行  程
場 所 着時刻 発時刻
 四辻(登山口) 8:50 9:00
 万二郎・涸沢分岐 9:13 − 
 万二郎岳  9:58 10:05
 石楠立 10:32 − 
 万三郎岳 11:02 11:32
 水場 12:15 − 
 万二郎・涸沢分岐 12:43 − 
 四辻(登山口) 12:55 − 

【天城山】緑萌えるブナの原生林

山 名 天城山(万二郎岳、万三郎岳)
山行日 2003年6月6日(金)
同行者 単独行
天 候
歩行時間 3時間25分(除く昼食休憩)
コース 四辻→分岐→万二郎岳→石楠立→万三郎岳→分岐→四辻
一浴温泉情報                   アクセスカウンター
丸野高原  万天の湯
tel:0558-83-1154 10:00-20:30 \700
2000年4月オープン、伊豆スカイラインの冷川インターから車で5分。丸野高原にある「国民宿舎」に隣接して立てられた温泉施設。明るい陽ざしに包まれた開放的な空間に、天然の湯がたっぷり。檜の露天風呂に浸りながら見る夕映えの富士山は絶景。南アルプスや箱根の山々も眺められる。
2012年12月26日をもって営業終了?

  天城山登山口の天城高原ゴルフ場の駐車場まで自宅から車で3時間、予想外に時間がかかった。いつものことながら伊豆に乗り入れ三島、韮山辺りの渋滞にうんざりする。8:50 登山口の駐車場には15台ほどの車が停まっていた。

  駐車場の出口に両手のひらを広げたくらいの石が積んであり、“ひとり一石運動 ボッカのお願い”の看板が立っている。中くらいの石1個をザックに入れる。担いでみるとスシリと重い。も少し小さいのにすれば良かったかとちょっと後悔する。

駐車場出入口の“ひとり一石運動”要請板

 道路を挟み、駐車場出入り口の直ぐ向いが登山口の四辻。少し下り気味に森の中に入る。よく整備された幅広の登山路だが、ところどころ深くえぐられた溝状の縁にむき出しになた根が痛々しい。最近よくいわれるオーバーユースによるものだろう。背中の重さも、ささやかながら登山路整備にお役に立つかと思えばうれしくなる。10分余りで万二郎岳方面と涸沢方面との分岐にでた。

  万二郎岳への路は森の中の散策路。赤く艶っぽい木肌のヒメシャラやコアジサイ、ヤマハンノキ(名札が付いている)など樹林帯の中のよく踏まれたゆったりとした上り路。鳥のさえずりが響き渡り、緑を抜ける風はさわやか。好天とはいえ平日、さすがの人気コースも人影まばら。快適な山歩きが楽しめる。傾斜がなくなり箒木山の分岐を過ぎるとすぐに万二郎岳山頂。登山口から1時間足らず、頂上標識下、指定の集石所に担ぎ上げた石を置いた。

溝状にえぐられた登山路

万二郎岳山頂

万二郎岳への登山路

  山頂から5分ほど下ると露岩があり、絶好の展望スポットとなっている。行く手に大きく1325峰、その左に万三郎岳の頂が顔を覗かせている。鞍部まで下り、少し登り返すとまた露岩帯。今度は反対側の展望が開け、緑の衣に包まれた万二郎岳が望める。これを登りきると馬の背、みごとなアセビ(馬酔木)のトンネルとなる。深い側溝のような路の両側から枝を絡ませ覆いかぶさる緑のトンネル。みごとなものだが、背丈近くまでえぐられた登山路が今後どうなるか心配になる。

1325峰とその左に頭が覗く万三郎岳

振り返り見る万二郎岳

アセビのトンネル

ブナの巨木

  下りきった鞍部が石楠立(はなたて)とよばれるシャクナゲの群生地。残念ながら花はまったく見当たらない。少し遅かったようだ。登り返すに従いブナが目立ち始める。緑萌えるブナ林、いつまでも大切に守りたい原生林だが、土が流されむき出しになった根が網の目のように地表を覆う様に言い知れぬ不安を感じる。

  “この奥にブナの巨木”の案内板が立っている。登山路から外れ右手の林に分け入ると、二抱え程もあるブナの巨木が枝を四方に広げ緑を湛えている。樹齢幾百年、樹肌の色合いやコブだらけの質感豊かなブナの巨木が立ち並ぶ原始林、自然が織り成す造形に畏敬の念を覚える。

  コースに戻ってひと登り、名残のシャクナゲ数輪が目に付きだすと直ぐに万三郎岳山頂。万二郎岳山頂と同様、樹木に囲まれ展望はない。ご夫婦連れ4組が休んでいた。

ブナの巨木が立ち並ぶ原始林

 食事を終えて下山。北側の涸沢方面に下る。いきなりの急斜面、木の根や岩に掴まりながら慎重に下る。名残のシャクナゲは目立つものの、下山路に落ちている花びらはほとんど見当たらない。この急斜面、一昨日の大雨で流されてしまったのだろう。大木のシャクナゲ群生地を急降下すること約20分、涸沢分岐点に着いた。ここを“四辻 60分”の道標に従い右に曲がる。緩やかな下りが続く天城山北斜面の巻き道を行く。苔むした岩ゴロ路、沢を2度ほど渡り、ヒメシャラの群生地を抜けいいかげん飽きてきた頃、万二郎岳分岐に着いた。ここからは往路を戻り駐車場に午後1時前に着いた。車は朝の倍、30台ほどに増えていた。中伊豆荘 万天の湯で汗を流し帰路についた。

万三郎岳山頂