蔦の細道から満観峰

【山 名】満観峰(403m)
【山行日】2001年2月11日(日)
【天 気】晴れ
【同行者】単独
【行 程】蔦の細道公園8:35→8:45蔦の細道登り口→8:55峠9:05→298mピーク9:35→10:35高草山分岐→10:45満観峰11:40→11:55舟川分岐→12:10逆川集落→12:30道の駅 宇津ノ谷12:40→蔦の細道→12:55峠→13:15蔦の細道公園 


三角形の丸子富士と満観峰

 満観峰へはいつも花沢の里或いは,丸子から登るのだが,今回は反対側の「蔦の細道」から登ることにした.旧東海道以前,平安時代の宇津ノ谷峠越えの古道「蔦の細道」から満観峰への道はガイドブックもなく,道があるか否かは定かではない.2.5万図と磁石が頼りとは言え,怪しくなったらいつでも戻るつもりの入門ルートファインディングといったところか.
 国道1号線上り,宇津ノ谷トンネル手前の道の駅から入り,蔦の細道公園の駐車場に車を停める.30台ほどの駐車場は時間が早いためか1台の車も見当たらない.

 冷たい空気の中,公園の遊歩道を木和田川沿いに10分ほど行くと左に蔦の細道への登り口がある.よく整備された小径を10分ほど登ると標高210mの宇津ノ谷峠に着く.小広く明るい峠には在原業平の歌碑があり,蔦の細道は静岡側に下っている.ここから遊歩道と別れ満観峰を目指すことになる.2.5万図で行く手を確認,298.4mピークがとりあえずの目標だ.道もついているようだ.
 しばらく登ると,右から上てくる道にT字状にぶつかる.左に折れるが,道はやや不鮮明となり,何となく荒れた感じもする.それでも峠から目標のピークまで標高差はわずか90m足らず.かまわずそのまま頂上へ向かうことにした.登るに連れ,見捨てられたお茶の木の枝が複雑に絡み合い進むことが難しくなってきた.茶畑だったのだろう,畝道がしっかり付いているのでザックを置いて三角点を探すことにした.しかし,絡み合った伸び放題の枝は意外に手強くもぐることも,踏み越えることもできない.鉈も鋸も持たない悲しさ,直ぐ近くに三角点はあると思うのだが,諦めることにした.

 先ほどのT字路まで戻りよく調べてみると,直登気味にかすかな踏み跡がある.これを登ることにする.頂上近くで再び三角点を探したが,元茶畑の中なのだろう,とても分け入る気になれず,見つけることはできなかった.

 ピークを過ぎると暗い杉林の急斜面の下りとなる.鞍部からは左側の展望が開け明るくなるが,そこから一気の登り返し.もう,とても戻る気にはなれない.道はついているのだからこのまま突き進みバスや電車を使って車を回収する覚悟をした.ピークから,南東方向に満観峰とその左に丸子富士が見える.左後方は静岡市街.ここからは平坦な杉林の中の歩きやすい尾根道だ.

 左へ分岐する道があり,満観峰への近道のような気もしたが尾根道を直進する.ほどなくして右前方,茶畑越に無線中継塔の立つ高草山が見えた.その右遙か彼方に粟ヶ岳,八高山などの山並みが連なっている.駿河湾も見える.まことに良い眺めである.

 尾根を離れ左斜面を歩き,再び尾根道となってほどなく満観峰〜高草山の縦走路に出た.宇津ノ谷峠以来の道標がある.これまでに何度も通った見覚えのある道だ.小さな冒険は終わった.合流点から10分足らずで満観峰山頂に着いた.残念ながら富士山は雲の中だが,山頂は20人以上の人たちが休んでいた.人気のある山だけに,この時期としては珍しいことではない.

アクセスカウンター

 ゆっくりと昼食をとった後,逆川コースを下ることにした.やはり初めての道だが,道標はしっかりしている.舟川コースから別れ5分ほどでみごとな茶畑に出る.これを右折,沢沿いに下ると逆川の集落だ.下山口の立派な標識に「東海自然歩道バイパスコース,満観峰ハイキングコース」とあった.谷間の集落を国道1号線へ下り,静岡側の道の駅「宇津ノ谷峠」から再び,蔦の細道に入り,峠を越えて蔦の細道公園に戻った.大勢のハイカーや観光客でにぎわっていた.

蔦の細道登り口

逆川集落付近の茶畑