日本百名山完登記 (OAA会報より抜粋)

完登者(報告者)  弦橋利子さん
山 名  宮之浦岳
会報No.  153号(2000/12)
完登日  2000年11月3日
HP管理人  参加

 11月1日、九州の名峰への出発はあいにく小雨降る夜でした。2日早朝伊丹空港へ着く頃雨は上っていて、雲のあい間に青空が見え心なしか薄日も差していた。しかし台風くずれの影響か鹿児島も屋久島も、天候の具合で着陸できない事も予想されるというアナウンスに皆暗い気持ちになった。以前3回参加している九州の山は全部雨だったので何としても天気であってほしいと祈っていた。

屋久島と九州の名峰
     宮之浦岳・開聞岳・韓国岳

 願いはかなって予定より少し遅れ11時45分快晴の屋久島空港着。以前にも来ていて嵐で登れなかった夢の島へ再び着いた時は思わず拍手してしまった。午後レンタカー2台に分乗してガジュマル園、落差88mの豪快な大川の滝など滝めぐりをして安房の宿へ。途中小柄なヤクザルの群れが車の前を横断する場面もあった。

宮之浦岳山頂(弦橋さん日本百名山完登)

 3日5時30分、まだ暗い中を九州一の高峰・洋上アルプス宮之浦岳めざしていざ、淀川登山口からアップダウンが続き、木の根が多い登山道を花之江河へと進むと湿地帯が広がって心なごむ所。ヤクザサやアセビが繁り樹林は苔むして緑がなんとも云えない。ゆるやかな登山道から最後の登りの途中、若いヤクシカが人を恐れもしないでササを食んでいた。そしてしばらく、富山さんの 「もう一息だぞーガンバレー」の声に何故か胸がふるえてしまった。

大川の滝(落差 88m)

宮之浦岳まで1.5km付近

 そして頂上。奥山さんと大石直美さん運び上げのワインを皆で頂き、私の百名山完登を祝ってもらった。天気も良し展望も抜群で幸せいっぱいでした。
 下りでは途中の翁岳と黒味岳の岩頂に登り、その頂から眺めた宮之浦岳も又格別でした。帰路、川上杉や樹令三千年という紀元杉に寄り、ヤクスギランドを回遊した。
 4日早朝、数名以外の人は平内侮中温泉を楽しんで来る。
 朝食後鹿児島空港へと渡りレンタカー2台に分乗して一路開聞岳へ。指宿スカイラインでは秋の風にゆれるススキが印象的で、車窓から池田湖越しに見る開聞岳は雄大であった。前回に登った記憶はただひたすら雨の中を歩いたということしかない。

完登に乾杯!

 2合日登山口を12時30分頃登山開始。小石のような火山轢の道から岩道になる7合目、左回りでシダやツワプキの多い道を巻き登る。独立峰で大きな岩の頂上は360度の展望台、池田湖や海岸線の白い波頭まで見えるすばらしい眺望でした。下山後は時折車を止めては写真を撮りながら、スカイラインを戻って空港先の霧島温泉の宿へ。
 5日、韓国岳登山の予定の朝、いわし雲みたいのが広がっていたがのち快晴との予報。車窓から見る赤松の林やススキが美しい。

開聞岳山頂

 標高1200mのえびの高額から不動池を左に見て歩き始める。賽の河原には噴気注意の立札がいくつか目に入り硫黄臭がする。前二つの山に比べ足元が滑り易いが紅葉が美しい。5合目附近は赤い岩がゴロゴロしている。山頂は大きな岩の広がる眺望の良い所。下山は大浪池を目指す、けっこう急な下りだが広がる紅葉が楽しませてくれる。大浪池は火口湖、池越しに韓国岳と紅葉を眺めながら、その火口縁を一周約4kを回りえびの高原へ下山する。やはり滑り易い路の連続でいつも通り必死でした。昼頃えびの高原に着くと観光客がいっぱいで道路は車が渋滞を起こしていた。

 鹿児島空港へ戻り一路静岡へ。北は利尻岳から南は宮之滞岳まで沢山の山々を皆さんのおかげで楽しむことが出来ました。ありがとうございました。

大浪池の火口壁より韓国岳