行 程 | |||
場 所 | 往路着時刻 | 復路着時刻 | |
寸又峡温泉入口駐車場 | 発 7:05 | 14:30 | |
猿並吊り橋 | 7:21 | 14:03 | |
寸又左岸林道登山口 | 7:35 | 13:54 | |
合地ボツ | 9:12 | 12:45 | |
栗山沢の頭 | 10:50 | 11:44 | |
朝日岳 | 11:03 | 発 11:35 |
【朝日岳】南ア深南部 寸又三山の雄峰 さすがにきつい
山 名 | 朝日岳(1826.6m) | |
山行日 | 2001年12月23日 | |
天 候 | 快晴 | |
同行者 | 単独 | |
歩行時間 | 7時間25分(休憩含む) | |
コース | 寸又峡温泉⇔登山口⇔合地ボツ⇔栗山沢の頭⇔朝日岳 |
寸又峡からの帰路見た朝日岳
近くにありながら、なかなかチャンスがなかった朝日岳。ちょっと手強い日溜まりハイクだ。原生林と富士山の展望そして下山後の温泉と大満足の山行だった。
朝5時20分、夜明け前に家を出たのは久しぶりだ。寸又峡温泉に向かう途中、接阻峡への分岐を過ぎてしばらくすると、明るくなりかけた空に朝日岳の堂々とした姿が目に入る。6時45分、寸又峡温泉入口の大駐車場に着いた。予想よりだいぶ早い到着だ。おかげで、ゆとりを持って身支度を整え、持参の朝食が食べられた。
7時過ぎに出発、まだ人通りはほとんどない。店の前を掃除している土産物屋のご主人に「朝日岳ですか?
気をつけて」と声をかけられた。直ぐに、朝日岳への分岐となり右に折れる。どんどん下って、10分余りで猿並吊り橋に着いた。橋を渡るとさっそくの急登である。林道を横切るところが登山口であり登山届のポストがある。相変わらずの急登だ。痩せ尾根の直登で一気に高度を上げる。左下に大間ダムが見える所で休憩。
ダムははるか眼下だ。歩き初めて1時間足らず、最初、下ってから登ったにしてはずいぶんと高度を稼いだ気がして気分がよい。ひと休みし、なおも急な尾根を進むと顕著だった痩せ尾根はあいまいな山腹になり、ロープを何本も張り巡らせたザレ場を登ったり、急斜面をトラバースしたりの緊張が続く。
目の前に前黒法師岳が現れたところで右に曲がる。その右奥に見えるのは黒法師岳だろうか。日影に雪が目立ち、やがて登山道も薄っすらと雪に覆われ、ほどなくして合地ボツに着いた。合地とは一緒になった地点、ボツは尾根のことだそうである。
猿並吊り橋
合地ボツ
今までの急登が嘘のように緩やかな尾根道となる。行く手は一面、真っ白である。新しく大きな表示板の立つ展望所で黒法師岳から不動岳へと連なる山並みの写真を撮る。続いて、朝日岳の展望所、さらに「アカヤシオ、シロヤシオ見所」の表示板が立つ辺りから再び胸を突く登りだ。不安定な足場に雪までついている。所々のフィックスザイルがありがたいが、完全なバテモード。20メートル進んでは一休み。10メートル先の赤ペンキ印まで登ったら一休み、遅々として進まない。そんな急斜面の途中に「栗山沢の頭」はある。そこからは原生林の中のほとんど平らな道であり、苦しかった登りのことを忘れさせてくれる。
展望所より前黒法師岳と黒法師岳
朝日岳山頂より富士山
単独行の女性が降りてきた。元気な方だ。大きな声で「こんにちわ!」と声を掛けられる。「きつい登りですね」と言うと、「頂上は直ぐですよ、眺めがいいですよ」と励ましてくれる。続いて男性単独行者とすれ違いしばらくして山頂に着いた。
樹林に囲まれた山頂だが、北東方面は切り開かれている。雪をかぶった富士山が美しい。その左に大きく見える山が大無間岳、続いて真北の真っ白な頂きは赤石岳だろう。山頂にいた男性単独行者と写真を撮りあった後、登りの苦しかったこと、天気に恵まれたことなど言葉を交わす。富士宮から来たそうだ。昨日、沢口山に登り、テントで泊まったそうだ。先ほどすれ違った女性単独行者も昨日、同時に沢口山登山口を発ち頂上までに30分以上も引き離されたと言ってました。
10分ほどで単独行者が下山すると、山頂を独り占め。富士山・大無間山に向かいラーメンをすする。幸せなひとときだ。
今年5月のちょっとした滑落によるケガ以来、非常に臆病になった。雪のついた急斜面の下りは特に嫌だ。手がかりの樹木や岩もありこの程度の雪なら、山を荒らさないためにもアイゼンは付けるべきではないのだろうが、栗山沢の頭からは4本爪を付けることにした。慎重にゆっくりと下り、道が平坦になる展望所表示板の所でアイゼンを外す。こまで来れば一安心。往路の戻りであり、岩や木の幹に印された赤ペンキマークや枝につけられたビニール紐が頻繁あり、道に迷う心配は全くない。写真を撮りながらのんびりと下る。
翠紅苑入口の立看板
駐車場に 14:30 到着。直ぐ近くの観光ホテル 翠紅苑の「白珠の湯」に入る。立派なホテルなので気が引けるが入口の「お気軽にご利用下さい」の看板がうれしい。
赤ペンキ印の目立つ路
そこには600円と書いてあったが、フロントで「タオルはお持ちですか?」と聞かれ「持ってます」と応えたためか、500円だった。清潔で広々した露天風呂の周囲には寒椿やススキが植えられている。風呂上がりには冷茶のサービスもあるし、なんとも贅沢な温泉気分を味わった。寸又三山下山後といわず、紅葉狩りなど寸又峡へ行ったときにはお奨めの立ち寄り湯だ。