行  程
場 所 着時刻 発時刻
 ロープウエイ山頂駅 09:24 09:31
 赤倉岳山頂  10:21 10:26
 大岳ヒュッテ避難小屋  10:53 10:55
 大岳山頂 11:10 11:52
 高田大岳、酢ヶ湯分岐 12:17 12:21
 小岳山頂 12:43 12:49
 高田大岳山頂 14:04 14:17
 谷地温泉 15:54 16:15

【八甲田山】田茂萢岳より主脈縦走、谷地温泉へ

山 名  八甲田山
山行日  2002年10月12日(土)
同行者  静岡OAA 山の仲間
天 候  晴れ
歩行時間  5時間41分(除く昼食休憩)
コース  山頂駅→赤倉岳→大岳→小岳→高田大岳→谷地温泉
一浴温泉情報                                        アクセスカウンター
 谷地温泉 伊東園ホテルグループ tel:0176-74-1181  10:00-18:00 ¥500  
八甲田連峰高田大岳の麓にあり、日本三秘湯に数えられる山中の宿。 開湯400年の歴史ある温泉。混浴の温泉浴場と女性専用の浴場がある。2つの泉質があり、白濁した湯と透き通った湯がある。飲泉も出来る。冬は野生のテンがすぐそばまで現れるそうだ。
 酸ヶ湯
 千人風呂
tel:017-738-6400 7:00-21:00 ¥500  
八甲田山の主峰、大岳のふもと海抜900メートルの高地にある。300年の歴史を持ち、江戸時代から湯治宿として栄えていたそうだ。総ヒバ造り、100坪という有名な混浴の千人風呂と、男女別の玉の湯がある。露天風呂はない。白濁した温湯6分に水4分の湯があふれている。源泉かけ流しで、名前の通り酸っぱいが飲むこともできる。
関連山行記  八甲田山にて日本百名山完登達成

 前夜泊まった、八甲田温泉「遊仙」を8時出発。雪中行軍遭難碑に立ち寄り、9時前にロープウエイ乗り場の山麓駅に着く。既に数百人が並んでいる。101人乗りのゴンドラが10分ほどで標高1300mの山頂駅まで運んでくれる。

 9時半、山頂駅出発。田茂萢岳に向かって多くの観光客と一列になって遊歩道を行く。10分足らずで下りとなる。いつのまにか田茂萢岳山頂を越えたようだ。行く手正面に赤倉岳・大岳。ゆったりと広大な起伏を被う笹の葉が日の光に輝いている。その中に点在するアオモリトドマツの濃い緑が淡い緑の笹と見事なコントラストを彩なしている。美しい景色の中に溶け込んで歩いている幸せを噛み締める。

左から赤倉岳・井戸岳・大岳(田茂萢岳より)

 ドッ・ドッ・ドッ、木道の行列から発っせられる靴音がリズミカルに響く。湿原地の20畳ほどの板張り休憩所は人ひとヒトでごったがえしている。これを過ぎると展望のない笹深い路となり、ほどなく遊歩道と分岐。観光客がいなくなり、歩きやすくなったと思ったのも束の間。深い笹道で30人ほどの団体に道を譲られたが、また直ぐに先が支え、超スローペース。前は相当に長い列のようだ。ゆっくり歩きはありがたいが、大自然の中での人ごみは、自分のことを棚に上げて辟易する。好天の3連休初日、やむを得ないことではある。ハイマツ帯の細い道を隊列を組んで黙々と歩く。

赤倉岳中腹ハイマツ帯より田茂萢岳

 ゆったりおだやかな道も稜線にでると噴火口上端縁の断崖の道。正面に目標の大岳、左手には端正な三角錐の高田大岳。大展望、大パノラマに息を呑む。赤倉岳から井戸岳への稜線は火山の荒々しさを見せてはいるが、道の両側は安全柵の設けられた遊歩道だ。鼻歌交じりで歩ける。

赤倉岳〜井戸岳の稜線

井戸岳山頂付近より赤倉岳

 小さな池塘の畔に建つログハウス風の避難小屋めざし井戸岳を一気に下る。大岳ヒュッテ避難小屋から大岳山頂まで標高差200m。K.T.さんにとって「日本百名山」完登への最後の登り。アオモリトドマツの樹林帯を抜け再び展望は開けるものの、K.T.さんはひたすらリーダーの後ろについて登る。登るにつれての急登、私も感動の瞬間を記録しようと必死にあとを追う。

井戸岳中腹より大岳、右中央に避難小屋

 一等三角点に手を押し当てた、K.T.さんの笑顔が素敵だ。仲間と感動の握手、握手。ワインで乾杯,、大願成就をみんなで祝う。「おめでとう!」

 青空の下、丸く広々した大岳山頂は百人近い人が休んでいても混雑は感じない。「日本百名山百座達成」の横断幕を広げ、K.T.さんを中心に記念撮影。みちのくの山々が一望できる頂を後にして、小岳・高田大岳へと向かう。

大願成就

大岳山頂

 下りはじめてすぐ、旧噴火口に水が溜まった鏡沼。その淵の細い木道を平均台を歩くように渡る。崩壊止めの金網ネットが敷かれた山肌に、丸太や石で階段が作られた道を快調に下りたいところだが、下から次々と登ってくる。ときおり、外国人のパーティーや犬連れの人などともすれ違う。
 仙人岱の分岐で、4人が酢ヶ湯へ下る。「のんびり温泉に入ってゴールの谷地温泉で待ってる」と言う。

大岳下り中腹

  ひと休みして分岐出発。これまでとは大違い、すっかり人の姿はなくなり東北らしい静かな山歩きとなる。笹薮の中を登ること20分、ハイマツ帯に出ると展望が開ける。振り返ると大岳の火口がはっきり見える。数分で小岳山頂。小岳からの眺めがこれまた絶景。後ろは、大岳から井戸岳・赤倉岳と来し方稜線が一望でき、行く手には姿のよい高田大岳。左手は青森の街並みから津軽湾、右には岩手山とこれ以上は望むべくもない展望だ。

小岳山頂付近より大岳を振り返る

 よいことばかりは続かない。高田大岳との鞍部手前の下りはハイマツの中のぐちゃぐちゃ道。とにかくひどい道だ。ここを抜けて、広々とした草原の鞍部でひと休み。木道が金色の草原を貫いている。その先に高田大岳が大きく見える。

 森林限界を過ぎると10分足らずで高田大岳山頂。小岳以上の展望だ。大岳の左に昨日登った岩木山も薄っすらと姿を現す。これから先に登りはない。名残の展望も存分に楽しめる。

小岳下り、正面に高田大岳と鞍部の草原

八甲田山主峰縦走、高田大岳で万歳

 紅葉の海に向かって一直線に下る。景色を見る余裕はない。どんどん下る、ひたすら下る。30分ほど下ると笹薮の泥んこ道、やがて四方八方木の根が張り巡らされたぐちゃぐちゃ道。小岳の下りよりもひどい。正規のルートは完全水没。両手もフルに使って根から根を渡り歩く。極めて歩き難い。悪戦苦闘すること45分、ようやくブナ林の中の落葉の道となる。フィナーレにふさわしい歩き易い道だ。20分ほどでゴールの谷地温泉に到着。スパッツを持っていなかったので、靴もズボンの裾も泥だらけ。とてもバスには乗れない。流水で泥を洗い流して今日の宿、十和田湖温泉ホテル鳳凰閣へ。

谷地温泉までもう少し

更新:2013/08/26