行  程        アクセスカウンター
場 所 着時刻 発時刻
観音平駐車場 10:11 10:20
押手川(編笠山分岐) 11:45
青年小屋 12:45 12:49
主稜線(権現小屋上) 13:57 14:19
権現岳 14:23 14:28
三ツ頭 15:00 15:05
前三ツ頭 15:24 15:35
天の河原 16:35 16:37
天女山駐車場 16:45 16:50

【権現岳】想い出刻む第二の人生初日

山 名  権現岳、三ツ頭
山行日  2002年9月1日(日)
天 候  晴れ
同行者  いつもの山の仲間
歩行時間  6時間25分(休憩時間含む)
コース  観音平→押手川→青年小屋→権現岳→三ツ頭→天ノ河原→天女山駐車場
 昨日(8/31)付けで、33余年勤めた会社を定年退職した。今日は、3週間後に控えた穂高岳〜槍ヶ岳縦走のための訓練登山だ。厳しい第二の人生のスタート日となったが、すばらしい展望に恵まれ記念日にふさわしい想い出深い山行となった。

三ツ頭から権現岳を振り返る(右は赤岳)

 今日は、第二の人生スタートの日。昨日(8/31)付けで33年余り勤めた会社を定年退職した。何も、そんな記念すべき日に登らなくてもよさそうなものだが、3週間後に控えた穂高岳〜槍ヶ岳山行のトレーニング山行だ。8月は富士山御中道を歩いただけであり、すっかり身体が鈍っている。こんな状態で穂高・槍ヶ岳山行に参加するのはあまりに不安である。

 いつもより30分早い7時に静岡市役所前を出発する。国道52号線、中央高速道を使い、3時間10分ほどで、編笠山、権現岳の登山口である観音平駐車場に着いた。30台は停められる駐車場は既に満杯状態だった。

観音平駐車場

 傾斜はゆるくよく踏まれた歩きやすい道だ。出発が少し遅れたためか、快調なペースで飛ばしている感じだ。私には早すぎると思うのだが、F.S.さんはしっかりとリーダーに付いている。最初の1本の時、数人に聞いたがみな「それほどでもない」と言う。やはり、体調はいまひとつのようだ。押手川(編笠山分岐)の少し手前で早めの昼食休憩となる。

 川の源頭部という意味の押手川(水はない)から編笠山を巻く、苔むしたうっそうたる原生林の道だ。相変わらずペースが速く感じられる。軽い高山病のせいか眠くて仕方がない。危険のない道だから良いようなものの、岩稜の尾根道だったらとても歩ける状態ではないななどと、3週間後の穂高、槍山行のことを思いながら、ひたすら前を行くF.S.さんの靴だけを見て登る。

 歩き出すとすぐ、道の両側にワレモコウ・フーロー・キキョウなどの花々が目に付く。いつもだったらさっそく写真を撮るところだが、久しぶりの長丁場、歩調を乱すわけにはいかない。リーダーの直ぐ後ろについたF.S.さんの後にぴったりと付いて登る。厳しい山行のときは、いつもF.S.さんのペースを指標にして自分の体調の目安にしてきたからだ。

青年小屋前の広場

 青年小屋前の広場は多くのハイカーで賑わっていた。岩屑の上に緑に包まれた編笠山が直ぐそこに見える。反対側には権現小屋の右に権現岳もはっきりと見える。青年小屋を後にして20分足らずでハイマツ帯を抜け、一気に展望が開ける。蓼科山、阿弥陀岳はもちろん富士山、甲斐駒、遥か彼方の槍・穂高も見える。

青年小屋前より権現岳(右) 縞枯れが見える

 標高2530m のろし場から真正面に見るギボシの岸壁は圧巻だ。左側が大きく深く落ち込んだギボシの登りは険しい。この辺りから先頭集団に付いていけなくなり、後もだいぶ離れてしまい一人旅となる。無理して付いていくより気楽になり、岩にペンキで描かれた○や↑印を慎重にたどる。今度は右側が切れ込んだ岩場のトラバースだ。下を見ないように足元とやや前方を見て、壁伝いに張られた鎖に頼りながら進む。

のろし場よりギボシの岸壁と権現岳〜三ツ頭の稜線を望む

 権現小屋を過ぎると直ぐに稜線に出た。先頭集団はここで後続待ちをしていた。すばらしい眺めだ。間近に見える主稜線を挟み右に白雲をまとった赤岳、左には全貌を露にした阿弥陀岳、両山の間には横岳、硫黄岳。阿弥陀の左彼方に蓼科山もはっきりと見える。振り返れば、権現岳の左側に富士山だ。見下ろす編笠山の右彼方に中央アルプスが連なっている。
 後続も次々と登ってくる。腹の調子がおかしいと言っていたM.M.さん、ギボシを下っているのが良く見えるのだがなかなか到着しない。「どうした、しっかり歩け!」とリーダーの叱咤激励に「しっかり歩いているが、調子が出ない!」と大声で怒鳴り返す声が山々に響き渡る。のろし場からここまで40分程度の行程で、20分も遅れた割りに、足元もしっかりし意外と元気なので安心した。

権現小屋上の稜線より八ヶ岳主峰を望む

 全員揃ったところで直ぐ先の権現岳山頂に登る。狭い岩峰の山頂で記念写真を撮り三ツ頭に向かう。ザレ場の稜線のハイマツ帯を緩やかに下り、上り返した三ツ頭山頂からの展望もすばらしい。頂を青空に鋭く突き立てた権現岳(最上部写真)、その右に曇に見え隠れする阿弥陀岳、さらにその右には赤岳が雲間から頭を出している。すでに午後3時を回っている。いつまでも見ていたいが先はまだ遠い。

網笠山とギボシ、彼方の中アを望む

権現岳山頂

権現岳下り直後、振り返って

 マツムシソウの群落地を20分ほど行くと前三ツ頭。ここで休んでいると、O.A.さんがきれいな花が咲いていると呼びに来る。やや盛りの過ぎたタカネビランジのようだ。今日はじめて花の写真をじっくりと撮る。

 前三ツ頭からはザレて滑りやすい下りだ。午後4時を過ぎたが、ときおり正面に富士山がはっきりと見える。前景のススキが秋の到来を告げていた。天ノ河原を過ぎると天女山駐車場は直ぐだった。

タカネビランジ

富士山の左に茅ヶ岳と曲岳

renew:2013/09/03