ビク石山頂は奇岩巨岩の岩石公園

【山行日】2001年1月21日(日)
【山 名】石谷山(ビク石) 526m
【天 気】晴れ
【同行者】単独
【行程】森入口11:00→11:15不動明→11:35左右コース分岐→11:40風穴→11:55合流(展望台分岐)→12:10山頂13:05→13:15市ノ瀬分岐→13:40芝生公園分岐→13:50登山口→13:55吊橋→14:00バス停

 石谷山は通称「ビク石」と呼ばれ,1年を通じて家族連れが楽しめる山であり,藤枝市が市民ハイキングコースとして指定している.2.5万図に山名は無いが526mの標高が記載されている.

 ここ数日来,太平洋側にも大雪をもたらした低気圧が通り過ぎ,回復しつつある天気につられ出かけることにした.各地で大雪に見舞われたとはいえ,わが住む町には雪の「ゆ」の字も見あたらない.年間を通して雪が降ることはほとんどないので,雪対策は皆無である.もちろん,車のチェーンもないので雪のある道には行けないので,遠くへは出かけられないのだ.

 瀬戸川の広々した河川敷駐車場に車は1台.駐車場の対岸に建つレストラン紅葉館の背後が森の入口である.市民の森概念図の表示板を確認して森に入り込む.
 しばらくは沢を見ながら農道をすすむ.荒れた簡易舗装道の日陰には苔が生えている.空気は冷たい.冬の森の寂寥感が漂っている.農道の終点に祭られている不動尊像を左に見ながら遊歩道に入る.

 ところどころに巨岩が見られる谷添いの遊歩道はよく整備されている.道にはうっすらと雪が積り,丸太組の橋は滑りやすいので緊張した.左右コースの分岐で風穴に立ち寄る左コースに「危険」の標示があり,通行止めになっていた.風穴に寄りたいのであえて左コースをとる.直ぐに風穴分岐だ.道一面にうっすら積もった雪には足跡一つない.1,2分で風穴のある大きな岩に着く.穴の入口にザックを置いて,人がようやく通れるほどの穴に入ると出口の向こうに対面の山が見えた(左:風穴出口).

 風穴を後に,「危険だったら戻ればよい」と,そのまま左コースを行くことにする.しばらく行くと確かに10mほど遊歩道が崩れていて通行は難しそうだが,直ぐ脇をさして苦もなく通ることができた.そこから10分足らずで左右コースの合流点に着く.もちろんここにも通行止めの標示がある.ファミリーコースとしては通行止めもやむを得ないかもしれないが,「遊歩道一部崩壊,通行困難」程度の標示で十分な気がした.一般に登山路ではあの程度の道はごく当たり前であり,とても「危険」とは言えないと思った.

 合流点から2分ほどで展望台への分岐となる.瀬戸川とその左右の山並みは奥行きがあり,なかなかの眺めである.西に電波塔の建つ高尾山も見える.展望台分岐まで戻り山頂を目指す.5分ほどで山頂に着いた.休憩所の東屋に下山口のバス時刻表が標示されているのがありがたい.

アクセスカウンター

 富士山は雲に隠れて見えないが,東南方向に駿河湾,そして高草山の右に焼津の街が見渡せる.少し離れた巨岩の上から,反対側の北西方向を見ると高根山をはじめ雄大な山並みが続き,麓には市ノ瀬の集落も見下ろせる.
 山頂付近は奇岩巨岩が点在する岩石庭園となていて,それぞれの岩には名前が付けられている.ビク石の由来となった魚籠に似た巨岩には気づかなかった.(右:山頂より焼津方面)

 なだらかな山頂を北へ進むと市ノ瀬と新舟の分岐に出る.新舟側へ少し寄り道をして,富士見地蔵をお参りし市ノ瀬へ向かう.雪が薄く積もった山頂直下の作業道(頂上公園整備のための道か?)に車の跡がついていた.作業道から,先ほど登った展望台分岐からの遊歩道に下って直ぐに市ノ瀬への分岐がある.1cmほど積もった雪の道は足跡一つない.雪をかぶった道はわずかであったが,やや急で露出した岩とゴロゴロ石の歩きにくい道となる.それも5分ほどで,再び歩きやすい遊歩道となる.一旦,作業道に出るが数分で遊歩道への分岐がある.

 バスの時間に合わせのんびりと下っていくとハンターに出会った.イノシシ狩りだそうだ.犬を放ち獲物を待ち伏せしているところだと言う.11月の解禁から10頭以上のイノシシを仕留めたそうだ.さらに5分ほど下ったところにもう一人ハンターが佇んでいた.

 駐車場のあるビク石登山口を通過すると瀬戸川は直ぐだ.清流に架かる吊橋と段々の茶畑,絵になりそうな風景だ(左 写真).何枚か写真を撮った.そこからビク石登山口のバス停までは5分足らずで着く.10分ほど待つとバスが来た,2kmほど離れたビク石牧場のバス停で降り車を回収した.

 焼津の写真マニアの方とお喋りしながら,ラーメンを作り昼食をした.晴れていて風もほとんどないのだが,意外と寒い.即席ラーメンでもこういう所で食べるとことのほか美味しく感じる.安上がりのグルメである.食後,ドリップ式のコーヒーを入れたのだがもたもたしたため,すっかりぬるくなってしまった.家で練習しておくべきであった.