【行き先】嵩山(170.4m),神石山(324.7m),石巻山(358m)
【日 程】2001年2月17日(土)
【同行者】単独行

【行 程】新所原駅9:55→登山口10:15→梅田峠10:25→10:30嵩山10:40→梅田峠→11:00仏岩11:05→11:15らくだ岩11:25→11:40神石山12:25→13:00多米峠13:05→T字路ピーク13:30→林道13:55→14:30ゲート→鳥居15:05→15:20石巻山15:45→鳥居15:50→16:10登山口(車道)16:15→16:25バス停(石巻山登山口)

 「湖西連峰」響きの良い名前である.浜名湖の西,静岡と愛知の県境を南北に走っていて,湖西市の神石山から三ヶ日町の宇利峠まで約23kmの山並みをさすそうだ. 
 静岡県の西端にあり駅構内は愛知県にまたがっているというJR新所原駅が出発点である.駅から北へ進み,突き当たりの道標に従い右に曲がる.200mほど先の信号を左折し道なりにすすむと新池畔の登山口に着く.入口に立つ立派な案内板に従い,車も通れる幅広のゆったりした登りの道を10分ほど行くと梅田峠につく.嵩山と神石山の分岐だ.先ずは嵩山を目指す.浜名湖の好展望台で,湖や民家が俯瞰できる.彼方には真っ白な富士山とその左に南アルプスが望める.(右上写真)


 梅田峠まで戻り,神石山へ向かう.快適な雑木林の尾根道を行く.冷たい風が気持ちよい.ほどなくして岩を登る感じの所があり,仏岩の標識がある.ここからの浜名湖や富士山の展望も申し分ない.先ほど登った嵩山の向こうに湖が広がっている.

 尾根道のコブに出るとめざす神石山が姿を現す(右写真).山頂に続く尾根筋に送電線の鉄塔が並んでいるのが少し残念である.

 登山口からずーと,路の両端で埴輪風の土人形が見守ってくれている.聞くところによると,地元の小学生たちがゴミゼロを願って,手作りの530体を山道に配置したそうだ.人形の胸の辺りに「530」とか「ゴミゼロ」と書かれた像も見受けられた.願いが叶ったというか,地元の方々の奉仕活動によるものか登山路には飴の包みひとつ落ちていない.多くのハイカーが訪れる人気のコースとしてはきわめて珍しいことではないかと思う.空き缶はおろか紙屑ひとつ見当たらない路を歩くのはことのほかうれしいものである.

 幾つ目かのコブの分岐を右に入り,らくだ石に立ち寄ってみると30人ほどの団体ハイカーがいた.ここからの眺めもなかなか良い.分岐に戻り,再び自然林の尾根道を行く.急登を上りきると神石山の山頂についた.一等三角点(右写真)の山だが雑木に囲まれて展望はない.広々した山頂は昼近いこともあり60〜70人ほどの人でにぎわっていた.日溜まりでラーメンを作り昼食にした.

 山頂から先は「豊橋自然歩道」の標示がよく目に付く.岩混じりの急斜面を下り,「雨宿り石」と名付けられた大岩を左に見て,何度かちょっとしたアップダウンを繰り返すと多米峠につく.広々した明るい峠だ.ここでも浜名湖や富士山が望めた.
 予定では,ここから知波田駅へ下るつもりだったが,まだ時間は早い.もう一山越え,廃寺跡か富士見岩から知波田駅へ向かうつもりで,食事中のハイカーに道を尋ねた.彼は「石巻山へ登り,豊橋へ出るのが良い」と言う.石巻山方面の地図は持っていないので少し不安だったが,「道は良いし,道標もしっかりしている」とのことだったので助言に従うことにした.

 多米峠から400mピークへ一気に登ったところでT字路にぶつかる.行政が立てたと思われる立派な道標があるが,石巻山は道のない直進方向を指している.今,登ってきた来た方向が多米峠となっているので,道標の向きは正しいことになる.右へ行くべきか左にすべきかまったく分からない.付近の木に付けられた週刊誌大の手書き道標は右に大知波田峠,マッチ箱程度の小さな板は左を指して赤石・石巻と書かれている.この小さな表示板に従うことにした.

 左折してしばらくすると杉の植林地帯となる.西に向かって下っている.やや道が荒れてきたので,何となく道を間違えたような予感がした.案の定,笹に隠れた路を下り三叉路の林道に出たが,何の道標もないし,逆から来たら決して入り込まない路だ.運良く,地元の3人連れの方に石巻山の方向を教えていただく.バックするように林道を東に向かう.しばらくすると,左手遙か彼方(と思えた)に石巻山と思しき山が見えた.

 あの立派な道標が示していた直進する道があったのかも知れない.しかし,明らかにT字路としか見えないのだから左右方向の行き先も標示すべきであると思った.きわめて迷惑な道標と言える.
 前方を歩いていた女性2人連れに追いつく.やはりあのT字路で迷ったと言う.私と同じくマッチ箱大の板が示す「赤石・石巻」に従いこちらに来たが「がっかりして,元気がなくなった」と言っていた.地図も持たずに歩いている自分のことは棚に上げて,ますますあの立派な道標を立てた人に腹が立った.

 ひたすら林道を歩いていくと,車止めゲートを越えて直ぐ右に「尾根道への遊歩道」との道標がある.林道歩きにうんざりしたこともあり,遊歩道を行くことにしたが,登るに従いどんどんバックするように思えたので,再び林道に戻ることにした.

 林道歩きに嫌気して,石巻山はどうでも良いと思い始めた頃,登り口の鳥居についた.午後3時を過ぎていたが,頂上は近いようなので登ることにした.大きなレンズ付きのカメラを持った4人ずれや親子3人連れとすれ違う.蛇穴やらダイダラボッチ足跡なる所を通過し,大岩を巻いて鉄製階段を3つ登ると石巻山の頂上についた.誰もいない,360度の展望は独り占めだ.豊橋市街の向こうに三河湾が見える.反対の東側は今歩いてきた方向だ.三ツ口池が南に見下ろせる(帰宅後地図で確認).来て良かった.あの忌まわしい林道歩きを忘れさせてくれる眺めである.コーヒーを入れぼんやり景色を見ながら飲んでいると,空身の男性が一人登ってきた.一渡り景色を見て,しばらくして下っていった.

 石巻神社鳥居をくぐり車道を少し下ると,「石巻山登山口バス停まで2.4km,35分」の道標があり,登山路が左に分岐している.杉林の中の歩きやすい道だ.「石巻山自然歩道」の標識が目に付く.広い車道に出た.来た方向を指す石巻山への立派な道標はあるもののバス停方向を示す道標はいくら探しても見つからない.道を聞きたくても,車はたくさん通るが,人通りはない.地図を持たない悲しさ,どちらに向かえばよいのかさっぱり分からない.
 とりあえず,広い車道を横断しまっすぐ行くことにした.しばらくして出会った人に道を聞くと,どんぴしゃり,そこから数分でバス停(石巻山登山口)についた.

石巻山山頂から三ツ口池を見下ろす

石巻山

前方に神石山

アクセスカウンター

神石山一等三角点

嵩山山頂から浜名湖展望(画像クリック→拡大)

【神石山、石巻山】冬晴れの湖西連峰を歩く