行  程       アクセスカウンター
場 所 着時刻 発時刻
 西日影沢駐車場 7:00 7:05
 蓬峠 8:20 8:27
 山伏 9:50 10:35
 新窪乗越 11:50 11:59
 大谷嶺 12:35 12:55
 新窪乗越  13:20
 扇の要 14:03 14:08
 西日影沢駐車場 15:25 15:28

【山伏】大展望の笹原山頂を越えて大ガレ下り

山 名  山伏(やんぶし)
 大谷嶺(おおやれい)
山行日  2003年5月1日(木)
天 候  晴
同行者  単独行
歩行時間  7時間35分(除く昼食休憩)
コース  西日影沢登山口P→蓬峠→山伏→新窪乗越→大谷嶺→新窪乗越→扇の要→西日影沢登山口P

  山伏は安倍川流域で、唯一の2千メートル峰である。日本三百名山のひとつでもあり人気は高い。これまで一度だけ、牛首から登ったことがあるが、展望もなく印象は薄かった。

  西日影沢の登山口に登山者用駐車場がある。10台くらいは停められるその駐車場に7時頃着いた。先行車は一台、単独行の方が出発するところだった。手早く身支度を整え出発。すぐに、林道ゲート手前の登山口に着く。沢沿いの路を右岸左岸と渡りながらゆるやかに高度を稼ぐ。右にわさび田を見ると10分ほどでわさび小屋との分岐 大岩に着く。しだいに傾斜はきつくなり、ロープが張られたところもある。先行者が50mほど先に見える。

西日影沢登山口登山者用駐車場

  先行者がベンチに座り美味しそうにタバコを吸っていた。「こんにちは、いい天気ですね」と挨拶したが、あまり話したくない様子だったので、話しかけるのを控えることにした。

  正面の木立越に大谷崩れ方面が見渡せる。ひと休みして、「お先に」と小さく声をかけ出発。日当たりの良い尾根上のジグザグ路を登り、ぐんぐんと高度を上げる。よく踏まれた歩き易い路だ。真っ青な空、小指の頭ほどの若葉、鳥の声、風はさわやか、足元にはスミレの群生。快適な山歩きに知らず知らずに心が浮き立つ。

 新緑の萌黄色に染まった左側の山肌に、ポツリとツツジのピンクが目立っている。沢の音に代わって、鳥の鳴き声が心地よく耳に響く。ゆるやかな傾斜が再度、急になるとほどなく蓬峠に着いた。

蓬峠より大谷嶺

 登山路に残雪が目立ちはじめ、急登をひと登りすると一面雪の平坦地、ほどなくして牛首からの路と合流する。右に曲がり、笹原の中に枯れた巨木とその彼方に幾筋もの雪を残した富士山が見えると山頂はすぐだ。

 広々した山頂からの眺めは抜群。荒川・赤石・聖・上河内と南アルプスの白い峰々の連なりは特にすばらしい。山頂に着いてしばらくすると、次々と単独行者や2人連れが登って来て10人ほどになった。

笹原の彼方に聳える富士山

山伏山頂から南アルプスの峰々

 大きなザックを背負った方と記念写真を撮り合ったあと言葉を交わす。「青笹山から青薙山へと縦走するつもり、水場がないので残雪のあるこの時期にした」などと、言っていた。

山伏山頂

 山頂を後にして新窪乗越に向かう。登山路は完全に雪に覆われている。どんどん融けているためかトレースは見当たらない。赤テープなどの目印を探しながら下る。20分ほどで登山路から雪はなくなる。左は木立のすだれ越しに聖岳など南アルプス、右は十枚山など安倍奥の山々、青い空の下ひんやりした風に吹かれての稜線歩きは快適そのもの。何度かアップダウンを繰り返して新窪乗越に着いた。

下山路を覆う残雪

新窪乗越から大谷崩れと安倍奥の山々

 このまま下山するか迷ったが、まだ12時前、大谷嶺を往復することにした。崩れの縁のピークをひとつ越え、急登を上り返えして山頂。誰もいない。ミレニアム登頂から2年半ぶり3度目の訪問だ。2.5万図に山頂名称はなく、三角点1999.7が記されているのみである。その三角点も見当たらない。崩落により消失したようだ。ここからの南アルプス眺望もすばらしい。来し方を振り返れば、左に大きく崩れる稜線の彼方に山伏などの山々が幾重にも連なっている。

大谷嶺山頂より来し方の大谷崩れ稜線と山伏

 新窪乗越まで戻り、圧倒的な迫力の崩壊面を見ながら足場の悪いザラ場を下る。すり鉢の底に向かって下っているような感じだ。15分ほど下るとザレをまぶしたようなシャーベット状の残雪帯の路が数十メートル続き、やがてザレが終わり潅木帯となる。水場を過ぎると沢沿いの路となり扇の要を過ぎると林道は直ぐだ。あとは舗装された林道をひたすら下り、車まで戻り、黄金の湯で汗を流して帰路についた。

大谷嶺山頂(背景:悪沢岳、笊ヶ岳)

宿 露天風呂の大野木荘
tel:054-269-2224
安倍川の奥座敷、温泉と野趣に富む料理、心ぬくもる山里の宿。山伏、八紘嶺、十枚山、大光山など安倍奥の山に登るに最適の宿。

一浴温泉情報

梅ケ島温泉
黄金の湯
tel:054-269-2615 9:30-17:00 \500  
山伏岳や大谷嶺に抱かれた格好で、H11年4月にオープンした公設民営の日帰り温泉浴場。一般風呂のほか、ぬる湯、足湯、うたせ湯、露天風呂がある。内湯/露天とも消毒臭がちょっと気になる。200名収容の休憩室は食べ物の持ち込み可。隣接して食事処の「黄金の里」も営業している。

renew:2013/09/03