行  程
場 所 着時刻 発時刻
 リフト降り場 9:35  9:40 
 岩手山 10:05  10:17 
 鳳鳴ヒュッテ 10:31  − 
 種蒔苗代 10:39  − 
 姥石 12:15  12:20 
 岩木山神社 13:25  13:42 

【岩木山】観光客に媚びた津軽の名峰

山 名 岩木山(いわきさん)
山行日 2002年10月11日(金)
同行者 静岡OAA 山の仲間
天 候 晴れ
歩行時間 3時間40分(休憩含む)
コース リフト降り場(鳥ノ海噴火口)→岩木山→鳳鳴ヒュッテ→種蒔苗代→姥石→岩木山神社
一浴温泉情報                                アクセスカウンター
嶽温泉     弘前駅からバスで約1時間、岩木山の麓にある嶽温泉は藩政時代から源泉として知られ、100%源泉の旅館が10軒ほど集まる小さな温泉場である。
小島旅館 tel:0172-83-2130 10:30-14:30 \350
風呂のみの利用でも、「気軽にどうぞどうぞ」と応えてくれる。建物の奥の小さく鄙びた浴室は温泉らしい硫黄の臭いがする。湯船も床も古いヒバ造り。お湯は少し白濁して、やや熱い。
西沢旅館 tel:0172-83-2754 10:00-15:00 \500
設備は清潔なタイル張りの浴室が男女各ひとつ。かすかに黄緑かかって白濁した湯が浴槽から溢れ出している。温泉らしいと感じる硫黄の香りがする。家庭的な雰囲気で、日帰りの営業時間は柔軟に対応してくれるそうだ
縄文人の宿 tel:0172-83-2123 10:00-15:00 \500
TV番組で何度も紹介されたことをやたら宣伝。スピーカーからは音楽垂れ流し。浴室は部屋の前、まるで自宅のお風呂場。総ヒバ造りの湯船から熱めのお湯があふれ出す。年季が入っているようで、いい黒ずみ具合。お湯は乳白黄緑色で、飲泉してみると、かなり酸っぱく、そして硫黄分を感じます。
 (株)百沢温泉 tel:0172-83-2226 \300
岩木町の百沢には、温泉宿施設が12ある。小さな湯治場が岩木山神社を囲むように立ち並び、昔はお山参詣の時期ともなると湯治を兼ねた参拝人で、どこの湯宿も満杯になったそうだ。浴室は広く内湯×3。大浴槽には湯が惜しげもなく注がれている。湯量が多く、浴室中が湯で溢れている。
 前夜9時、静岡市役所前を出発して12時間余り、9時20分頃、リフト乗り場の8合目駐車場に着いた。山頂までの標高差375m。「リフトに乗っちゃあ、おしめいヨ」と百名山行脚ではここから歩く人も少なくないと聞くが、われわれはためらうことなく標高差220mをリフトで稼ぐ。

 降りたところは鳥ノ海噴火口、岩木山山頂までは標高差155mほどだ。正面に岩木山が見える。ごつごつした岩の道が山頂まで続いている。ひと登りで百沢コースとの合流点、鳳鳴ヒュッテに到着。ここからは本格的な登り。「とても頂上まで行く自信がない」と、あえぎ立ち止まったまま動かない観光客もいる。振り返ると、いつの間にか鳥海山はガスの中、鳳鳴ヒュッテも薄っすらと見える程度だ。ガスの流れが意外と早い。

リフト降り場より岩手山を望む

山頂の鐘楼モニュメント

山頂避難小屋

九十九折れのスカイライン

 大きな岩が積み重なった山頂に四角錐のモニュメントがあり、鐘がぶら下がっている。皆に真似て小さく鐘を鳴らしてみたが、まったく感動はない。なんせ20分程度の登りで踏んだ山頂、あの九十九折れの8合目までの津軽岩木スカイラインやリフトと共に観光客に媚びきった山の印象が強い。自然を大破壊し、訪れる人たちに汗ではなくお金を落とさせる山。百名山めぐりをやっていてむなしさを感じる山のひとつだ。

 山頂の避難小屋を覗いてみた。昭和39年1月、地元の高校生5人のうち4人が死亡した遭難事故の時、「この小屋に留まっていてさえくれれば・・・」と捜索隊が嘆いた小屋だろう。私が学生の頃の遭難であり、その前後のケネディ暗殺や東京オリンピックなどの想い出が頭をよぎる。

 鳳鳴ヒュッテまで往路を戻る。ガスはすっかり消え、ヒュッテの赤い屋根の向こうにリフト乗り場、その彼方に麓の田畑が見下ろせる。ヒュッテからは左に曲がり、百沢コースを下る。岩木山神社まで3時間30分の表示がある。草紅葉の中の火口湖が美しい種蒔苗代を過ぎると、沢筋の岩ゴロで歩きにくく、何箇所か梯子場もある急坂下りとなる。

 2階にも小さな出入り口(積雪時要か?)があるブロック組みの焼止りヒュッテ前を通過し、背丈ほどの笹が生い茂る落ち葉の積もった泥道や切通しの歩きにくい道をひたすら下る。
 姥石の小広場に鉄櫓の展望台が建ち、その脇に「女人禁制」と書かれた杭が立っている。女人はその展望台から岩木山を見て帰れということらしいが、それは昔のこと。今、そんな杭を立てたら田嶋陽子議員にボコボコにされる。 姥石から少し下ると「鼻コクリ」。鼻をこすりつけるほど急な坂という意味らしい。他にも「カラスの休み場」「七曲り」などの表示板が印象に残った。

赤屋根の鳳鳴ヒュッテに向かって下山

種蒔苗代の火口湖目指して

 林道からゲレンデ脇を下り神苑桜ヶ丘に出た。ヨーデルハウスと大きな看板の建物がある。何のこっちゃと思ったら、トイレ(よう出る)でした。「鼻コクリ」といい面白いネーミングをするものだ。
 岩木山神社に無事下山のお礼参りをしてバスに乗る。途中、歩き足りない分、銚子大滝から石ヶ戸まで奥入瀬渓流を歩き、再びバスに乗って今日の宿八甲田温泉「遊仙」に向かった。

岩木山を振り返って

更新:2013/08/25