天竜市と龍山村の境界尾根を箒木山からカシ山まで尾根通しに歩くつもりでしたが、途中から道を失い車道歩きとなってしまいました。この時期ならではの里山歩きであるとともに、山慣れない私にとって2.5万図と磁石を頻繁に確認しながらの里山歩きはとてもよい経験をしたように思う一方、一人ではとても無理であることも実感した山歩きでした。
東名 袋井ICを出て約35分、本日下山予定地の天竜川に架かる横山橋を通過し、県道295号線を熊(くんま)に向かう。熊の手前で右折し県道9号線を行き、大地野トンネル入り口(左写真)で下車する。袋井ICから約75分かかった。
天気は明らかに回復方向にあるが、雨に打たれながらのヤブ山歩き覚悟の身支度を整え出発する。このところお天気続きで各地に乾燥注意報が出ているというのに雨模様とは情けない。
下車地点に標高610mの表示板があり、そこから右へ分岐する林道を数分歩き左の山道に入る。大地野トンネルの上と箒木山を結ぶ尾根を目指すが、道は定かではない。露払いを嫌ってか、いつになくトップ集団の位置を譲り合う。
雨はあがったようだが、杉林に積もった雪が溶け大粒の滴が落ちてくる。前回に続きまた傘をさしての山行になってしまった。数分登ったところで再び林道に出る。今朝積もった雪が淡い白色の布のように林道を覆っている。できるだけ林道を避けるのだが直ぐまた林道にぶつかる。そろそろ山頂と思える標高付近の広々とした所まで林道は通じていた。
林道の終点からは周囲に高いところが見当たらず、地図を広げ山頂付近であることを確認するも、とても山頂の感じはしない。50m程離れた所に測量用の赤縞の小さなポールが見についた。行ってみるとポールに「ホウキギ山」とマジックで殴り書きしてあり、下に三角点があった(右写真)。あまりにあっけなく山頂に着き拍子抜けの観は否めない。
北東方向に白倉山の稜線が望める箒木山々頂を後にし、天竜市と龍山村の境界尾根歩きがはじまる。小ピークを登っては急降下。木の枝などにまれに古びた赤布やテープを目にするものの相変わらず道は定かではない。右手に見え隠れしていた林道に出たところに工事用の休憩舎があり、ここを借用して早めの昼食をした。
昼食後再び境界尾根を丹念にたどる。ピークに出ては2.5万図と磁石で進む方向を確認しながらの山歩きだ。登りは問題ないが下りは難しい。「尾根を外れたようだ」と私の前のMがつぶやく。「どういうことですか?」と私。「左の方を指し、向こうの方がほんの少しだけど高いように感じないか?」。言われてみればそんな気もする。ほどなくして先頭も気づいたのかヤブの中を小枝の跳ね返りに悩まされながら左へトラバース、尾根らしきところに戻るとかすかに道らしきものもある。
山頂の三角点を見る
大地野トンネル
いくつもの小さなピークの急登と転げ落ちそうな急下りを繰り返し、市の瀬と石打間の東海自然歩道に出た。数年前に歩いたところであり、かすかな記憶がある。10分ほど休憩し、カシ山を目指し再び境界尾根を行く。ピークを越えまたまた転げ落ちそうな急斜面を下ると再び林道。再三、地図を広げ鳩首会談をするも、次のとっつきがなかなか見つからない。しばらく林道を下るうちに少しずつ戦意が衰えていくのを感じる。尾根伝いをあきらめ、迂回してカシ山を目指すことにする。しかし、大井平の北方で地元の方にカシ山への道を訊ねると、尾根2つほど右に来てしまっているとのこと。カシ山経由で横山橋へ行くにはまだかなりの時間を要すとのこと。すでに午後3時に近い、待たせてあるバスとの待ち合わせ時間にとても間に合いそうもないので、諦めて朝通った車道にでて横山橋へ向かうことにした。
横山道の石柱道標
箒木山々頂へ通じる雪に覆われた林道
山 名 | 箒木山(840.6m) | |
山行日 | 2000年3月12日(日) | |
天 候 | 雨のち曇り | |
同行者 | いつもの山仲間 | |
歩行時間 | 4時間50分(除 長休憩、昼食休憩) | |
コース | 大地野隊道10:05→10:45箒木山11:05→11:30昼食11:55→14:10東海自然歩道14:25→15:10大井平15:20→15:40横山橋 |
【箒木山】天竜市と龍山村の境界尾根歩き