行 程(着時刻、*:発時刻)
場 所 往路 復路
林道終点 *9:10 14:35
ヒュッテ樽分岐  9:40
樽峠 10:00 13:45
清水方面展望所 10:55 13:00
高ドッキョウ山頂 11:30 *12:30

【高ドッキョウ】年末の寸暇を掠めて山歩き

山 名  高ドッキョウ
山行日  1999年12月26日(日)
天 候  晴
同行者  単独
歩行時間  (除く昼食休憩)
コース 林道終点⇔樽峠⇔高ドッキョウ
一浴温泉情報                アクセスカウンター
西里温泉浴場やませみの湯
tel:0543-43-1126 9:30-18:00  \600(3h)
清水市の北部、森林公園やすらぎの森の中にある公営の日帰り温泉施設。清水ICから40分ほどだが、山奥の感じがする。大きな内風呂と男女各3槽の露天風呂は源泉のままのぬる湯。竹墨を浮かべてある墨湯、お茶や薬草湯など変わり湯を楽しめる。お湯はほとんど色はなくさらっとしている。露天風呂からの眺めがすばらしい。

  年末の飛び石連休。掃除に余念のない山の神の手前、出かけにくい雰囲気だが、勇を決し近場の山に行くことにした。

  高ドッキョウは2.5万地形図(篠井山)に名前は載っていない。地形図中央下部の樽峠と徳間峠の稜線上の三角点1133mと記載された山が高ドッキョウである。

  一ヶ月ぶりの単独行。朝6時頃出る予定だったが、起きたのは7時過ぎ。単独行の常、どうしてもモタモタしてしまう。自宅を出たのは8時近くなっていた。

  国道1号から国道52号への分岐から約6Km、但沼信号を左折し、そこから中河内を経て約17Kmで林道終点(登山口)に着く。乗馬クラブ前の路肩に駐車する。

林道終点、左に登山口標識

  2体の石仏が迎えてくれる樽峠は明るく広々としていて休憩にはもってこいの場所。尾根道にも古びた小さな石仏が1体あり、峠の雰囲気を漂わせている。高ドッキョウまで60分の標識があるが、ガイドブックには100分とある(結果的に60分ではとても無理と思った)

 登山口標識に樽峠まで60分とある。丸木橋を5回ほど渡り、沢沿いの植林帯を行く。ゆったりした登りで歩きやすい道だ。いったん沢から離れ、ヒュッテ分岐を過ぎて数分、再び沢に出合った所が水場だ。冬でも枯れないという。確かに、ここしばらく雨が降っていないのに水量は豊かだ。そこからは、ジグザグを切りながらの穏やかな登りで、いかにも峠に通じる道の風情がある。

樽峠

 広く平坦で気分の良い尾根道をしばらく行くと、右手の桧林が切れ突然富士山が姿を現す。感動の一瞬だ。再び右側は桧林に視界を遮られるが、左側の南面は雑木林、すっかり葉が落ち、明るく快適な道が続く。小さなアップダウンを繰り返すと、右前方に形の良い三角形の篠井山と双子の十枚山が見える。

左:十枚山、右:篠井山

 雑木林の中の小さなピークを2つほど越えると滑りやすい急坂。所々、霜で白くなった道を木の根や岩角につかまり、あえぎながら登る。いつもながら頂上直下の登りはきつい。登り切ると、頭に雪をかぶり、大きく裾野を広げた富士山の雄姿がすばらしい。その左に毛無山、間近には篠井山と十枚山。何枚もの写真を撮る。後から分かったのだが、頂上よりもここの方がカメラポジションとして圧倒的に優れている。ここから頂上は目と鼻の先だ。

   笹っぽい道や痩せ尾根、固定ロープがある小さな岩場など、道もだんだん登山道らしくなると、ほどなく清水方面展望所に着く。清水港や伊豆の山並みがかすんで見える。

右に富士山、左に毛無山塊

  頂上直前で下る人とすれ違う。今日、はじめて出会う人だ。頂上にも帰り支度をしている人がいた。山梨側から樽峠を経てきたという。頂上は木立に囲まれているが、富士山側だけ伐採されている。富士山に取り付いた程良い雲と真っ青な空をバックに、山梨百名山の標柱を配し、帰りがけの人に頼んで記念写真を撮って頂く。
  一人きりになった山頂で、鍋焼きうどんを作り富士山を眺めながら昼食。風もなく穏やかな日差しの中、何を考えるでもなくただボーッと過ごす。ゆっくりと流れる雲の他、動くものはない。無為の時が過ぎて行く。

高ドッキョウ山頂

  来た道を引き返す。富士山の頭は雲に隠れてしまったが、先ほどのカメラスポットで再び写真を撮る。今日、3人目の人が登って来て、長い立ち話となる。重度の糖尿病で、1週間も山に登らないと目が見えにくくなるとのこと。そのため毎週登っていると言う。ピッケルを持った物々しいスタイルは、正月登山のための足慣らしだそうだ。さしたる目的もなく山歩きをしている身には、何か悲壮感さえ感じたじろいでしまう。

ヒュッテ樽

 明るく雰囲気のよい樽峠で、石仏をながめるなど10分ほど過ごす。十数分下ったところのヒュッテにも寄ってみた。10坪ほどの小屋でテラスもあり、風呂もあるようだ。外壁のトタンには青ペンキも塗られ、小ぎれいに管理されている。所有者に電話をすれば使わせてもらえるとガイドブックに書いてあった。

 駐車地点より約9kmほど戻ったところを右折し(高瀬橋を渡る)大平へ向かうこと約7km、西里温泉の公営「やませみの湯」に立ち寄る。2時間で500円、3槽の露天風呂や休憩室など自信をもっておすすめできる温泉だ。

更新:2013/09/03