山 名 | 富士見山(1640m) | ||
山行日 | 2000年4月23日 | ||
同行者 | 単独行 | ||
歩行時間 | 4時間35分(含む休憩) | ||
コース | 平須登山口⇔富士見山頂⇔三角点 |
行 程 | |||
場 所 | 着時刻 | 発時刻 | |
平須登山口 | 10:30 | ||
第二小屋 | 11:05 | 11:10 | |
富士見山々頂 | 12:35 | 13:05 | |
三角点山頂 | 13:20 | 13:30 | |
富士見山々頂 | 13:45 | 14:00 | |
平須登山口 | 15:05 |
参考資料 | 【続・富士を見る山歩き】工藤隆雄 小学館 1997/10/10 初版 | |
交通 | JR身延線甲斐岩間駅からタクシー20分 | |
マイカー | 登山口に数台置けるスペースがある | |
問い合わせ先 | 中富町役場産業課:0556-42-2111 |
【富士見山】富士山と南アルプス展望の山行記
富士見山は富士山と南アルプスの大展望が楽しめる山です.山梨百名山でもあり,中高年の単独行でも比較的安心して歩けるコースのように思いました.季節としてはもう少し早い時期が良いように思いますが,格好良くそびえる北岳をはじめ南アの白い峰々はまだまだ見応えがありました.
富士見山々頂
予報通りやってきた春の嵐を登山口の近くでやり過ごす.雨混じりの強風に桜の花びらが舞い乱れている.小一時間ほどで嘘のように穏やかな天気になった.
平須バス停付近に車を停める.その直ぐ前の十段ほどの石段を登り登山開始。単独行のときのいつもの時間より2時間以上も遅い出発だ。
登山道はよく整備されている。「頂上まで3.5Km」の表示板が立っている.0.5Kmごとの表示板はありがたくはあるが,歩き疲れてくると「次の表示板はまだか?見落としたのか、誰かが外してしまったのか,もともと無いのか?」などと,なかなか現れぬ標識にいらぬ連想をしてしまう。
降り積もった落ち葉の道は脚にやさしく歩き易い。時おり、「ガサッ」と音がする.風に吹かれ,松ぼっくりが落ち葉に落ちる音だ。こんなささいなことにも心にさざ波が立つのを感じてしまう.
手入れの行き届いたヒノキやスギの植林帯をジグザグに登る.雨をしのげる程度の第二小屋で一息入れた。
小屋を出てまもなく「山頂まで2.5Km」の表示,「まだ1kmしか歩いてないのか」と思ってしまう.「もお,1kmも来たのか」と思えないのが情けない.ゆるい傾斜でまっすぐな登山道の両側に杉が整然と並び、日光街道の杉並木を連想させる。
植林帯を抜けると雑木林となり急に明るくなる。身勝手なのだろうが,登山道はこうあってほしいものだ.山頂まで「2.0Km」の表示板を過ぎるとガレ場のトラバースとなる.ロープは張られているものの,緊張を強いられる。通り抜けてホッとしたとたん、足元でヘビがガサガサと音を発てて遠ざかっていった。いつもなら、さして気にもならないが、緊張から解放され気がゆるんだ途端のガサガサ音にビックリした。
「1.0Km」表示を過ぎてまもなく、道の左側が大きくガレている。足を滑らせたら大惨事だ.注意を促す看板もあるが,道は広くしっかりしており不安はまったく感じなかった。
平須登山道入口
富士見山山頂より富士山と富士川
富士見山山頂より左から布引山,笊ヶ岳,這松尾
稜線に出て左に折れると山頂は直ぐだ。
富士川を隔て毛無山塊、その向こうには左に裾野を延ばした富士山。富士川と早川の合流点を眼下に見下ろし、その右側には身延山に続く七面山などの山並が手にとるように見渡せる。写真などでは決して望むことのできない、縁無しの大パノラマは自分の目で見てこそのものであろう.
目を転ずると、南西方向に布引山、笊ヶ岳。真西には雪を被った荒川三山、そして北西方向に白根三山と、南アルプスの峰々がずらりと並んでいる。
頂上にはご夫婦1組、女性2人と単独行の男性、計5人の先客が休んでいた。ひとしきり景色を堪能した後、頂上まで30分の表示があるのに気付き、「ここが頂上じゃないんですか?」と誰にともなく聞くと、「三角点はこの先だが、眺めはよくない」と教えてくれた。
ご夫婦と男性はここから引き返えすそうだが、甲府市に住むという2人の女性は、「山梨百名山」の標識のある頂きを目指すと言う。
このところ「山梨百名山」のことをよく目や耳にする。こだわるわけではないが、やはり気になる。単独行のときはとっくに下山している時刻だが、足を延ばすことにした。
みなさんがそれぞれに出発した後、一人になった山頂で景色を楽しみながらゆっくりと昼食をとった後、三角点を目指した。
富士見山の2等三角点はコブを3つ越えたカラマツの植林帯の中にある。「山梨百名山」の標柱はあるものの、確かに展望はよくない。それに先の山頂よりも標高は0.5m低い。三角点があるからこちらに「山梨百名山」の標柱を立てたのだろうか?。
展望のよい山頂に戻ると、富士山頂の雲も取れ、ますますみがきのかかった展望を心行くまで堪能し往路を下山した。
二等三角点山頂