日本百名山完登記　（ＯＡＡ会報より抜粋）

　 平成11年5月、結婚26周年記念で東北に旅をした。青森の萱野高原で八甲田山を眺めていたら主人が土産物店の中から呼び、百名山登頂年月日が書き入れられるのれんを買うよう強く勧めてくれた。これがきっかけで百名山を目指し、百座達成の日を迎えることができました。

乗鞍岳で百名山完登

乗鞍岳にて日本百名山完登達成（富山さん作成横断幕）

　 8月30日、まだ暗い4時過ぎに畳平に到着。仮眠ののち朝食、身仕度を整え6時5分に出発。鶴ヶ池の脇を歩き始めるとイワギキョウやトウヤクリンドウが緊張をほぐしてくれた。すぐの富士見岳の登りでは背後に北アルプスの山々が次々と現れ、早くも感動の連続。白いドームのコロナ観測所を右手に車道を進み肩の小屋に着く。ここから登山道になり急登が続く。火口縁に出ると右下に神秘的な権現池が望めた。山頂が近づくとリーダーが前に来るように私を呼んだ。ひと登りで乗鞍岳の最高点剣ヶ峰に7時53分到着。

富士見岳中腹、槍・穂高等北アの山々が次々と現れる

　 二つの祠が背中合わせに立つ山頂は24名のOAAの仲間でいっぱいになった。差し入れて頂いたシャンパンとワインで乾杯！おめでとう！と握手で祝福してもらい幸せでした。富山さんと衣江さんが用意してくれた記念幕を掲げ、皆さんと記念写真に収まり嬉しくて胸がいっぱいになりました。また、展望も素晴らしく穂高を大きく北ア、八ッ、南、中ア、御岳、白山まで望むことができた。

衣江さん作成横断幕で記念撮影
９人中７人日本百名山完登達成者

　 山頂にザックを置き、もう一つの目的の最後の三千メートル峰・大日岳（奥の院）へ。鞍部からの稜線は立入禁止とあり、コマクサ保護だろうか、ロープが張られていた。左手に巻いて浮き石と岩ゴロの斜面を山頂へ。赤池さんはこの大日岳3014mで日本の三千メートル峰28座を踏破したと、とても満足そうでした。

大日岳より乗鞍岳、左奥は穂高連峰

　 往路を戻り、9時35分剣ヶ峰から下山開始。肩の小屋から位ヶ原コースは夏から秋のお花がいっぱい咲いていた。バスの待つ位ヶ原山荘前に11時55分着。小宴の後、今宵の宿・中の湯温泉旅館へ。

　 31日、朝雨が降っていたので焼岳登山をやめ、夢だった観光組に。朝から露天風呂、食後は宿の車の送迎で秘湯の洞窟風呂・ト伝の場で情緒を味わい、その後上高地に遊ぶ。明神池畔の穂高神社奥宮に完登達成の報告、念願だった嘉門次小屋の岩魚の塩炊きとおしるこも食し大満足。

大満足の下山路

　 98座をOAAで踏破し、リーダーと仲間の皆様、支えてくれた家族に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。帰宅してすぐのれんの乗鞍岳の下に15年8月30日と百座目を書き入れ、私の宝物になりました。