【釈迦ヶ岳・黒岳】尾根道を落ち葉踏みしめ

【年月日】2000年12月10日(日)
【山 名】神座山(黒打ノ頭),釈迦ヶ岳,黒岳
【同行者】K.S
【行 程】登山口9:05→鳥坂峠→鳥坂山9:15→11:05神座山11:15→コル11:55→12:15釈迦ヶ岳13:10→府駒山13:30→ドンベエ峠13:50→14:45黒岳15:05→すずらん峠15:15→15:50すずらん峠登山口


 今年の早春,甲府盆地の南につらなる山並みを鳥坂峠から西へ歩いた.春日山を経て鶯宿峠まで,芽吹き前の雑木林の尾根歩きは思いの外展望もよく気持ちの良い山行だった.今回は,鳥坂峠から釈迦ヶ岳へと東に歩くことにした.

 国道139号線,精進湖入り口の赤池交差点でKと落ち合う.芦川村のすずらん峠登山口の駐車場にKの車をデポする.男性2人,女性6人ほどのパーティーがすずらん峠へ向けて歩き出すところだった.Kを乗せ鳥坂峠へ向かう.新鳥坂トンネルの直前で左の旧道に入り,コンクリートで塞がれた旧トンネルの手前の登山口付近に車を停めた.

 登山口から鳥坂峠までは10分足らずだ.そこから鉄塔と三角点のある鳥坂山までさらにひと登り,ほどよく身体が温まる.右前方に先の尖った節刀ヶ岳を見ながらの快適な尾根歩きが続く.小さなピークの度に,パラボラアンテナなどが立っているのがやや興ざめだ.

 登山口から1時間ほど歩くと前方に大きなピークが見える.神座山か?.意外に近いと思ったのだが,それは大甘だった.厳しい急登を含め,アップダウンの繰り返し「今度こそ,神座山」の思いを何度も裏切られることになってしまった.

 すっかり葉を落とした木の間越の景色を眺めながら,落ち葉を踏みしめて歩くのはことのほか楽しい.枯れ枝が多少身体にまとわりつくが,尾根伝いでもあり路はしっかりしている.おまけに所々,紫色のビニールテープが枝に結ばれており迷う心配は全くない.

 突然,正面に鋭三角形の釈迦ヶ岳が姿を現し,そこから5分ほどで神座山の山頂に着く.登山口から2時間かかった.行く手には形の良い三角形の釈迦ヶ岳,その右に黒岳が見える(上の写真).

 行く手前方の釈迦ヶ岳が鋭く聳えて見える.「えらく険しそうだな」とKがつぶやく.しかし,実際は右手に見えたピークを越えて釈迦ヶ岳へ登るのであり,進むにつれてさしたる険しさも感じなくなった.そのピークを5分ほど下ると峠に着く.芦川村への下山道が右に別れている.釈迦ヶ岳まで30分の標示.そこからは両手をフルに使っての厳しく険しい登りが続く.途中,真新しい太い白ロープが3ヶ所ほど取り付けられていたが,登りでは特に必要は感じなかった.

 釈迦ヶ岳山頂着.先客は朝,すずらん峠登り口駐車場で見かけたパーティーだった.黒岳を周り今,山頂に着いたばかりとのこと.残念ながら,主役の富士山は見えない.南アも雲の中だが,歩いてきた西の山並みの向こうに春日山など幾重にも折り重なった山脈の展望に満足する.

 赤い服を着たお地蔵さんを前景に,東の御坂黒岳,三ツ峠山を撮す.北東方向の大菩薩嶺や雁ヶ腹摺山などもよく見える.富士山は見えなくとも一級の展望だ.

 昼食後,ちょっと贅沢にドリップ式のコーヒーを味わい,山頂を後にする.釈迦ヶ岳の険しい下りのあとは,すっかり葉の落ちた雑木林の中の尾根路歩き.ガサゴソと落ち葉を踏み分ける音と左に長く伸びた自身の影に初冬の午後を感じた.

 府駒山を経て,ドンベエ峠に着く.昨年の秋,ここに車を停め釈迦ヶ岳を往復した.すばらしい紅葉と山頂からの展望にすっかり魅せられたのを想い出す.すでに午後2時近いが,ためらうことなく黒岳に向かう.相変わらず落ち葉が積もった歩きやすい路だ.上芦川への分岐を過ぎる辺りから日陰に雪が目立つようになる.

 御坂峠からの稜線にでると直ぐに黒岳だ.一等三角点のある山頂は広場になっている.さすがに午後3時近いと誰もいない.山頂から南へ200mほどの展望台からの眺めがすばらしい.富士山は裾野しか見えないが,眼下に河口湖,彼方に山中湖,連なる山々.また来くなる風景だ.

鳥坂峠下の駐車スペース(廃道)

落葉の積もった稜線の登山路

釈迦ヶ岳山頂

釈迦ヶ岳山頂より三ツ峠、黒岳

神座山より釈迦ヶ岳と黒岳

ドンベエ峠

 山頂に戻り,左手に河口湖を見ながら一気にすずらん峠へ下る.右へ曲がりしばらくすると沢を横切る.そこからの路がまたまたすばらしい.正面には先ほど登った釈迦ヶ岳.午後の遅い陽に照らされた雑木林の路.ゆったりとした下り.大好きな登山路だ.
 しかし,快適な下山路も真新しい舗装林道に出るまでだった.2.5万図にない林道だ.Kの車のデポ地までこの道を下ったが,舗装林道を横切り直接,デポ地まで下る路があったようだ.

黒岳山頂

展望台より河口湖

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