行  程
場 所 着時刻 発時刻
 朝日鉱泉 −  5:15
 二俣(出合) 6:52 − 
 大朝日岳 10:00 10:15
 銀玉水 10:43 10:54
 小朝日岳 11:48 12:00
 鳥原山 12:55 13:12
 朝日鉱泉 15:40 − 

【大朝日岳】中ツル尾根を登り、鳥原山から下る周回コース

山 名 大朝日岳、小朝日岳、鳥原山
山行日 2003年9月15日
同行者 単独行
天 候 晴れ
歩行時間  10時間25分(含休憩時間)
コース 朝日鉱泉→中ツル尾根→大朝日岳→小朝日岳→鳥原山→朝日鉱泉
一浴温泉情報                                            アクセスカウンター
 朝日鉱泉 tel:090-7664-5880(衛星携帯電) 12:00-22:00 \400
おしゃれな外観と昔懐かしい雰囲気が漂う建物。風呂は、小さい内風呂のみ。鉱泉でお湯は赤茶色で鉄分が多いように見える。

  登山口の朝日鉱泉を夜明けと共に出発。昨夜、日帰りにするか、頂上の小屋で一泊するかさんざん迷う。単独行なので泊まるとなるとそれなりに荷が多くなる。宿のご主人によると「荷を軽くして中ツル尾根から直接大朝日岳に登り、体調や天候によっては同じ路を下ればよい。鳥原山コースを下る場合は、登りと同じ時間を見ればよい」とのこと。一周しても12時間、日はだいぶ短くなったが、なんとか明るいうちには戻れるだろう。

  同じ一周なら、鳥原山コースを登り小朝日岳を越え、最後に大朝日岳を極める方が、気力を持続させるには良いに決まっているが、ご主人の勧めに従い中ツル尾根から登ることにする。

  朝日鉱泉前の登山口を少し下り朝日川の吊橋を渡る。まだ眠りから覚めぬかのように静かな森の路を10分ほど行くと、鳥原山コースを右に分ける。さらに5分ほどすると今度は左に御影森コースを分け中ツル尾根コースは真っ直ぐ渓谷沿いに遡る。

  沢沿いの路はアップダウンの繰り返しで少しも高度は稼げないが、どの沢にも吊橋や木組の橋が架かり増水時でも安心して歩けそうだ。左には落差はあまり無いが、夜半の大雨のせいかすごい水量の滝が見える。ブナなど緑豊かな沢沿いの路は、つぎつぎとすばらしい景色が展開し飽きることがない。

最後の吊橋(5つ目)

朝日川を遡る

二俣の高組木橋

  階段を付け高く組んだ木橋を渡る辺りが二俣(出合)、朝日鉱泉及び朝日岳まで共に 4km と表示されている。少し行くと、大朝日岳まで4時間とある。二俣の吊橋を渡りいよいよ中ツル尾根の取り付きである。ブナ林の急な登りが30分ほど続く。しばらく緩やかな傾斜の路を行き再び急登すると長命水。水場は 30m 下だそうである。とても行く気にはなれない。

 今日、2人目の単独行先行者を追い抜いたのだが、あまりのブヨの多さに虫除けスプレーをし、ひと休みしている間に通り過ぎて行った。この方とは、山頂まで何度か前後しながら歩くことになる。

 容赦なく急登は続く。ようやく樹林帯を抜け潅木帯になると前方に大朝日岳、右には小朝日岳が姿を現す。路端にはリンドウやマツムシソウが目に付く。こうなると気分は上々、足取りも軽くなる。歩き始めて4時間45分、大朝日岳の山頂に立った。360度の展望。風が強く、さすがにTシャツ一枚では寒い。すぐにヤッケを身に着けた。

中ツル尾根稜線の先に大朝日岳

  先客は空荷の男女5人パーティー、古寺コースで大朝日小屋に荷を置いての山頂往復だろう。しばらくすると、私と前後しながら登った単独行の男性が来た。彼は来た路を引き返すそうだ。私が「小朝日から鳥原山を経て戻る」と伝えると、「大変ですョ」と言う。

  先は長い、早々に山頂を後にする。6・7分で大朝日小屋を通過、行く手に小朝日岳を見ながら砂礫がむき出しの急斜面を下って銀玉水に着く。先ほど来、さかんに荷揚げをしているヘリコプターはここら辺りに荷を降ろしているようだ。荒廃著しい登山路整備のためらしい。

大朝日岳山頂

  登山路直ぐ脇の水場はありがたい。古寺から登ってきたご夫婦が休憩中だった。軽い食事をし、残り少なくなった水を補給する。

  風は収まり青空が広がる。リンドウの群生する稜線歩きは最高の気分である。尾根路を下って熊越の鞍部に降り立つ。少し登った所で、古寺への路を左に分け小朝日岳への急登となる。途中、朝日鉱泉を7時に発った女性3人パーティーとすれ違い、鞍部から30分ほどで頂に出た。

正面の小朝日岳を目指して

小朝日岳より大朝日岳(左が中ツル尾根、手前に来し方稜線)

  振り返り見る、大朝日岳から続く連峰の全容がすばらしい。左から一直線に頂上に向かう中ツル尾根、大朝日岳から小朝日岳へと連なる稜線、来し方が一望できる。大朝日岳の右に西朝日岳から竜門山、以東岳へと連なる山並み、谷間に残る雪渓もしっかりと見える。

  ちょうど正午に小朝日岳を出発する。ここまで来ると多少気が抜けるがまだ、朝日鉱泉まではコースタイムで4時間半もある。急斜面を下り始めてしばらくすると朝、洗面所で一緒になった女性パーティーとすれ違う。6時に朝日鉱泉を発ったそうだ。テント泊なのだろう、大きな荷持だ。

鳥原山より大・小朝日岳を望む

  1時間ほどで鳥原山に着いた。古寺に戻ると言う2人連れとしばらく雑談、彼らが発った後、携帯電話で今日の宿探しをする。ここまでくれば本当に終わったようなもの、すっかりのんびりした気分になったが、これは甘かった。あとは下るだけと思っていたのだが、実際は下ったり登ったりの連続、金山沢まで大きく下った後、同じくらい登り返す。三角点のあるピークが最後と思ってもまだ、アップダウンがある。気が抜けてしまってからの登りは辛い。

  朝、通過した中ツル尾根コースと合流した時には正直ホッとした。登山口着15時40分、汗は予約した月山山麓の志津温泉の宿で流すことにして、朝日鉱泉のご主人に無事帰着と昨夜来のお礼を言って早々に出発した。