【山 名】貫ヶ岳(897.3m)
【山行日】2001年2月10日(土)
【天 気】晴れ
【メンバー 】単独
【行 程】登山口⇔樽峠⇔平治の段⇔貫ヶ岳

樽峠登山口8:30→9:35樽峠9:40→10:40平治の段10:50→十国展望台→11:20晴海展望台11:40→11:55中沢登山口分岐→12:15貫ヶ岳12:50→13:25晴海展望台13:40→14:05平治の段→14:30樽峠→15:10登山口

貫ヶ岳山頂

 タイヤチェーンなど雪対策は全くしていないので、ここのところの全国的大雪のため、道路事情の分からない遠出はできない。近間にでかけることにした。

 国道52号線を北上し、但沼で左折する。興津川に合流する中河内川に沿って板井沢の集落を過ぎる。支流の樽川に沿った舗装道路の終点が登山口だ。特に駐車スペースは無いが道端に数台は停められる。

アクセスカウンター

 一面、雪に覆われた峠のど真ん中に「平治の段(30分)」、「高ドッキョウ(60分)」の道標が立っている。高ドッキョウ方面に新しくはないが足跡がはっきりとついている。雪に鎮座するお地蔵さんを写真に撮り、静岡・山梨の県境を平治の段に向かう。こちらにもかすかながら人の通った痕跡はある。雪がさらさらのため、すぐに足跡は消えてしまうのだろう。よくしまった雪で歩きやすく、幹に巻かれたテープなどの目印がありトレースがなくとも不安はない。

 Y字路で左に道をとる。右は急登だし、赤ペンキで杉の幹に記された矢印の先端は左方向を指しているとしか見えなかったからだ。しばらく行くが道がだんだん怪しくなり、目印のテープやペンキもさっぱり見当たらない。間違ったようだ。引き返して、Y字の右のトラロープの張られた急斜面を登る。平坦になってほどなくして「樽峠へ10分、平治の段へ20分」の道標が目に入る。何と!、峠からここまで、35分もかかってしまった。

 平治の段を中沢峠方向へ少し登ると、素晴らしい展望が開ける。大きな富士山、その左に毛無山、真っ白な北岳、間ノ岳と続く。何枚も写真を撮った。平治の段まで戻り、貫ヶ岳へ向かう。

 平治の段から数分で十国展望台に着いた。富士山側の見晴らしが一段とワンダフルである。ここから貫ヶ岳までは自然林の尾根沿いの一本道。ときどき踏み抜くことはあるものの、適度に締まった雪道は歩き易く右手に富士山を見ながらの稜線歩きは快適だ。途中の晴海展望台で富士山を見ながらコーヒーを入れる。振り返れば、駿河湾も見えるではないか。

 中沢登山口への分岐を過ぎ、小さなピークを越えると急登となる。雪がやわらかくて、ずぶずぶともぐる感じである。男女2人連れとすれ違い、ほどなくして小広く平らな山頂に着いた。結局、アイゼンもスパッツも使わず仕舞い。誰もいない山頂で、富士山を見ながらゆっくりと昼食をとった。

 往路を戻る。晴海展望台で犬を連れた3人パーティーが休んでいた。地元の方々らしい。何度も来ているが今日は頂上へは行かず、ここから戻るそうだ。ライターを雪に落としたため湿って火がつかないと言う。ザックを開けライターを出し、点火してあげた。ついでに自分もコーヒーを入れ、お喋りしながら早めの休憩とした。

富士山眺めて、雪の稜線歩き貫ヶ岳

 沢沿いの林の中を行く。しばらく歩くと根こそぎ倒れた樹木がやたらと目に付く。枝の茂った倒木が登山路を完全に塞いでおり、沢に降りて巻いた。その後も跨いだり、潜ったりが続く。水場を過ぎると雪が目立つようになった。

 「ヒュッテ樽」の分岐を過ぎて数分後、葉をたくさんつけた倒木を越すに一苦労すると、すぐに2つ目の水場があり、この辺りから一段と雪が増したように感じられた。沢を離れ日当たりの良い所に出た頃、ヒュッテの鐘だろうか、冷たい空気に乾いた音色が響いていた。ほどなくして樽峠に着いた。

林道終点の登山口に路駐

樽峠

雪に覆われた登山路

平治の段

平治の段より南アルプス

十国展望台

 様子の分からない往路に比べ、帰路は気楽だ。快調に平治の段、樽峠を通過する。ヒュッテの方からから鋸らしきものを持った2人連れが下りてきた。かなりの倒木を切断するなど始末してくれたようで、ほとんど苦労なく駐車場に戻ることができた。朝は自分の車だけだったが、他に3台が駐車していた。