【大尾山】里山歩きの愉しさ満喫

山 名  大尾山(おびさん)
山行日  2003年2月25日(火)
天 候  晴
同行者  グループ・せせらぎ 5名
歩行時間  6時間52分(含休憩)
コース  居尻→駐車場→顕光寺→大尾山→駐車場→西ノ谷→原田駅

 8時15分頃、 掛川駅にメンバー5人が揃う。さっそく、バス乗り場に行くが、8時25分発のバスは休日ダイヤ。平日は9時50分発までない。やむなくタクシー2台に分乗して登山口の居尻バス停に向かう。

  帰りのバス時刻を確認。最終は17:54、それまで概ね1時間に1本だ。身支度を整えのんびりと出発。しばらくすると、ポリバケツに杖が15本ほど立てられ、そばの板に「大尾山登山の方自由にお持ち下さい」と書かれている。真っ直ぐな枝の皮をむき手ごろな太さの杖だ。手間がかかっているのは明らか、地元の方のご好意に頭が下がる。

 タクシーから見る田園は霧に霞んでいる。春を思わせる日差しに、寒波で冷やされた地面から、モウモウと湯気が立ち上っている。すれ違いもやや困難な細い道を走ること20分余り、居尻バス停に着いた。

つづら折りの里道を行く

善意の杖置き場

 バス停から15分ほど、つづら折りの里道を登ると舗装道路と別れ、登山道へ。「大尾山入口」と書かれた大きな標識がある。林間歩道の表示もあるが、参道なのだろう。しばらくすると、右手に丁目石が立っている。彫られた字は歳月に朽ち極めて読み取り難いが「左 十四丁」と刻まれているようだ。

  杉と桧林の中の登山路はよく整備されている。枝打ちや間伐もされている美林の中の快適なハイキングコース。しかし、間伐材は放置されたまま。さすがに運び出すまでの手間は掛けられないのだろう。

大尾山登山口

手入れの行き届いた杉林の中の登山路

 小さな沢を渡る。木立に囲まれていることもあり、夏でも涼しさを思わせる。途中、岩ゴロ道もあるが、概して歩き易く家族向き山歩きの道である。

 大尾山まで 0.7km の表示から、10分足らずで突然、簡易トイレのある駐車場に出る。冬の平日、さすがに停まっている車はいない。
 ひと休みして、顕光寺に向かう。10分ほどで顕光寺本堂通過、奥の院へはさらに10分、歴史を感じさせる杉林の中の道を登る。

簡易トイレもある駐車場

奥の院への石段

鳥居杉

  石段を登った所に、静岡県指定天然記念物の鳥居杉が聳えている。樹高30m、根廻10m。樹齢は千年以上、見事な巨木だ。大木の中が空洞になっているが、落雷により木の中が腐ったのだそうだ。

 樹齢幾百年の老杉林の中に朱塗りの奥の院、鐘楼、観音堂が建っている。鬱蒼とした杉林は霊域の趣だ。南の方向がわずかに切り開かれている。遠望が利けば遠州灘が見えるのだろう。

 本堂脇の石段を上った観音堂の裏が山頂と思われる。三角点を探したが見当たらなかった。

観音堂と鐘楼

 まだ、11時前。駐車場まで戻り、軽い食事をして下山。予想外に早い時間帯であり、来た道を戻るのも能がない。予定を変えて、タクシーの運転手さんに薦められた原田駅(天竜浜名湖線)に向かうことにする。地図もガイドブックもなく適当に方向を定めての下りであるが、車道でもありまったく不安はない。途中、郵便配達夫さんや土地の方、交番(おまわりさんは外出中で奥さんが対応)などで道を尋ねながら十数キロの道を駅まで歩いた。四方山話なども交え道を教えてくれた皆さん、とても親切で温かみのある方ばかり。これだけでも山里を歩いた甲斐がありました。

振り返り見る大尾山

  暖かでのどかな山里のウオーキング。ときおり、霧に景色が霞むように、またたくまにスギ花粉が白く立ち込める。あわててマスクを着けたりしたが、煙のようにモクモクと立ち上る花粉のものすごさに感動すら覚えた。

  原田駅着 15:45 掛川行は」出たばかり、小1時間ほど待たされたが大満足のハイキングだった。

原田駅(無人:天竜浜名湖線)

renew:2013/09/03

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