　 15分ほど行くと、宇嶺の滝への路が右に分岐する。車道から遊歩道を3･4分下り観瀑台に立つと水の少ないこの時期でも迫力ある滝が姿を現す。落差70ｍ、東海一といわれている滝だ。さらに沢まで下って見上げると、岩肌を二つに割って落下する白い瀑布がまことに雄大である。沢の右岸に沿って遊歩道を下ると東屋がある。ここでＶ字に曲がり、遊歩道を半ば周回して車道に戻る。


　 滝への分岐から10分足らずで宇嶺の滝駐車場、十数台は停められるだろう。蔵田付近の観光や東海自然歩道の大きな案内板、そして立派なトイレがある。

　 宇嶺橋を渡り数分で左にマルガシへの登山路が分岐する。道路端に小さな道標しかないので見落としそうだ。「宇嶺の滝まで400ｍ、マルガシまで700ｍ」 と表示されている。車道から直ぐに丸木橋を渡り、手入れの行き届いた杉林の路となる。風はないが、空気が冷たく絶好のハイキング日和、しっかり踏まれた沢沿いの路を行く。

　 二俣の沢を渡り20分ほど登ると林道に出る。これを左に曲がり数分ほど行くと右にマルガシへの路が分岐し、ちょっと登ると根廻8.3ｍ、樹高17ｍの大木が繁っている。マルガシとはこの地方の名称で、アカガシのことを指すそうだ。


　 以前はここから林道まで引き返し、30分ほど林道を歩いてようやく山頂への路が分岐していたが今は、マルガシから南に直接、山頂へ向かう路が開かれている。杉林の中の棒登りの急登、新しい路だが赤布や赤テープがこまめに目に付きルートの不安はまったくない。

　 東海自然歩道に出合い左に曲がると山頂はすぐだ。昨年、山頂の樹木が切り払らわれ、それまではまったく味気なかったが素晴らしい展望の山頂となった。南側は目の前に高尾山から菩提山に至る笠張山脈、キラキラ輝く駿河湾に連なる大井川、遠州灘から渥美半島まで遠望できる。

　 北へ少し移動すると、大井川上流の朝日岳、黒法師岳その奥に真っ白に見える山頂が平らな山は聖岳だろう。雪を被った山々が幾重にも連なっている。その右の富士山は雲に隠れて中腹から麓しか見えないのがちょっと残念だ。

高根山山頂

　 わが会恒例の餅入り汁粉を作り昼食後、山頂を後にする。ゆっくり15分ほど下ると高根白山神社の御手洗に出る。冷たい湧き水が流れ落ちている。涸れることのないご神水で志太平野をうるをす一源となっているそうだ。

　 高根白山神社は800年ほど前、加賀の白山比�刀iひめ）神社より分霊を勧請し創建されたもので、本殿は江戸時代前期のものだと案内板に書かれている。大木の杉木立に囲まれた境内は静寂そのものである。

　 神社裏手に県指定天然記念物のご神木の大杉がそびえている。近くまで行くには急斜面の鉄条網が張られた路を登らねばならない。滑ってうっかり手掛かりにでもすれば怪我をすること間違いない。もっとも、路はあるのだが案内標識ひとつないので、観光路とはしていないのだろう。

　 神社からは舗装された参道を下る。だらだらと30分ほど下ると参道入口の巨木が目に入る。これも県の天然記念物「鼻崎の大スギ」で、樹高27.5ｍ、根廻14.5ｍ、樹齢は700年だそうだ。そこから駐車場まではほんの数分。帰路、“瀬戸谷温泉 ゆらく”で汗を流し解散した。